第114話 強者が群れたらただのカス



オイオイオイ。


なんでこうなった?


今俺の前には、3体の水竜が居た。





ーーーーー





……そろそろレベルアップしたいなぁ〜。


俺はそんな事を考えていた。


いやさ、俺でも人間なのよ。

本当はドラゴンだけど心は人間なのよ。

分かる?この気持ち。


早く人間になって生き物とふれあいたい……


ん?

生き物なら魔物が居るだって?


馬鹿野郎!


誰が魔物とキャッキャウフフが出来るんだよ!

そんな事したらまるかじりされて終わりだ!

それを水竜にしたらどうなると思う?

レーザーを出されてお腹に穴開くわ!


いや、一回イルカにしてみたよ?

そしたらどうなったと思う?


酸を掛けられたんだよコンチクショウ!

誰かに酸を掛けたら駄目だってお母さんに習わなかったのか!?


うん。

敵は殺しましょうって習ってますよね。

分かります。

そりゃあコンナ過酷な所で生きていたら平和の二文字なんてありえないだろうな。


う〜ん……やっぱりレベルを上げる他に方法は無いよね…………


うん。

ちょっと水竜でも狩ってみるか?

俺は前回より大幅に強くなっているはずだ!

それも一対一の状況に誘ったらノーダメクリアも夢じゃない!


よし!水竜を池に誘ってみよう!


海から池につながる道は水竜が2体通れるか通れないかぐらいの大きさだからな!

きっと一対一の状況に成るはず!


よっしゃ!水竜!前回の借りは返してやるぜ!


そう言って俺は水竜へ最大火力のファイヤーボールを投げつけた。


「――――ッ!!?」


よし、水竜が俺の事に気づいたみたいだ。

そうだ!

俺に近寄ってこい!

そしてその下にある水の道を使って池まで来い!


俺は水竜が1m進むと同時に、1m下がる。


それを繰り返していた。




よし、池まで着いた。

あともうちょっとで水竜が来る!!


よし、巨大な反応が3体。

順調だ。

これで俺のレベルアップもはかどるだろう。

だって水竜と同等の反応が3体も…………


ん?

3


……もしかして………………



ザッバーン!!!!……………………


俺の目の前には……3体の水竜が現れた。


オイオイオイ。


なんでこうなった?


……そうですよね。

俺が欲張らなかったら良いだけでしたよね。


なんで俺は水竜なんか狙ったんだ!?

水竜が集団行動をするだなんて最初から分かっていただろ!

馬鹿か!俺は!


うん。バカ♡


いや、ちょっとまて。

いくら魔物でも水竜はめちゃくちゃ賢い。

もしかしたら和平交渉っていう道もあるのでは無いか……!?


「いぇい!水竜さん達!ちょっとお茶しない!?」


「「「……………………」」」


「……き、君達!キャワイイね!!!」


「「「……………………!!!」」」


……うん。

完全に水竜の事を怒らせた。


今、水竜達の目は、赤く染まっていた。


ブチギレやん。

目が赤く染まるとかブチギレやん。

いきなりブレスを撃ってくるとかブチギレやん。

二人で一緒に爪で攻撃しようとしてくるとかブチギレやん。


なんなん?

許してやぁ。


悪気は無いねん。

ちょっとしか。


だからゆるs―――――ッ!!!!


オイ!水竜!今のは危なかったぞ!?


こんだけ俺が謝っているって言うのに…………ぶっ殺してやる!


……今、大人の意地を見せる時がやって来た…………


……あ、皆は俺が大人じゃないって思うかもしれないけど、

前前世の18歳、前世の8歳、今世の数ヶ月。

それを合わせたら27歳ぐらいよ?


立派な社会人ですわ。

そんな社会人が今、こんなファンタジーチックな所に居るんだぜ?


居なくなってごめん!って言うほどの親じゃなくて助かったわ!

今でも親には死ねカス!って言いたい。


それぐらい親を恨んでいます。


それと人が視聴者さんと話している途中の俺の事を狙うでない。水竜達よ。


ぶっ殺してやる!


……うん。

俺って結構強くなったよね。

この体にも慣れていた。


意外と竜と人間って近い所があるんだよね。


頭があるし、

腕があるし、

足があるし、

二足歩行が出来るし、

意外と人間の頃の技とか使えるし。


うん。

人間の頃に努力してきてほんとに良かった!


しかもイオさんに爪術を習ってて良かった〜!

もし習っていなかったらこんなに水竜達を圧倒的で居ない。

……いや、俺なんで水竜達を圧倒できてんの?


一応水竜と雷竜なんで力の強さは同じはずなんだけど……


……水竜が特別弱いのか?



水竜は別に弱い訳ではない。


水竜は攻撃は当たってもある程度は受け流せるし、

水の膜を覆っているので攻撃が通じにくい。特に水分系の魔法は。

そして水の中ではどんな生き物よりも有利に戦える。

そんな防御、移動に優れた生き物だ。

ただ、そんな水竜の防御、移動も物ともしない生き物が居る。


それは雷竜。

雷は流石の水竜でも受け流せない。

属性の不利がありすぎる。

そして移動は雷竜の方がとてつもなく速い。

雷の速度で移動出来るからだ。


ただ、今のレオンに雷の速度で移動出来る力はない。


ただ、レオンには陸があるのだ。



《水竜を撃破しました。500000Expを獲得しました》


《経験値が一定に達しました。サンダードラゴンのLvが22⇨23になりました》

《各種ステータスが向上しました》



《水竜を撃破しました。500000Expを獲得しました》


《経験値が一定に達しました。サンダードラゴンのLvが23⇨24になりました》

《各種ステータスが向上しました》



よっしゃ!


あと一体だけじゃ!

そしてその一体ももうぼろぼろ!


もしかして俺って強い?


おおっと!危ない!

油断していたらやられるな……決して水竜も弱い訳ではない。


それじゃあ俺の最強技を!


「雷刀斬幎!!!」


「キュェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」


《水竜を撃破しました。500000Expを獲得しました》


《経験値が一定に達しました。サンダードラゴンのLvが23⇨24になりました》

《各種ステータスが向上しました》


《進化可能になりました》


お!?

進化可能!?


もしかして俺が……龍になれる!?


……ヘヘっ!


さっすが俺。

人には出来ないことを平然とやってのける!

そこにシビれる憧れルゥ!


……うん。

多分のこのネタ古いな。

やめよう。

おっさんとは言われたくない。


……もしかして、雷竜から雷龍に進化したら水龍に勝てるんじゃ…………


……進化しよ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


レオンが自分より歳上で草

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