第107話 レオンvs水竜 4


……さ〜て、どうしようか?

俺のHPは、半分以下だったのが、さっきのレベルアップで上昇し、半分よりちょっと上になった。

正確なHPはこうだな。


サンダードラゴン Lv23


HP 6360/9803


……うん。結構余裕はあるな。


でも、水竜はさっき本気を出した……はず。

もし水竜が本気を出して、攻撃の威力が上がったなら今のHPでも危ないかもしれない。


じゃあ今俺が取るべき行動は……


相手の攻撃を待ち、それにカウンターを決める!


よし、こいよ!水竜!


俺の気持ちが通じたのかわからないが、水竜が口を開き、ブレスを放つ用意をした。


よし、集中して……集中して…………


………………ん?おかしいな?今頃ならもうブレスを吐いてておかしくないはずなのに……


俺がそんな事を考えていることを無視して、ずっとブレス溜めている。


お!そろそろブレスを吐くか?


そして水竜がブレスを放った。


――――――――ッ!!!!


そのブレスは一瞬だった。

一瞬で移動し、

一瞬で俺の目の前まで来た。

一瞬で俺の後ろにある岩に、穴を開けた。


……危なかった。

水竜のブレス……いや、あれはレーザーだ。

それが俺の目の前まで迫ってきていた。


反撃を出すために相手の攻撃に集中していたからいいものの…………もし、相手の攻撃に集中しておらず、逆に攻撃をにし行っていたら……俺の腹には穴が空いていることだろう。


……まぁ、集中していたとしても俺の脇腹にはすこしかすっているがな。


…………けれど、この状況はかなり危ない。

水竜の攻撃はほぼレーザーだ。

あんなの、銃弾を避けろって言われているほど難しい。

俺が攻撃したとしても、必ずと言っていいほど反撃が来るので、後手に回るしか無い。


早く相手の攻撃の対処法を考えないと、俺は撃たれて終わりだ。


かといって、相手にも余裕があるとは言い難い。

相手のHPは4分の3ぐらいで、MPに至っては、半分を切っている。

だからか、水竜はHPが減っていても回復しようとしない。

最初に比べればかなり進展したな。


最初の頃は、水竜がHPもMPも完全にあり、その他の敵達も100体以上居た。


俺は雷を溜め始めた。

水竜をやっつけるために。


ただ、雷を溜め続ける時は回避に集中しずらい。


だから俺は走り続けた。

俺が出せる最高速度で。


もうこうなったら避けるもクソも無いな。

水竜が俺に攻撃を当てようとする。

ただ、俺は最高速度で走っているため、水竜の攻撃は速いが、俺の速度には追いつけない。


ただ、俺のその作戦には、数分で終わりを迎えた。


体力が底を尽きたのだ。


クソッ!水竜のブレスが来る!!


水竜はそんな俺を目掛けて、強烈なブレスを放った。

即作なので脆いと思うが、自分が持てる最大の力を使って壁を作った。


グハッ!!!


肉の、えぐれる音がした。


……クソッ、めちゃくちゃ痛い…………

ただ、俺が即興で作った岩の壁が功を奏したのか、思ったよりダメージは無かった。



……どうしようか?

俺は今、雷を溜めているから集中力も、体力も無い。

今あるのは……少量のHPとMPだけだ…………なにかいい手は…………


そうだ。まだやった事は無いが、行けるだろう。

鬼炎化と鬼風化を完成させた俺なら。


……ふぅ………………


!!


俺がそう唱えると、まるで岩の如く、俺の体が固くなった。


よし、これで水竜の攻撃が耐えれるはずだ。

そして岩の壁を設置し、最強の二段構え。


ただ、極限まで固くするにはジッと留まっていなくてはいけないため、俺は動けなくなる。


こい、水竜。これは、お前が俺の事を倒すか、俺が倒れる前に、雷を溜め終えるかだ。


そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。



そして水竜はブレスを撃った。


それは岩の壁を壊し、俺に直撃した。


俺から血が流れる。


そして俺は新しく岩の壁を創る。


etc………………





そうして、時は過ぎていった。


……ハァハァハァハァ…………


俺のHPは一割を切った。

ただ、相手のMPも一割を切った。


もう、どちらも理解している。

相手に一撃を当てた方が勝つと。


俺は、水竜に向かって走り出していた。


あいにく、じっと留まっていたため、体力は有り余るほどある。

けれども、水竜の攻撃を少しでも抑えようと遠くに逃げていたし、血も出ているのでスピードが落ちている。


だが、俺はそんな事を関係なく、ひたすらに走った。

どんなに水竜の攻撃が来ても。

俺は走って避けていた。


…………ただ、俺は距離を……水竜の攻撃を見誤っていた。

俺の足はもう、走れないぐらいボロボロになっていた。


クソッ…………ここで終わりかよ……


水竜は、容赦なく俺に…………ブレスを叩きつけた。



《スキルを記憶から再生……成功しました。修復……成功しました。スキル忍耐を入手しました》



忍耐


どんな攻撃でも一回、HP1で耐える。



「天は……俺に味方したようだ…………」


水竜……お前、ブレスを打つ時、お前の口とブレスは繋がっている。


しかもお前のブレスは水なんだ…………雷を通すんだよ!


雷撃!!


俺はブレスを伝って、水竜の口に雷を放った。


「キュ!!」


水竜は俺の前で、倒れ、死にかけていた。


「雷創:雷刀」


お前は………強かったよ。


「雷刀斬幎!!!」


「キュェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」


《水竜を撃破しました。500000Expを獲得しました》


《経験値が一定に達しました。サンダードラゴンのLvが23⇨24になりました》

《各種ステータスが向上しました》


《経験値が一定に達しました。サンダードラゴンのLvが24⇨25になりました》

《各種ステータスが向上しまいた》


《熟練度が一定に達しました。竜爪|8⇨竜爪|9になりました》

《熟練度が一定に達しました。竜鱗|8⇨竜鱗|9になりました》

《熟練度が一定に達しました。咆哮|8⇨咆哮|9になりました》

《熟練度が一定に達しました。竜牙|8⇨竜牙|9になりました》

《進化可能になりました》


……進化か…………


俺はそのまま、意識を失った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る