第112話 なんで何時もそう上手く行かないの?




《熟練度が一定に達しました。スキル怠慢|7⇨怠慢|8になりました》


お、またスキルのレベルが上がった。


いや〜、俺ってそんなに怠けてた?

確かに怠けてはいる。


トイレに行くのが面倒くさくてトイレの近くに自分の個室を作ったぐらいだもん。


…………あ、自分の個室を紹介していなかったな。


紹介しよう。

これが俺の個室だ!!


まずちゃんとした屋根がある。

そして壁がある。

窓はここにある材料では作れなかったから壁に四角い穴を開けて窓があるように見えるようにしてある。


ここからの景色よくない?

めちゃくちゃ絶景なんだけど。

最高じゃん。


窓からはとっても綺麗な、海が見えた。


いや〜、ここは雨も降らないし最高だな。



サンバード Lv74


鑑定不可



ただし、たまにおかしな奴も見える。


あ、お疲れ様っす!

いつもここを照らしてくれてありがとうございます!

感謝感謝!



……うん。ホントあの生き物を敵に回したらいけないな。


だってここの空間を全て照らしてくれてるんだぜ?

ここの空間だけて北海道ぐらいの大きさがあるもん。


もしかしたらこのサンバードって所々にいるのかな?

もしいたら絶対敵対だけはしないでおこう。

あんなヤツに敵対したら駄目だ。

流石に死ぬ。


だって鑑定が出来ないんだぜ?


地龍ですらこうだったんだぞ?



地龍 Lv38


HP 鑑定に失敗

MP 鑑定に失敗

筋力 鑑定に失敗

耐久 鑑定に失敗

魔力 鑑定に失敗

速さ 鑑定に失敗

知力 鑑定に失敗

精神力 鑑定に失敗



地龍の方がもうちょっと情報があった。

しかも俺は地龍戦の時よりかは確実に強くなっている。

その力を持ってしても地龍は鑑定が出来なかった。


は?

サンバード強くね?


……俺もうサンバード教に入るわ。


サンバード!

サンバード!

サンバード!


バンッ!!!!……………………


うわ!


なに!?

急にサンバードの光が強くなったんだけど!?

もしかして俺の言葉にキレた!?


……いや〜、違うじゃないですか。

悪気があったんじゃないんですよ…………



……………うん。

今日はちゃんと狩りをしよう。


もう、ひそひそと生きるのは辞めだ!

サンバードさんに怒られない生き方をしよう!


それじゃあ海の中に雷ドカン。


「「「キュェェェ!!」」」


《ベビードロフィンを撃破しました。2500Expを獲得しました》


《ローパラサイトフィッシュを撃破しました。5000Expを獲得しまいした》


《パラサイトフィッシュを撃破しました。10000Expを撃破しました》


etc……………


ハッハッハー!!!


どうだお前ら!!

雑魚共め!!


……うん。

最近だれとも話してないからテンションがおかしいんだよね。

誰か〜!

居ないのか〜!

このままじゃ俺はただテンションが高いクソ野郎になるぞ!!


……よし、速いところ進化して、人間になるか。


人間になったら早くセラ達と会いに行こう。

セラ!

アテネ!

待ってろ!





ーーーーー





〜セラ視点〜



レオンが居なくなってからもうちょっとで半年だ経とうとしてくる。


レオンが居なくてってから、レオンの存在の大事さ。

レオンの力が分かってきた。


私とアテネ。それとアイリーンは、レオンが居なくなってから少し様子が変だと思う。

自分でもそう思うぐらいだ、きっと周りの人達には更にそう思われているだろう。


幸い、私とアイリーンには友達が居る。


ただ、アテネは普段友達と居る事がない。

何時もいるのは、

エーミール、

レオン、

そして私だ。


最近アテネはエーミールの所でよく修行をしている。

しかも日を追うごとに長時間。


レオンが居ない寂しさを訓練で補おうとしているんだともう。


けれど、私も同じだ。

最近は突然現れる少し変なイケメンの人に訓練をしてもらっている。


イオさんは会った時目を丸くしていたけどなんでなんだろう?

…………そしてどっかで見たことがあるような顔をしていたんだよなぁ。

誰だっけ?


教科書で見た覚えが……

いや、そんな事は無いだろう。

教科書に乗るような人物と会えるわけがない。


どうせ自分の気のせいだ。


でも、その変な人のおかげで、自分の力はメキメキと伸びている。


ただ、最近は全然レベル上げをしていない。

私は早く強くなりたいからしたいんだけど、変な人が……


『成長期はレベル上げなんかして、まやかしの力を上げるんじゃないくて、ちゃんと自分で訓練をして、素の力を上げていこう♪』


って言ってた。

毎回ホントなのか?って疑うけど、変な人はたしかに強い。

それもイオさん以上に。

イオさんも強いと思うんだけど……

だってイオさん、レオンのお父さんより強そうだもん。

ステータスでは明らかに負けているのにね。


「オイ、セラ。遊ぼうぜ?」


「……ボルト」


最近、レオンが居なくなってから、ぐんぐん力を伸ばしている奴の一人だ。


「今から俺達は遊びに行くんだ。お前もこいよ」


「……最近レオンが居ないからって調子乗ってるんじゃない?」


元々、レオンには大きな派閥があった。

……まぁ、本人は気づいてないだろうけど。

その派閥がレオンが死んだことでだんだんと弱くなっている。

けど、無くなったわけではない。

レオンが死んだ今でも、派閥の力は半分以上はある。


「……いつまでも死んだやつの事を想ってんじゃねぇぞ!アイツは死んだんだよ!」


「死んでない!レオンは生きてる!……アンタなんかにはレオンは殺されないもの」


「……は?あんなカスが俺より強いって言いたいのか?」


「ん?当たり前じゃん。アンタなんかよりレオンの方が何倍も強いんだ!」


所詮お前は猿山の大将だ。


「……お前は黙って俺に従っとけば良いんだよ!!」


そしてボルトは、私に襲いかかってきた。


「―――ッ!!!結界!」


結界。それは私が持っている特別な魔法だ。


以前、レオンから教えてもらった。

でも、どれだけ調べても結界を使った魔道士の事が書かれた書物は見つからない。

ただ、たまに物語では見かけることがある。


あれは何なのかと不思議に思っていた。

それを変な人が解決してくれた。


そしてそれを私に教えてくれた。


『この魔法は、人を守る為にあるんだ。これでいつか、レオンの事も守ってあげろよ?』


この人も、レオンが生きていると信じていたのだ。

それを私は嬉しく思った。


「クソッ!この壁、破れねぇ!」


私はボルト達が結界に戸惑っているスキに逃げ出した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


変な人:……え、俺って変な人だと思われてたの?めちゃくちゃイケメンだよ?自分で言っちゃったけど。

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