第14話 後日談

グラン「ん…ここは…俺の部屋か?」

目を覚ますとグランは自室で寝ていた。

グラン「ていうか…いてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!全身が凄く痛い!!!」


そう叫ぶと。部屋の扉が開きミリシャが入ってくる。


ミリシャ「あ!お兄様起きた!お父様〜!お兄様が起きたよ!!」

ルイス「グラン!起きたか!」

ミア「グラン!大丈夫!!」

グラン「全身が痛いです…。」


あの後、倒れたグランをセリアが背負い避難場所まで連れてきた。

その後、応急処置を受けてグランは病院に緊急搬送された。

今現在、全身が包帯で巻かれており、身体強化の許容上限を突破した反動による筋肉痛とナルタによる幾つかの骨折があった。

戦いの最中、脳から発せられるアドレナリンによって気にしていなかったが、今になって反動が来ているのだ。


ルティファ「むちゃばかりするからだ!暫く修行はできないぞ。」

グラン「そ、そんな〜!?折角、なんか凄い力に目覚めたのに〜!」

ルティファ「我儘言うな!本来なら動けるようになるのに一ヶ月かかるが、お前は生命力も凄いらしくてな。医者によると半月で動けるらしい。とは言え土壇場で魔力活性に目覚めるとはな。」

フレト「兄さん、大丈夫?」

グラン「…修行がしたい。なまっちまうよ…。」

ルティファ「なら大人しく休むんだな。それと…」

リーク「ふん、来てやったぞグラン。」

グラン「リーク!」

リーク「…お前、またこの俺を抜いたようだな。」

グラン「へへ、まあ感覚はまだ掴めて無いけど。これから掴んでいくさ。」

リーク「ちっ…まあ、良い。必ず俺も貴様と同じ力を手に入れてやる。そして俺が一番になってやる。」

グラン「にへへ。俺だって負けねぇぜ。」

リーク「ふん。後、もう一人客が来ているから失礼する。」

そう言ってリークは部屋をあとにする。

グラン「もう一人?」

ルティファ「ああ、そこの花の贈り主さ。」


そう言うと、近くのテーブルに花が飾られていた。

そしてルティファは誰かを連れてきた。


ルティファ「こちらです。」

現れたのはセリアだった。

グラン「で、殿下!?あ、す、すみません!このような!」

セリア「い、いえいえ!お怪我をしているのでしょ!そのままで構いません!むしろこちらこそいきなりごめんなさい。どうしてもお礼が言いたくて。」

グラン「もしかして、花は殿下が?」

セリア「セリアとお呼びください。お気に召しましたか?」

グラン「勿論です!殿下に「セリアです。」でん「セリアです。」で「セリアです。」…セリア様にいただいたお花です。この上ない喜びです。」

セリア「…まあ、良いでしょう。気に入っていただけて嬉しいです。それと、今日は一つお伝えしなければならない事があって来ました。」

グラン「伝えなきゃいけないこと?」

セリア「はい!貴方の叙勲式についてです!」

グラン「叙勲?誰のですか?」

ルティファ「お前に決まっているだろう。」

グラン「え?なんでですか?」

ルティファ「お前は今回の事件で首謀者であるナルタを倒し、セリア第一王女を守り抜いたという功績を作ったのだ。表彰されるのは当然だろう。」

セリア「はい!貴女は私の命の恩人ですから!」

グラン(え〜。めんどくせぇ〜。それなら修行してたいんだけど。)


表情に出ていないがなんとなくそんな事を考えているだろうと思ったルティファは。


ルティファ「確か…陛下がお前の為にご馳走も用意するって言ってたけどな〜」

グラン「…」ピクッ

セリア「はい!今回の事はお父様もとても感謝していまして、グラン様に折角だからとご用意してほしいと私から頼んでおきました!」

ルティファ「きっと腹がはち切れる程のご馳走だろうな〜」

グラン「で、でしたら欠席するわけにはいきませんね!殿下に恥をかかせる訳にはいけませんから!」

ルティファ(チョロいな。)

セリア(予め、彼の師匠にどうすれば彼が喜んで来てくれるか尋ねておいて正解でした。)

セリア「叙勲式はお医者様から許可が出るタイミングに日程を調整いたしますのでご連絡を。それでは失礼致します。また、お見舞いに来ますので。」


そう言って笑顔で手を振って彼女は部屋を出た。


だが、彼は知らなかった。表彰式というのは嘘ではないがその日にあるのはそれだけでないことを。


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