第3話 登校初日

寮生活になるため実家を出る朝。


ミア「グラン、体には気をつけてね。長期休暇には顔を出してね。」

ルイス「お前はこの何年もの間本当によく頑張った。向こうでもしっかりやるんだぞ!」

グラン「父様、母様。…その、あのとき俺を信じてくれてありがとう。」

そう言うと二人は自分を抱きしめてきた。

そして、更に成長した双子もやってきた。

フレト「兄さん、行ってらっしゃい!」

ミリシャ「兄様、頑張ってね!来年は私達も受けて絶対合格するから!」

グラン「おう!俺もお前らと同じ学校通いたいからな!頑張れよ!」

フレト·ミリシャ「「はい!」」

グラン「じゃ!行ってきまーす!」


そして家を後にする。


そして登校初日

グランとセリアは寮の前で会い校舎に向かっている。


セリア「同じクラスで良かったですね。」

グラン「な〜んか固められた感あるけどな。首席二人が同じクラスってありえるのかね?」


前日に伝えられたクラス表ではグラン達は全員同じクラスだった。

同立首席が二人も同じクラスなのは不自然にも思える。


セリア「もしかしたら、一箇所に纏めておいて様子を見やすくする意図かもしれませんね。」

グラン「なんか問題児みてぇじゃねぇか。」

セリア「単純な実力だと二人は強すぎますからね。」


この学園では成績によってのクラス分けはされていない。

学年ごとにクラスは全部で4クラス存在しており、1クラス35人の総勢140人だ。

上位と下位をかためてバランスをとる感じだ。


グラン(俺のクラスには主人公の名前もあった…主人公と悪役が出会うのは必然ってことかね。)


教室に着くとある程度の人が集まっており、入ってきた自分達を見る。


「おい、あの人だろ?もう一人の首席って。」

「無属性って聞いたけど、本当かな?」

「でも、強そうだよ。」

「横にいるのってセリア殿下じゃ?」


そんな声が聞こえてくる。

奥の方にリークとユーナがいた。


グラン「よおリーク。席はどうしたらいいんだ?」

リーク「さあな、速いもの勝ちだろう。さっさと座れ。」


その様子にまた周囲は騒ぐ。

なにせツートップが親しくしているのだ、気にならないわけがない。

そして一人の教師が入ってくる。


「そろっていますね。」


それを見てリークとグランは目を見開く。


リーク「あ、アリサ?」

アリサ「このクラスの担任です。よろしくお願いします。」


やってきたのはルティファではなくアリサだった。


原作のシナリオではルティファが担任としてクラスを持つ。

それに対してアリサは本来なら登場もしないキャラだった。

しかし、グランが関わったことによる影響がここで出たのだ。

本来なら新人教師としてくるのはルティファだけだが、アリサもリークの事が気になって、学生時代にルティファへの敵対心でとっていた免許で教師として学園に来たのだ。

ルティファもグランの様子見で教師としているが担任に選ばれたのはアリサだったのだ。


グラン(原作ではルティ師匠だったけど、俺の影響か?)

アリサ「さて、まずは自己紹介ですね。アリサ·ルクスレイです。これから四年間、あなた達を受け持つことになっています。担当教科は魔法応用学です。」


原作では別の教師が担当していた教科だったが、この世界では別のようである。

ちなみにルティファが担当しているのは魔法実用学である。


アリサ「今日は学校説明会ですね。事前にカリキュラムには目を通していますね。改めて説明しておくと、この学園は実力主義です。事前に配った生徒証にも記載されている点数によってそれぞれの順位が決まっています。あなた達にはそれを増やしてもらって順位を上げていってもらいます。そして卒業までの順位によって今後の道が決まるというわけです。順位が低ければ低いほど今後の将来は暗くなりますので気をつけて。」

「点数を増やすにはどうすればいいんですか?」


一人の生徒が質問をする。


アリサ「方法は2つ。一つは学期ごとに行われる定期試験で良い成績を納めること。当然上位の人間にはそれだけの点数が送られます。逆にあまりにも成績が低いものは点数を下げられる事もあるのでサボらないように。もう一つは決闘ですね。」


決闘は学園内の生徒どうしの点数の奪い合いである。

学園の教師に許可を取った後に、専用の闘技場で決闘を行う。

勝った性とは負けた生徒から相手の持ち点の半分を貰う。

しかし、幾つかのルールが存在する。

まず、挑めるのは下位の生徒から上位の生徒に対してのみで下剋上式である。

このときの挑戦を拒否することは出来ない。

自分より下の順位の者には挑んで点数を無理矢理奪うことは出来ないようにしているのだ。

逆に低い者はより上位の相手に勝てたら一気に逆転するチャンスとも言える。

何より元々持ち点が低いため失う物も少ないと言える。

圧倒的に下位の者に有利なシステムだ。

しかし、リスクもある。

もし負けて持ち点が50点未満になれば、なんと退学になってしまうのだ。

このとき5日間の猶予が貰える、その間になんとか点数を稼げば回避できる。しかし、退学というペナルティはかなり重い。


アリサ「当然、連敗して惨めを晒すなら学園から出て行ってもらいます。逆に上位の方々は挑戦を拒否することはできませんが、当然強者なら挑まれても負けることはありませんよね?下剋上を防ぎたければ単純に勝てば良いのです!勿論、勝ち続ければ様々な特典もありますので是非頑張って下さい。では、今度はクラスの自己紹介と行きましょうか。」




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