第144話 魔物の国の長



お知らせ………………


もしかしたら、来週から毎日投稿を始めるかもしれない。

ちょうど暇になりそうだからね。

でも、投稿時間は遅くなると思う。いつもより30分ぐらい……かな?

お知らせ以上!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〜魔物の国の男の視点〜


俺は、カブノリヤとゆう名前だ。

皆からはやっさんと呼ばれている。


俺はいつもどおり、起きて、顔を洗って、飯を食って、歯を磨いている。

今日は取引先との商談があるんだ。


…………おっと、言って無かったな。

俺の職業は鍛冶屋を営業しているんだ。

自分で言うのはなんだが、この魔物の国で1、2を争う腕をしてるんだぜ?

だから他国のお偉いさんに目をつけてもらってな。

とても大切な商談なんだ。


…………まぁ、その商談が決まらなくても、俺にはあまり影響が無いんだけどな。

次ある、『国内鍛冶職人ナンバーワン決定戦』で優勝したら名実共に国内1位の実力だ。


もしそうなったら俺の評判はうなぎ登り。

他国のお偉いさんと言っても、子爵らしいからな。

別に大丈夫だろう。


よし、それじゃあ、商談に向かいますか!


俺が家を出ると、家の前……いや、この街全体が騒がしかった。


「ん?なにがおきてるんd―――――――――ッ!!!!!」


俺は、初めてこれだけ驚き、感動した。


俺の視線の先には、

まるで絵に書いたような美しい顔をしており、背中から、黄金色のなんとも美しい巨大な羽を生やしている少年が居た。


その少年は冷静にこういった。


「この国の王に、会いに来た」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〜レオン視点〜


…………うん。

この先を考えていなかった。


正直、正面から入っていって入場できるかって言われたら怪しいところなんだよね。

だって人間、人間、ゴブリン、オークなんだもん。

ゴブリンとオークだけならまだしも、人間が二人付いてくると入るのは困難だろう。


だからこうやって登場した。


正直言って、俺の顔はめちゃくちゃ良いと思う。

この状態で地球に行ったら、世界一のモデルになれると思う。

それぐらいイケメンでスタイルがいい。


そんな少年が普通に生きていたら見ることは無い、黄金色の羽を生やしていたらどう思う?

俺だったら天使か何かだと思うね。

ただ、俺の羽は龍の羽だからちょっとゴツいんだよね。

まぁ、それはご愛嬌ということで…………


…………何を言おう?


俺が何を言うか悩んでいるところに、一人の男が質問してきた。


「あんた……いや、貴方様は一体何が目的なのでしょう?」


……目的ねぇ。



「俺は、ここの王座を。だだそれだけだ」



「取り戻しに来た?」


「どういう事?」


「ここの国はずっとあのお方が治めてきたわけではないのか?」


「分からないな…………」


俺が目的を言うと、民衆達がざわめき始めた。


…………まぁ、いいか。

この程度のざわめきは、アイツのところにいったら収まるだろう。


俺はこの国の中心にある、大きな建物へと急いでいった。


「まってよ〜!」


俺が急いでいると、後ろから素っ頓狂な声が聞こえてきた。


「……コドンか」


コドンは、自分で作ったのであろう、鳥型の機械の上にのってやってきた。


「この乗り物は後で見せようと思ったのに…………ねぇレオン?レオンの言っていた様に作ってみたよ。空飛ぶ鉄の鳥!」


コドンはそう言ってニコッと笑った。


…………そういうつもりで言ったんじゃないんだけどな……


数年前に俺がポロッと『飛行機』と言ってしまったのだ。

そしたらコドンがしつこく聞いてきて、


空を飛んでいる、鉄の鳥みたいなものと言ったのだ。


多分それを真に受けて作ったんだろう。


…………それって別に鳥を使役したら良いんじゃね?

俺は心の中でそう思った。





ーーーーー





「……着いたか」


「だね」


「昔と変わらない…………いや、少しだけ変わったか?」


「でも、改修工事で少しいじったくらいでしょ?全然変わってない」


俺達は、お世辞にも美しいとは言えないが、とても綺麗にしてある石の要塞の前に立っていた。


よし、入るか。


「お前ら待て!誰の許可を得て入ろうとしている!?」


「やば、門番の人に見つかったね…………どうする?殴る?」


コドンは戦う気満々みたいだ。


「……コドン、覚えておけ。安全にこういう場を切り抜けるには…………」


俺は、全力で門番に睨みを効かせた。


「ひいいぃぃぃぃぃ!!」


「こうやって怖がらせるのが一番だ」


「へ〜」


「……それじゃあ、入るか」





ーーーーー





俺たちがアイツの居るところにたどり着くまで、あまり労力はかからなかった。


俺が殺気を張り巡らせていたからだ。


皆俺たちの事を見てくるだけで、襲っては来なかった。

…………いや、数人襲ってくる者は居たが、返り討ちにしてやった。


ただ、これからは大変な事になるだろう。

だって…………


「…………なんでこんな所に……キメラが居るの!?」


俺たちの目の前には、キメラが居るから。


「……さて、どうやって倒そうか」


………………ん?ちょっと待てよ?

このキメラ、どっかで見たような…………


あ!もしかして……


「ポチ!!」


俺がそう叫ぶと、目の前に居るキメラは、俺に向かって走り出した。


「レオン危ない!!」


コドンがそう叫ぶ頃にはもう、キメラは俺の半径1m以内に居る。


そしてキメラが爪を振り上げ、俺の首を狩る……………………




訳ではなく、


「ハァハァハァハァ………………」


俺の頬をペロペロ舐めていた。


「…………えっと………………どういう事?」


……うん。そう疑問に思うのも不思議では無いだろう。


「元々、このキメラは俺が飼っていた奴なんだよ。けど、体は完全に変わっているのに、俺の事が分かってくれるなんて嬉しいぞ〜、ポチ!」


「アンッ!!」


ポチも嬉しそうに吠えた。


「……そういう事か…………ってならんわ!え?なに?私達に言わずにキメラを飼ってたの?」


「そうだが?………………まぁ、今はそんな事、どうでもいいだろう?……ほら、扉の向こうからでも感じ取れる、この圧を解決しないとな」


「…………そうだね」


俺は、目の前にある、扉を蹴り飛ばした。


「じゃ、失礼しま〜す」


俺は軽い感じで、部屋に入った。


「あ゛?誰だお前?」



「………………王座を返しにもらって来たよ。仙人のおっちゃん」

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