第6話 稲妻の天才戦士

セバラス「な、何だ?あいつの変化は!?明らかにさっきまでとは様子が違う!あれもサンダリオ家の魔法か?」

リークはそんなことを考えているセバラスを睨む。

あまりの威圧感にセバラスは後ずさる。

セバラス(ば、馬鹿な!?この俺が恐怖しているだと!?)

リーク「…よくもこの俺をコケにしてくれたな。覚悟はできてるだろうな。」

セバラスはユーナを攻撃しようとするが。

リークがすばやく手を掴む。

セバラス(は、速い!)

徐々に力を入れて手の骨を握りつぶさんとする。

リーク「おいおい、お前の相手は俺だろ?無視は良くないってママに教わらなかったのか?」メキメキ

セバラス「ぐ、あ…は、離せ…」

更に力を入れる。

セバラス「ぐぁぁぁぁ!!」

セバラスは地面を爆破して距離をとる。

手の痛みを感じながら様子を伺う。

セバラス「な、何故貴様に突然これほどの力が。ま、まさか貴様!?」

リーク「…そのまさかだ。俺も目覚めちまったらしいぜ、魔力活性ってやつに。」


リーク·サンダリオ、彼は紛うことなき天才である。彼はグランを話に出され、無意識に自分の魔力を解放していた。

決して意識してやっていた事ではないが、彼はグランの事となると悔しさで力んでしまう癖がついていた。そこに彼のプライドが刺激されたことが加わって遂に彼は魔力活性を習得したのだ。


リークは勢いよくセバラスにボディーブローを食らわせ、更に顔面に膝蹴りを食らわせる。

ふっ飛ばされたセバラスが鼻血を垂らしながら立ち上がる。

セバラス「これが魔力活性の力か…あのナルタが敵わないわけだ。」

セバラスは自嘲するように笑う。

リーク「所詮、ドーピングで強くなるような奴は俺の敵じゃない。」

セバラス「ククク…ですが。道連れにはさせてもらいましょうか。」

リーク「何!?」

セバラスは何かを口に入れ噛み砕く。

セバラスの体が徐々にヒビが入り光出す。

セバラス「ははは!!あと少しでこの体から巨大なエネルギー爆発が起こりここら一帯を吹き飛ばす!!貴様ら二人、そしてこっちに向かっているお前達の家族も道連れだ!!」

ユーナ「そ、そんな!?」

リーク「くっ!?」

リークはすぐに消し飛ばそうとするが。

セバラス「おっと!無理に攻撃をすると爆発するぞ?それでもいいのか?」

それを聞いたリークはすぐさまユーナを抱き上げる。

ユーナ「り、リーク様!?」

リーク「投げ飛ばすぞ!!」

ユーナ「えええ!?」

リーク「俺が爆発を少しでも抑える!!お前を父上達の所に投げ飛ばすからこのことを伝えて避難しろ!!」

ユーナ「そ、そんな急に言われても!?それにリーク様も一緒に!」

リーク「俺が抑えなきゃ皆、御陀仏だぞ!いいから投げるぞ!」

そう言って、リークはユーナを思いっきり投げ飛ばす。

ユーナ「ちょ!ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!!!」ピュー

それを見届けたリークは少し距離を取り、両手を横にして手首を合わせて魔力を貯める。

セバラスはもうすぐ爆発しそうだ。

リーク「一か八かだ!!この俺の全力の一撃で貴様の爆発を相殺してやる!!」

リークも手に魔力が蓄積されていき電気の玉ができる。

そして徐々に自身を纏うオーラは黄色の虎を作り出す。

セバラスが爆発すると同時にリークも一撃を放つ。


リーク「猛虎咆雷波もうこほうらいはッ!!!」


巨大な虎が爆発に向かって突撃していく。

エネルギーの爆発と稲妻の虎がぶつかり合う。

リーク「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


やがて虎が口を開け徐々に爆発を飲み込んで行く。

リーク「このまま抑え込めぇぇぇぇ!!!」


そして完全に飲み込んだと同時に再び巨大な白い爆発が起こる。

今度は柱状に縦に伸びた爆発だったが。

リークのいた位置を飲み込むのにそれは充分な距離だった。

リークもその閃光に飲み込まれる。



しばらくして爆発が収まると、リークを探しにユーナ達がやってきた。

ユーナ「リーク様ぁぁぁぁ!!!どこですかー!!!返事をしてくださーーい!!」

ユーナが大声で呼びかけるが返事がない。

ルーク「り、リーク…」

ユーナ「そ、そんな…リーク様!!返事をしてください!!!」

だが、返事は無い。ユーナは膝から崩れ落ちる。

アリサ(…リーク君)

アリサも彼のことを考えるがあの爆発を生きている可能性は低い。


ガシャ!


だが、次の瞬間、遠くの瓦礫から物音がする。

それを聴いたユーナは急いで音のもとに向かう。

そこには誰かが瓦礫に埋もれていた。

少しずつ這い上がろうとしており、隙間から手が出ている。

それをユーナは思いっきり引っ張る。

そこからリークが出てきた。

ユーナ「リーク様!!」

アリサ「リーク君!死んだと思ってましたよ!」

リーク「ゼェ…ゼェ…勝手に人を殺すな…確かに死ぬかと思ったが。」

そう言うとリークは気を失う。

そのまま、屋敷に大急ぎで連れて行く。


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