第126話 レオンvs地龍 4
強烈な土耐性を手に入れた地龍が次することとは何か?
魔法で攻撃?
違う違う。
物理で攻撃?
違う違う。
気合で攻撃?
違う違う。
もっと有効で、馬鹿らしいが確実な攻撃方法がある。
それは…………
自爆特攻だ。
もし地龍の攻撃を避けれたとしても、地龍が自爆したら避けた意味がない。
……ほら、また地龍が攻撃してきた。
ただ、流石に攻撃を食らったら死にかけかねないので、避ける。
そして俺が避けた瞬間、地龍が爆発した。
クソッ…………
ギリギリ避けたが、少しだけ背中を怪我した。
自爆特攻強いな。
でも、強い耐性があるだけで、ダメージが0になるわけではない。
ちゃんと地龍にもダメージは入っている。
ただそれが微量なだけで。
……集中しろ。集中しろ。
地龍の自爆特攻はチート級だが、不可能な訳ではない。
集中したら、行けるはず!!
《熟練度が一定に達しました。スキル精神領域拡張|1を獲得しました》
お!!
今めちゃくちゃ欲しいスキルだった!!
このスキルがあれば、避けながら魔法を撃ちまくる事が可能になる!
地龍も出来ていたんだからな。
俺にも出来るはず。
よし!攻撃開始だ!!
けれど、俺にペースを崩されたくないのか、地龍の体がさらに固くなった。
クソッ、俺の攻撃が全然通らなくなっている!
あれかな?
お前はなろう系主人公か何かかな?
戦うたびに強くなるとかおかしいだろ!
そんなのチートだよチート!
反則だ!
けど、俺のまぁまぁチートなんだよなぁ。
省略しているだけだけど、スキルのレベルが結構上がっているし、七つの大罪のスキルを入手している。二つも。
七つの大罪スキル。
これは全てチート級ばかりだ。
よ〜考えたら俺も結構チート級ってわけね。
正直に言おう。
今の状態の俺が、正々堂々と戦うと、確実に負ける。
戦闘技術とかのレベルではない。
ただ、相手の圧倒的な力の前には、戦闘技術なんて関係ないのだ。
見てみろ。
地龍が俺への攻撃を外すたびに、壁が粉々になっていく。
もし俺がそんな攻撃を食らったら?
死にはしないと思うが、絶対体は硬直する。
それぐらい強い一撃だ。
…………でも、それは今の俺に限ってだ。
別にまだ、俺の最終地点が、今だとは言ってねぇぞ……!!
「鬼雷化」
俺がそう唱えた瞬間、俺の拳は地龍の腹にめり込んでいた。
その時の俺の顔はまさに……鬼の形相だった。
そして、俺の連撃は止まらない。
地龍のHP自動回復が全く追いつかないレベルの攻撃が、地龍を襲った。
俺は地龍が自爆をしても、攻撃を止めない。
……俺は、まだ地龍の事を見くびっていたかもしれない。
地龍は確実に強い。
でも、俺だったら確実に勝てる。
心の奥底では、そう思っていた。
…………けど、そんな事は全然無かったのだ。
地龍は、俺の命を確実に脅かしてくる、圧倒的な脅威なのだと。
俺が連撃を続けいている時、突然地龍が大きく口を開けた。
どうせ、ブレスかなんかだろう。
今の俺にはそれを耐えきれる耐久力がある。
でも、地龍がしたのはそんな事…………そんなレベルの話ではなかった。
地龍は、口の中に膨大なエネルギーを貯める。
別に、それはおかしくない事だ。
どんだけ地龍がエネルギーを溜めたとしても、俺はギリギリ耐えきれる。
でも、地龍の口から、少し異質な力を感じた。
…………嘘だろ?
使えるわけがない。
たかが人間並みの知能を持つはずがない龍ごとぎが出来るはずがない。
俺は、口では否定した。
だが、頭の中では、ありえると思ってしまった。
だってこの地龍は天才だから。
俺が見た誰よりも天才だから。
……まさか、地龍ごとぎが、二属性魔法を使うなんて…………!!!
地龍が口から放ったのは、今、覚醒していなかったら打てなかったであろう最強のブレス。
天を貫かんとするほどの強大なブレス。
岩と風。
絶対に交わるわけがないこの二つの魔法が、最強の殺戮兵器を作り出した。
それを地龍は広範囲に出した。
それは勿論…………俺なんかが避けれるはずもなく……俺は切り刻まれ、壁に打ち付けられた。
ーーーーー
…………強い。
地龍は恐ろしく強かった。
たった一ヶ月ぐらいしか生きていない龍なんかがあの天才に勝てるわけなかったんだ。
今から逃げても…………流石に遅いな。
逃げても確実に殺される。
そんな未来が、今の一撃で想像出来るようになった。
それぐらい、今の一撃は強烈だった。
今、地龍が口を大きく開き、ブレスを吐く準備をしている。
さっきのブレスの数倍の威力がある物だ。
本来なら避けたいんだが…………流石にこの体だったら避けきれない。
あ〜あ、こんな時に誰かが居てくれたらなぁ。
こんな所で、俺の人生……………………
終わる訳ねぇよなぁ!!
「
暴食には、もう一つの力がある。
それは一度限り、相手の攻撃を吸収し…………跳ね返す力だ。
俺は、地龍のブレスを吸収した。
なぁ、地龍。
お前はまんまと引っかかったな。
俺はお前の力を一番信用していた。
今の俺には、お前をぶっ殺せるほどの火力は出せない。悲しいことにな。
だったらこの場で一番火力がある一撃を出せる者は誰か?
当然……お前しかいない。
そう、お前の防御力を、お前の攻撃力で壊すんだよ!!!
…………けど、地龍はあまり驚いて居ない様子だ。
そうだろうよ。
お前の防御力はピカイチだ。
正直言って、お前の本気のブレスでも、死にかけには持っていけない。
認める。
防御力だけならお前はクソ
でも、俺は前なんて言ったと思う?
『省略しているだけだけど、スキルのレベルが結構上がっているし、七つの大罪のスキルを入手している。二つも』
そうだよ。
俺は七つの大罪のスキルを二つ手に入れている。
1つ目は暴食。
なら、あと二つ目は?
見せてやる。
俺の最終点を。
「
怠惰
それは自分のステータスを下げる代わりに、相手のステータスも下げる技だ。
ただ、自分と相手の力差がありすぎると使えない。
これを使えば当然、お前の防御力も下がるが、俺の攻撃力も下がる。
だが、俺の力では攻撃しない。
俺が攻撃するのは、さっきお前が放った一撃だ。
「死ね…………
そして地龍の体は切り刻まれ、ボロボロになり、吹き飛ばされていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回!迷宮編が終わり!!…………と、思いきや?
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