第7話 その後
気絶したリークをすぐさま屋敷に連れ帰り、医者の治療を受けた。
ユーナもかなりの怪我だったが。
ユーナ「彼を!彼をお願いします!」と必死に医者に頼んだので、彼女は後回しだった。
グランのように骨折は見られなかったが、全身にかなりの火傷を負っていた。
暫くは包帯巻き生活である。
治療が終わったと同時に彼女も安心したのかその場に倒れ込んだ。
リーク「うっ…ううう…」
リークが目覚めると自室のベッドの上だった。
リーク「…」(喉が焼けているのか…)
うまく声が出せない事に気づき、自身の喉を触る。
リーク(随分手酷くやられたな、これではあいつのことも言えんな。)
よくよく見たら全身包帯だらけである。
ふと横を見ると、自分の膝下で寝ているユーナが目に入った。
アリサ「お目覚めのようですね。声が出せないでしょう、これを使ってください。」
そう言われて紙とペンを渡された。
リーク『こいつの体はどうなんだ、俺より怪我をしていたと思うが。何故ベッドで寝ていない。』
リークはユーナの傷の具合を聞いた。
アリサはそれを聞いて少し驚いていた。
リーク『なんだ。』
アリサ「いえ、別に。彼女の怪我は大丈夫ですよ。かなりボロボロにやられていましたが、特に後遺症も残らないと。それと、ここにいる理由は彼女が勝手に部屋を抜け出したからです。あと、あなたの声の方も暫くすれば治るそうです。」
リーク『そうか。』
そうしていると。
グラン「よお、リーク!」
リーク『グランか、なんの用だ。」
グラン「見舞いだよ。果物持ってきてやったぜ!」
リーク『勝手に置いておけ。それより遂にこの俺も魔力活性に目覚めたぞ。』
グラン「らしいな、この人にさっき聞いたぜ。」
リーク『今はこの状態だが、やがて使いこなして学園で貴様を叩き潰してやる。覚悟しておけ。」
グラン「へへ、そう簡単にはいかねぇぞ?」
そう言うとリークは「フン!」と鼻を鳴らす。
ユーナ「ん、んん…」
暫くして、ユーナも目を覚ます。
ユーナ「リーク様!!大丈夫ですか!何処か傷みますか!!」
そう言ってペタペタと顔を触ってくる。
リーク『触るな!気持ち悪い。特に問題は無い。声が出しづらいだけだ。』
ユーナ「あう…ごめんなさい。」
リーク『さっさと部屋に戻って安静にしろ。貴様はまだ療養中だろうが。こんなところにいては治らんぞ。』
ユーナ「で、でも。」
アリサ「行きましょうユーナさん。彼はあなたが心配でしょうがないんですよ。」
ユーナ「え!?」///
リーク『違うわ!俺はただ俺の婚約者である女に傷跡でも残ったら俺の名誉に関わるというだけだ!決してこいつを心配してではない!勘違いするな!』
グラン「ほんとかね〜?案外寝ているときも彼女の事をずっと考えてたんじゃないのかね〜?」
リークは顔を真っ赤にして。
リーク『そんなわけがあるか!!!さっさと全員出ていけ!!雷で焼くぞ!!』
グラン「お〜怖い怖いww雷様の天罰が下る前に退散だ〜」
蜘蛛の子を散らすように彼らは部屋を後にする。
それを見届けた後、リークはセバラスから自分を庇おうとした彼女の言葉を思い出していた。
〘ユーナ「わ、私は変わるんです!いつまでも怯えてばかりの温室育ちの弱虫ではありません!」〙
リーク「…フン!」
鼻を鳴らしてベッドに横になる。
リーク(…まあ、あの時は雑魚ではなかったぞ、ユーナ。)
そんな事を思う彼の口角は少し上がっていた。
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皆さん湯豆腐です。
これでようやく、本当にプロローグが終わりです!!
第一章に早くいきたいので少し駆け足になってしまったかもしれません。
もしよろしければこのプロローグ全体を読んだ感想などを書いてくだされば幸いです。
またこの小説が少しでも良いと感じたらレビュー、評価等お願いします。
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