第10話 依頼達成

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 レベルがアップしました

 Lv.03→→→→→→Lv.06



 エンシェント・エイプとの戦いを経て俺はレベルが一気に6もアップした。推奨レベル18の依頼を達成したんだ、それくらい上がってもおかしくないか。


「ルナ! 終わったぞ!」


「見てたわ。強いのね」


「そうだな、そこそこな」


「私、あんなに手こずったのに。なんか悔しいわ」


「そこはまあ、なんだ? 割り切ってくれ」


「助けてくれたことには感謝してる。けどそれとこれとはやっぱり別の話じゃない? あなたも冒険者ならわかるでしょ?」


「まあな。そんなことより、傷はどうした?」


「なんかいきなり草むらから人が出てきて、ポーションを使って回復してくれたわ。すぐに消えていったけど」


 やっぱりギルドから送られてきた監視員だったか。エンシェント・エイプはしっかり倒したし、大丈夫だろう。


「どうする? この後俺は冒険者ギルドに依頼の達成報告をしに行くが」


「私もついて行くわ」


「わかった、ちょっと待っててくれ」


 俺は、エンシェント・エイプの亡骸をアイテムボックスに収納した。


「じゃあ、行くか」


「ええ」


 俺とヴィヴィ、ルナは冒険者ギルドへの帰路についた。


「ルナはなんでエンシェント・エイプに追われてたんだ?」


「私、Cランクに上がったばっかりだったの。それで初めて深部に入って依頼をこなしてたら、エンシェント・エイプに遭遇しちゃって」


「なるほどな。それは災難だったな」


「転んだ拍子に、お金も落としちゃって一文無しになっちゃうし。これからどうしようかな」


「やっぱCランク依頼とかになるとソロじゃキツくなってくるところがあるのかもしれないな」


「そうね、今回の私みたいに格上の相手と遭遇した時に逃れる可能性も低くなるわね。私は運良く助けてもらったけど」


「そうだよな、パーティメンバー探すか。けど知り合い少ないからな。見つかるかな」


「わ……」


「わ?」


「私が! なってあげてもいいわよ?」


「え?」


「だから! 私があなたのパーティメンバーになってあげてもいいって言ってるの。わからない?」


「いや、わかるが。話が急すぎないか?」


「だってルフレ強いじゃない? ルフレと組めたら……安心だなぁって思っただけ」


「すまない、最後の方なんて?」


「い……いいのよそんなことは別に! 組むの? 組まないの?」


「いや、ルナの詳細な情報がわからないとなんともな」


「私は今レベル11、ワーウルフで職業は拳闘士よ」


『どう思う?』


『いいと思う。組んだ方が確実に依頼をこなす効率は上げられる』


『そうだな』


「いいぞ、組もうか」


「え! いいの!?」


 俺が返事をした直後、彼女の尻尾がブンブン左右に揺れている。


 ハッ!? ルナは何かに気づいたような顔をして、咳払いをした。おそらく恥ずかしかったのだろう。


「仕方ないわね! 組んであげる!」


 姿勢を正して彼女は言い放った。

 彼女の中で、彼女からパーティ結成の依頼をしたことはなかったことになったらしい。まぁ、彼女の尻尾は未だ嬉しそうに揺れているので全然感情を隠すことはできてないが。


「ああ、よろしく頼むよ」


「ええ、よろしく」


 その後も、ルナといろいろと話をしながら城壁まで歩いてきた。


「おー! 兄ちゃん、無事だったか!」


「ああ、すぐ戻るって言ったろ?」


「それでも不安なものは不安さ! それで、なんでお嬢ちゃんと一緒にいるんだ?」


 門番はルナとも知り合いだったらしい


「森でエンシェント・エイプに襲われてたところを助けたんだ」


「ええ、助けてもらったの」


「エンシェント・エイプたって!? そんなものに遭遇してたのか! よく無事だったな」


「元々そいつを倒すことが目的だったしな」


「まぁ本当に、無事で良かったよ」


 会話を終えた俺とルナはギルドリングを門番に見せ城壁の中へと入り、冒険者ギルドにやってきた。


 俺は重たい扉を開ける。ギルドの中は入ってきたのが俺だとわかるや否や騒がしくなる。

 入ると同時に俺は神眼発動させた。すると、俺を追ってきていた人物と同じ魔力をした女性を見つけた。目が合ったので軽く微笑んでおいた。


「よう、ルフレ早かったな」


 ギルドマスターが話しかけてきた。


「ああ、意外と楽だったもんでな」


「普通ならばそこでどの口が、と笑い飛ばすところなんだが。その様子だと、ほんとに楽だったらしい」


「ああ、監視もしてたし確認は取れてるんだろ?」


 俺はナーシャさんの方を見ながら、そう言った。


「ガハハハ! こいつはすごい。感じにも気づいてやがったか! ナーシャに気づかれましたと言われた時には耳を疑ったが、これは認めざるをえんな!」


「まさか、私だということも突き止められてしまうとは、お手上げですー。隠密行動には、自信があったのですけどー。参考程度にいつ気づいたか教えていただいても?」


「監視がついてたことには城壁のあたりでは気づいてたさ。ただナーシャさんだと分かったのはここに帰ってきてからだけどな」


「そうですかー、やっぱりあの時でしたかー。まだまだ私も実力が足りませんねー」


「いや、ナーシャお前Sランク冒険者だろうが」


 そうギルドマスターに言われたナーシャさんは微笑み返すだけだった。ていうかあなたSランク冒険者だったんですね。それなら俺についてこれたのにも納得ですね。


「それで、エンシェント・エイプの亡骸はここに出せばいいのか?」


「ああ、それで構わん」


 アイテムボックスを開き、エンシェント・エイプの亡骸を取り出す。


「しっかりと確認した。これが報酬の白金貨二枚だ。それと、今回の依頼達成を受けてルフレをCランク冒険者へと昇格させる」


「Cランクか、受けれる依頼の幅が広がるし助かるよ」


「これからも励んでくれ」


 そう言ってギルドマスターは、執務室へと戻っていった。それと同時に自分の依頼の達成報告をしたルナが帰ってきた。

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