第111話 意外と時は過ぎた
…………ん?かかったか?
それじゃあ、サンダーボール。
《パラサイトフィッシュを撃破しました。5000Expを獲得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル怠慢|6⇨怠慢|7になりました》
お、スキルのレベルが上がったな……
あれから、1ヶ月以上が経った。
俺はその間……特に何もしてないない。
ん?
せめてなにかしろよだって?
い〜や〜だ!
だって面倒くさいんだもん!
ほらみて?
怠け過ぎて怠慢っていうスキルをげっとしたよ?
おかしくない?
流石に異世界で聞いたこと無いよ?怠慢ってスキル。
……いや、聞いたことは有るわ。
なんか前に使用人が言ってた。
『そんだけ怠けていたら怠慢のスキルを授かりますよ!』
って。
あの時は何が悪いのかわからなかったんだが、怠慢ってなんなんだ?
鑑定で見ようとしたんだけど、なんか怖くて見れてないんだよなぁ。
怠慢
本気を出さなければ出さないほど、筋力などのステータスの向上、治癒能力の向上、魔法の威力向上などなど……様々な効果が得られる。
けれど本気を出したらこの効果は効かない。
『戦うけど本気は出したくないな〜』って言う時にあったら最高。
…………ん?なんか嫌な効果が有ると思ったが……全然嫌な効果は無かったな。
なんで使用人達はこのスキルを得る事を駄目だと言ったんだろう?
めちゃくちゃ良いスキルだと思うけどなぁ。
だって本気を出したくない時ってあるじゃん?
そんな時にあったらめちゃくちゃ良くね?
……この時、まだ知らなかった。
このスキルを持っていたら、周りの人から努力をしていない人だと思われ、信用してもらえなくなったり、周りの反応がきつくなったりする。
だから使用人はこのスキルを得たら駄目と言ったのだ。
でもこの時の俺はまだ知らないため、このスキルを貰ってめちゃくちゃ喜んでいる。
え、バカ?
いや〜、それにしても俺は天才だな。
あまり音を立てず、そして結構な経験値を入手出来るこの装置を!
見ろ!この装置!
魚確殺池!
…………ちょっとネーミングセンスが悪かったな。
ちゃんとした説明をしよう。
俺はこの一ヶ月間、めちゃくちゃ時間があった。
それも砂で像を作れるぐらいには。
なんか楽に経験値を集める方法は無いかな〜?って考えていたら、ある事が思いついた。
『魚を島の中央におびき寄せて倒したらあんまり音を立てずに殺せるんじゃね?』と。
そして俺は考えた。
考える人以上に考えた。
そうしたら俺は天才的な発明が出たんだ。
そうだ、道を敷こう。と。
それからの俺の行動は早かった。
まず島の中央に大きな穴を作ったのだ。
それも水竜が10匹居ても全然大丈夫ぐらいの大きさには。
そして俺は掘った穴の中にでっかい穴を横に掘った。
それで俺は海に繋げたのだ。
そしたら…………
なんということでしょう〜
水が掘った穴の中に入ってきているではありませんか〜。
しかも水と一緒に魚も入ってきているではありませんか〜。
そして俺はその穴……いや、湖にサンダーボールを放った。
《ウォータードロフィンを撃破しました。7500Expを獲得しました》
《ポイズンアクアスパイダーを撃破しました。5000Expを獲得しました》
《アシッドアクアクローを撃破しました。9400Expを獲得しました》
etc…………
お!めちゃくちゃ経験値が入ってきた!
…………もしかしてこれはめちゃくちゃ良い発想だったのでは?
そして俺は一ヶ月、ずっとこれを繰り替えしていた。
…………いや、意外といろんな事をした気がするな……
それじゃあ俺がこの一ヶ月で作ったものをお見せしよう!
まず一つ目。
さっき紹介した湖。
これはこの島の遺産にしたいと思っている。
そして二つ目!
お風呂〜!
いや〜、これはめちゃくちゃ難しかった。
まず島の中から良質な木を探す所から難しかった。
ここの木質悪くない?
なんか虫に食われていたり、
動物に食われていたり、
折れかけていたり、
木の中心が何故か真っ黒になっていたりなどなど……
流石に俺も心が折れたよ?
でも日本人なら流石に風呂には入りたいじゃん?
だからめちゃくちゃ必死になって頑張った。
そしたら見て。
そして俺は指をさした先には…………高級旅館すらも遥かに超える、温泉が出来ていた。
…………うん。
本気に成りすぎた………………
え?おかしくない?
なんかここだけめちゃくちゃ和風だよ?
和過ぎて幻覚を見ているんかと思ったわ!
実際温泉は出ないんだが……これはめちゃくちゃすごくないか?
まず穴を掘って、石を周りに詰める所からはじめたんだぞ?
そして横には、杉の木っぽい物で作られた巨大なお風呂も有る。
そして最後には五右衛門風呂も。
…………ん?これは一体のドラゴンが作っていい物の域を超えているね。
今の日本人が見たらびっくり仰天だよ?
日本好きの外国人なら、何が何でもここに来るよ?
ほんとそれぐらい凄く、良く出来たと思う。
けれど、流石に温泉は出ないため、一々お湯をくんでこなくてはいけない。
そのお湯も海から持ってきた水なので、一体綺麗な水に戻して、そこから魔法で温めなくてはいけない。
めちゃくちゃ面倒くさいよ?
よく怠慢なんてスキルを入手出来たな!
めちゃくちゃ頑張ったんだぞ!
ここの世界仕切っている奴誰だ!
ぶち回してやる!
……まぁ、ここの世界を仕切れる奴が居たなら、速攻で殺されるな。
もう死の未来が見える。
……ああ、頭の中にバイオハ◯ードの死亡シーンの映像が鮮明に映し出される!
…………前前世での一番好きなゲームはバイオハザードだったからなぁ。
あ、もし好きなゲームでもあったらコメントで教えてね!
作者がプレイします。
……いや、プレイさせます。
『!?』
ん?なにか聞こえたような……
まぁ、気のせいか!
……………………ん?また獲物が引っかかったな?
よし、サンダーボール!
《リバーポークを撃破しました。500Expを獲得しました》
《シークロウドを撃破しました。1000Expを獲得しました》
《ブラックバスマスターを撃破しました。5000Expを獲得しました》
etc……………………
《経験値が一定に達しました。雷竜のLvが18⇨19になりました》
うん。めちゃくちゃレベルが上がっているね。
もし現世の人がこれをやったらパワーバランスが崩壊するよ。
だってたった一ヶ月でこんだけレベルが上がるんだよ?
…………いやでも、雷魔法がないとこんなに威力が出せないか。
火魔法だったら水中に打てないし、
水魔法だったら耐性を持ってるし、
風魔法だったら威力が半減されるし、
土魔法だったら耐性も持っている奴が多いし、威力も半減される。
…………うん。雷魔法、最高!!
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