第127話 ■スキルの正体



ささ!今日はこの作品の一番の謎だった、■系スキルの全貌がご覧いただけます。

今は『■類■■ノ記憶』なっています。

ちょと考察してから見てみるのもありですよ。


…………ん?ヒント?


……仕方がない、特別に大ヒントをあげよう。

ヒント:エレンの過去

………………どうかな?うすうす感づいた人も……

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ハハッ……勝った。


今、両方ともボロボロだが、動けるのは俺だけ。

つまり俺の勝利だ。


地龍は今血だらけで、いつ死んでもおかしくない状態。

HP自動回復でも、貧血は補えないからな。

少しでも動いたらさらに傷口が開き、重症になるだろう。


後は俺がこの場をどう閉めるかって話。


元々、この結末になるのは目に見えていた。

まだ俺は龍になりたてだ。

体が全然使いこなせていない。

それと人間界で聞いた話だが、急速なレベルアップは体が追いつかず、本来の力を発揮できない。

っていう話もあった。


だから俺はステータス的には地龍に勝てているが、本当の実力は地龍の方に軍配が上がると思っていた。

俺が攻撃しても、地龍の防御は砕けない。

俺が防御しても、地龍の攻撃は俺を砕く。


だからステータスでの肉弾戦は諦めた。

肉弾戦で勝てなかったら?

そう、スキルで勝ったら良い。


本当は、鬼雷化で勝つつもりだったんだが、地龍が思いの外強くなっていて無理だった。

あと俺に残されていた最強スキルは、暴食。


暴食の本当の力は、鑑定の説明に書かれてなかった。

俺が出来るかなってやってみたら、本当に出来たのだ。

この暴食は、相手の攻撃じゃなくても、生き物でなかったら吸収出来る。

でも、連発は出来ないがな。


そして、怠惰の能力を手に入れたのはホント、地龍戦の直前だった。


『飯食った〜。ねむて〜』と思ったら……


《熟練度が一定に達しました。スキル怠慢|8⇨怠慢|9になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル怠慢|9⇨怠惰に進化しました》


っていうアナウンスが来たもん。

目が点になったよ?


そして怠惰の性能は…………


怠惰


自分が怠ければ怠けるほど自分の力が向上。

自分が怠ければ怠けるほど味方の力が向上。



このスキルは正直、集団戦用だ。

怠けているだけで、味方が強くなるとかやばくね?

チートだよ、チート。


悪食の飯食ってるだけで強くなれるのもチートだよね。


ホントラッキーだった。

多分、怠惰のスキルが無かったら地龍に勝てていないだろう。


地龍がギリギリ耐えて、俺が殴られてアウトだ。


…………さて、そろそろこの地龍を処理するか。


体を一部一部取っていって苦しみを味合わせる?

死なない程度に魔法を撃ちまくる?

腕、足、目を潰して数日放置する?

さぁ、地龍。どれも選び放題だ。

楽しく、俺たちの戦いに幕を閉じようじゃないか。

なぁ、ちりゅ―――――――ッ!!!!


俺が見た、地龍は、満足したような、清々しい顔つきをしていた。


なんでなんだよ…………!

なんでお前がこんな顔を出来るんだよ!!


いいか!?

お前は負けたんだよ!

俺の策略に見事引っかかり、見苦しく負けたんだ!!

さぁ!悔しがれよ!!


…………なんで……そんな顔が出来るんだよ!


わかっているのか?

死んだらもう終わりなんだぞ?

よほどの奇跡が無い限り終わりなんだぞ?

本当にわかっているのか?


…………こうやって、生きてやろうとする俺はなんなんだよ!

こうやって、死んだやつの敵を取ろうとする俺はなんなんだよ!!!


もっと足掻けよ!!

意地汚く!

泥臭く!!

命を乞えよ!


そして地龍は目を閉じ、体の硬化を解き、警戒を解いた。


は?

殺せって?

悔いは無いのか?


…………そうか。

殺す。

殺してやるよ。お前のお望み通りに。


火槍

水槍

風槍

土槍

雷槍…………


俺は全ての魔法を使って、地龍を殺した。


《経験値が一定に達しました。雷龍のLvが48⇨49になりました》

《ステータスが向上しました》

《熟練度が一定に達しました。スキルHP自動回復8⇨HP自動回復9になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキルHP自動回復9⇨HP自動回復大|1に進化しました》


《経験値が一定に達しました。雷龍のLvが49⇨50になりました》

《ステータスが向上しました》

《進化が可能になりました》



…………進化が可能……か。


《進化先を選択してください》

進化先。

それなら雷龍の直属の上位がい――――――ッ!!!!


あった。

俺が長年求めていたもの。

俺が泣く程求めていたもの。

俺がこんなになるまで求めていたもの。

それが確かに……そこにあった。


レオン・ドラグノフ 人族 前世


「――――――ッ!!!」


あった……!

やっと見つけた!


俺が、どれだけこの時を待ちわびていた事か!!!

やっと、

セラ、

アテネ、

兄貴、

イオさん、

そしてエレン。


やっと…………仲間に会える!!


進化先?

そんなの、レオン一択だろ馬鹿野郎!!!


《進化先、レオン・ドラグノフで大丈夫ですか? Yes or No 》


当然……Yesだ。


《進化を開始します》


《種族が離れているため体を構築し直します。体を構築開始……………………完了。成功しました》


……ああ、意識が遠のいていく…………


俺が意識を失う直前、俺の頭に、激しい衝撃が来た。


「うううぅぅ!!」


何だ……!?


《条件を達成しました。スキル、■類■■ノ記憶を復元します》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》


《復元開始…………失敗》




《復元開始…………成功》


《復元に成功しました。スキル、■類■■ノ記憶が復元されました》


《スキル■類■■ノ記憶⇨人類最強ノ記憶になりました》


ううぅぅぅぅぅ!!!


俺の頭の中に、膨大な記憶が入ってくる……!!


うぅぅ…………ぐううぅぅぅぅ…………うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!



…………そうだ。

そうだった。

何故、今まで忘れていた?

前前世の時、おかしいぐらい頑丈だったのも、このおかげだったのか……!!


…………ありがとな、エレン。

お前は、こんな月日をかけて頑張っていたんだな。


そうだ。

俺は…………だ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ずっとこのシーンを書きたかった!!!

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