第2話 試験結果と入学式

数週間後

グランの下に試験結果が届いた。

結果は…

グラン「首席合格だったぜ。」ピース


夕食の時に家族全員が揃っている時に伝えた。

家族全員お祭り騒ぎだった。


セリア「そうですか、やはり合格できましたね。」


翌日、結果を伝えるためにセリアの下に訪れていた。

二人でテーブルを挟んで茶菓子をつまむ。


グラン「そっちもだろ?順位はどうだったんだ?」

セリア「それが、2位でしたの。彼の方が上だと思ったんですが…」

グラン「やっぱりか〜。実は俺…同立で首席なんだよな〜」


実はここに来る前にリークの結果は既に聞いていた。

結果は自分と同じ満点での首席だった。


セリア「同立ですか…確かに、互いに満点を取れば優劣はつけられませんからね。」

グラン「あいつもこれで決着がつくとは毛頭思ってないようだ。学園で直接勝つってさ。」


それを聞いてセリアはクスリと笑う。


セリア「彼らしいですね。そういえば彼の婚約者のユーナさんはどうだったのでしょう?」

グラン「お前の一個下の3位だってさ。前会った時より強くなってる。」


以前、半成人式で会った時より格段に彼女は強くなっていた。

リークが鍛えたのか、或いは自力でか。

どちらにしろ良い成長である。


セリア「私もうかうかしてられませんね。」

グラン「ああ、ありゃあ強くなるぞ〜。」

セリア「私だって強くなりますよ。」プクー

流石に褒めすぎたか頬を膨らます。


グラン「くはは!そうだな。…んじゃそろそろ帰るわ。入学手続きとか寮の為の荷造りしなきゃなんねぇから。」


そして、入学式の日

「新入生代表!首席リーク·サンダリオ!!」

その声に呼ばれたリークの顔は不機嫌そのものだった。


時は少し遡り入学式の数日前。


グラン「新入生代表の挨拶?」

リーク「俺達のどちらかが?」


数日前、入学手続きの書類を提出しに行った時に係員に部屋に呼び出されたグランとリーク。

そこで、同立首席のどちらかに新入生代表の挨拶をしてくれとのことだった。


「はい、今回は異例の同立での首席なので、ふたりともやるお時間は確保できないようでして。」

リーク「片方だけでいいのか?」

「は、はい。そのように聞いております。」

リーク「よし、グラン!お前に譲ろう。」

グラン「えぇぇ!?いや良いよ別に!!」

リーク「遠慮するな!折角の晴れ舞台だ!存分に目立って来い!!」

グラン(こ、こいつ!面倒くさいから俺に押し付ける気だ!!)

リーク(代表の挨拶の内容なんぞ面倒極まりない!!こいつに押し付けて俺は入学までゆっくり修行する!!)


二人は代表の挨拶とかは興味ない。内容を考えている暇があったら修行をしていたいのだ。

それ故に醜い押し付け合いが開幕している。


グラン「リーク?お前は侯爵家の人間だ。折角取った首席なんだ。位が上の人間がやらないと示しがつかねぇんじゃねぇか?」

リーク「学園では身分を振りかざすのは良くないのだぞ!グラン!だからここはお前に譲ろう!」

グラン「いやいや。」

リーク「いやいやいや。」

グラン「いやいやいやいや。」

リーク「いやいやいやいやいや。」


やがて二人取っ組み合いになり、押し付け合いは続く。

婚約者という事で着いてきていたセリアとユーナも呆れている。


ユーナ「お、お二人共!喧嘩は駄目ですよ!」アワアワ

セリア「はぁ〜まったく、この修行馬鹿二人はは…それなら!ジャンケンで負けた方でいいんじゃないですか!」


その後

グラン「いよっしゃァァァァァァ!!!!」

リーク「クソッタレがァァァァァ!!!」

勝者グラン 敗者リーク

リークが新入生代表の挨拶をすることになった。


時は戻って入学式。

リークは原稿に書いてある言葉を淡々と読んでいた。

ユーナ「あの原稿も昨日書いたんですよあの人…」

グラン「え!?マジかよ…」

順位順に座っているので近くに座っているユーナが言ってきた。

セリア「忘れてたんですか?」

ユーナ「はい…」


昨日

ユーナ「そういえば明日は入学式ですけど、原稿書きました?」

リーク「当然だ、この俺があんなもの終わらせてないわけ無いだろう。」

ユーナ「…なら、読ませてください!リーク様が書いた原稿読んでみたいです!」

リーク「断る、何故お前に見せねばならん。今日はもう帰れ。」

ユーナ「…もしかして、書けてないんですか?」

リーク「そ、そんなわけないだろう!」ダラダラ

ユーナ「なら、見せてください。」

リーク「……」ダラダラ

ユーナ「リーク様?」

リーク「…書いてない。」

ユーナ「…私も手伝いますから、頑張りましょう?」

リーク「……はい。」


現在


グラン「くくくくく…まじかよ!くははは!」プルプル

セリア「く、ふふふふふ…」プルプル

ふたりとも笑いを必死にこらえている。

その様子をリークは凄まじい目つきで睨んでいた。


こうして入学式は終わる。


____________________________________________________

少しリアルが忙しくなるのでもしかしたらお休みする日があるかもしれません。

事前にお伝えするようにはしますがご了承ください。

また、今回から書き方を少し変えて会話と文の間を開けて見ましたがどうでしょうか?

読みやすいという声が多ければ過去の投稿も再編集していきたいです。

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