第113話 レオンが死んだ時のエレン……



〜エレン視点〜


それは、ごく何気ない日だった。

あんな事が起こるまでは。


「ふんふんふふ〜ん♪」


僕は今、レオンの家から遠く離れた国に住んでいる。

いや、遠くって言ってもあんまり遠くないよ?

1000kmぐらい?

大体それぐらい離れている所に住んでいる。


今日はレオンが校外学習をしに行くということで僕は久しぶりのバカンスを楽しんでいる。


「あ〜!いつ見てもビーチは気持ちいな〜!」


勿論僕は変装済みだ。

だって有名人なんだも〜ん!


やっぱり僕ぐらいのイケメンになると世界から注目されるよね!


……まぁ、世界から注目される理由は、俺が元世界最強のクランに入っていたからなんだけど…………

まぁ、入っていなくてもイケメンって事で有名になっているでしょ!しらんけど。


「おじちゃん。フランクフルト一つ」


「あいよ!」


ここのフランクフルトは絶品でさ。

この世の中で一番美味しいフランクフルトはどこですか?って聞かれたら一瞬でここを選ぶ自身がある。

でもさ、ここの店主ヤバいやつなんだよねぇ……

メニューが……


フランクフルト

イカの酸揚げ

シカの金玉

亀の爆弾煮込み

コオロギの素揚げ

などなど…………


これよりヤバいメニューは沢山あるけど言うのは辞めておこう。

ここの店主の名誉にかかわる。

それと視聴者さんが吐き気も催すほどのキモチワルイメニューがあるからね。


うん。この話はやめにしよう。


突然話が変わるが、この世界には歳を全然取らない種族が多い。

いや、正式に言ったら、歳を取らないんじゃなくて、歳をとっても全然老けない奴等が多い。

けど僕は異例な奴よ?


僕は結構前から生きている。

けれども僕は人間だ。

これは何故か?

僕は不老っていうスキルを持っている。

これは歳を取らないってことだ。

ただ、歳を取らないだけど、死ぬ事はある。


だから僕は数年間、崇め立てられている。

まぁ、もし僕はこのスキルを無かったら結構なおじいちゃんになってただろうね。

不老のスキルがあってよかった!


それじゃあそろそろ着替えて、別の国の観光でもしにいくか!


僕はそんな事を考えていた所、レオンになにかがあった。


―――――――――ッ!!!?


今、レオンの命が確実に弱まっている。

何故だ!?

レオンには一応、生きていたら僕が絶対に駆けつけてやるって言っていたはず。

だから魔物に襲われてもこんなに生命が弱まるはずがない!!


…………こんなの俺も予想していなかった。

僕は一応、レオンが命の危機に瀕する数秒前に、レオンの身が危ないと分かるようになっている。


ただ、今回はそうじゃなかった。

レオンが危ないと分かった時には、もうレオンは死にかけていた。


…………もしかして、とてつもなく強い者の干渉があった?


ぱっと思いついたのはあの女神だ。

女神の事はレオンから知らされていた。


『性格が悪い』

『俺と弟を引き離した』

『俺のことを殺そうとした』


もしかしたら、女神が殺そうとしていたのかもしれない。


…………ヤバい!

もしそうだったら……間に合わない!


僕は、持てる力を振り絞って、レオンの元へ向かった。


…………ただ、その頃にはもう………………遅かった。





ーーーーー






「クソが………………」


僕が付いた頃には、レオンが死んでいるという報告があった。


セラとアテネが悲しんでいるな…………


……レオンを殺したのは…………アイツか。



ボルト・ザブル


レオンの事を逆恨みしている奴の一人だ。




…………ボルト。アイツが僕に直前まで気づかれずにレオンの事を殺せたとは考えづらい。


レオンの事を殺して利があって、更に俺に気づかれずにレオンを殺して人物…………


僕はある一つの可能性を見つけた。


…………お前は……もうそこまで力を取り戻しているのか!?


なぁ、邪神!!!


一度じゃなく二度までも!の大切な者を奪おうとしているのか!!


……絶対に殺す。

俺は何がなんでもお前を殺す。

そう、俺はお前を殺す為にとてつもない時間をかけて準備してきたんだ。

絶対に殺してやるからな……!!


………………いやまて、レオンはまだ生きているんじゃないか?


当然、そんなはずは有るわけない。

どんなに馬鹿でも俺は世界最高峰の力を持っている。

そんな俺に隠れて生きている者などほぼいないだろう。

ましてやレオンはまだまだ弱かった。


けど、そんな固定概念を覆すのがあの男だ。

もそうだった。





ーーーーー





約一ヶ月後………………


やはりレオンは生きていたのか!!!!

僕はごく微量だが、レオンの魂を確認した。

ただ、ドコに居るのかはわからない。

ただ、僕が探知出来る範囲内の所に居るって事は……最低でも1年ぐらいしたら元の場所に戻ってこられる計算だな。


「……………はぁぁぁぁぁ……!!!」


しんどかった〜!

レオンが死んでから、ロクに眠れていない。

よし!

そろそろ寝るか!


僕は寝床に着いてから、秒で寝た。

それも5日間。





ーーーーー





「…………どうしようか?」


俺はには今、2つの選択肢がある。


1つ目、レオンを助けに行く。

2つ目、レオンを放置しておく。


1つ目をするには結構な労力と時間を要するだろう。

僕の探知範囲だって結構な広さだ。

そして見つけた所でレオンが前世の記憶を持っているとは限らない。

……あ、勿論レオンが転生している事は確認済みだ。

だってレオンの魂の形が変わっていからな。


二つ目をするには結構危険だ。

レオンは今、人間に転生して、ある程度のお金がある家庭に産まれたなら大丈夫だろう。

ただ、もし、とても貧乏な所に産まれたなら?

もし魔物に産まれたなら?

それはとてつもなく危険な環境に居るだろう。


これはとても悩ましい…………


よし、決めた。





放置しておこう。


だってレオンだよ?

どうせ見苦しくあがいて生きてるだろう。

僕はレオンがこんな簡単に死ぬ奴だと思ってないしね。


それじゃあ俺は何をしよう…………


あ!そうだ!

セラに魔法でも教えようかな?


セラってけっこう良い筋していると思うんだよね!


人には、得意な魔法って言うのがあってさ。

ある人は、防御系の魔法が得意で。

ある人は、攻撃系の魔法が得意で。

ある人は、補助系の魔法が得意で。


みんないろんな得意がる。


セラは防御系の魔法がめちゃくちゃ才能がある。

そしてセラには凄い事に、結界というとても珍しい魔法を持っている。


……セラを訓練したら面白そうかも?


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