第90話 オーガvsレオンvs……………
いや、ヤバいって。
意外とオーガが進むの速すぎる。
「それ以上進むな!!」
俺は大量のファイヤーボールを投げた。
「フッ、そんなの効くもんか」
チッ、やっぱり耐性は持ってるか……
ん?なんか一人だけ炎を受け止めずに、ステップで避けている奴が居るなぁ……
ひょっとして……
「ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール」
俺はその、ステップを踏んでいるオーガを集中的に狙った。
「―――――ッ!!!」
ビンゴ。
アイツは火耐性を持っていない。
よし、まず一人ずつ、確実に減らしていこう。
「爆炎豪槍!!」
「ぐはっ!!」
上級オーガ Lv32
HP 3050/14205
よし!!けっこう削れてきている!!
やれる!!
俺がそう思った矢先、そのオーガが変化した。
「……うぐうっぐぐぐぐぐぐっぐぐぐぐぐあごいふぁおあぐおいぐあぐうgそうあそぐあsごいうごうあそういうあそうあおwagijarobjabojawjgio!!!!!!!!」
何だ!?
急にオーガがおかしくなったぞ!?
俺が今、殺そうとしていたオーガが、狂ったように叫びだし、目を赤くした。
まるで意識が、どこかへ飛んでしまっているように……
「チッ、アイツ狂化を使いやがったか」
オーガの隊長がそうぶつやいた。
「……狂化ってなんだ?」
「ハッ、狂化を知らないのか?上級以上のオーガは、大抵この技を教わる。効果は、自分の意識はドコかに飛び、正気じゃなくなる。その代わり、どんなに攻撃をしても怯まなくなり、ステータスが大幅に上昇する」
……強いな。
ステータスが大幅に上昇?
じゃあ今のアイツのHPは……
上級オーガ Lv32
HP 4500/21307
チッ、HPだけで2万を超えてやがる。
ただ、元々HPを削っていたおかげで、狂化しても現在のHPはそれほど上がっていないのが救いだな。
そして、そのオーガは、まるで罠なんか忘れているように俺の元に一直線で来た。
馬鹿か、あいつ。俺に一直線で突っ走ったら罠に引っかかるに決まって―――ッ!!
アイツは、罠なんて無いかのようにどんどん俺に近づいて来ている。
いや、アイツは罠に確実に引っかかっている。
ただ、引っかかっても狂化のせいですぐ罠から出てきてしまう。
クソッ!
アイツは、俺の直ぐ側まで来ていた。
「爆炎豪槍!!!」
俺は、至近距離でかつ、最大威力で放った。
流石に死んで……
上級オーガ Lv32
HP 49/21307
は?
「―――――ッ!!!」
俺の攻撃が当たったのに対し、何もなかったように突っ込んできたオーガの爪が、俺の体を、酷く、そして確実に俺を貫いた。
「……こりゃぁ……ヤバいな」
今、俺の脇腹には、風穴が空いている。
これ、次レベルアップする時の効果で治るか?
これ一から傷を修復しないといけないやつだぞ?
「ハハッ!!ざまぁねぇなちびドラゴン!!俺達に歯向かうからだぜ?」
「ん?なんか言ったか?いやはや、まさか俺に一撃も与えておらず、ただ俺にボコボコにされている弱者がなにか?」
俺がそう言って煽ると、相手のオーガは青筋を立て……
「ぶっ殺してやる!!!」
「お前なんかが出来るわけねぇだろ、カス」
……口ではそう言ったが、今はかなり不味い。
相手は、確実にボロボロだが、慎重に動いていて、HPは半分近くある。
対して俺は、HPはすでに、半分になっていて、脇腹に穴が空いている。
クソッ、もうちょっとあの狂化しているオーガを早く仕留めていれば…………
……だめだ。もう少し、保たないと。
大丈夫。最悪タロさんが来たらどうにかなるんだ。
実際、ステータスはコイツラの倍以上あるからな。
雷を……
……うわ、全然効いてないわ。
なんか静電気が来ました?って顔してるもん。
俺の雷ってしょぼいんだね。
…………いや、まだ、使い始めて1ヶ月ぐらいしか経ってないからね?
俺がそんな事を考えている間、オーガ達はすぐ、俺の近くまで来ていた。
「ハッ、カスドラドンが!お前なんかズタボロに!!」
まずい!!オーガ達が、俺を目掛けて走ってきた。
「……なんだこれ?」
……引っかかったな?
「お前ら、そんな簡単に俺の罠に引っかかるとか……馬鹿なんじゃねぇの?」
「何だと!?こんな罠すぐ抜け出して……ん?抜け出せない?」
そりゃそうだ。俺が設置した罠は、鬼門法、9門 百鬼夜行だ。
これは、俺がこの技を放った範囲に無数の子鬼を出現させ、相手を足止めしたり、攻撃するための技だ。
これを逃れられるのはそうそう居ない。
今まで俺が試した中で抜け出せたのは……イオさんと、エレンだな。
エレンの時なんて、使った瞬間、何か技が弾けたし。
『はい、終わり』って言ってきたときなんか震えたよ。
「てめぇ……これをほどきやがれ!!!」
「は?無理」
だれが安々と敵を逃がすってんだ。
お前らはそこで死んどけ。
無数の子鬼が、オーガの体を、ゆっくりとだが、着実に蝕んでいった。
俺が倒したと思った瞬間、奴等の目が赤く光った。
「――――ッ!!クソがっ!!」
コイツを狂化させたら終わりだ!
俺は全力でコイツらに魔法を打ち込んだ。
「ぎゅふぁああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
上級オーガ Lv29
HP 0/14820
上級オーガ Lv35
HP 0/14740
上級オーガ Lv43
HP 583/16780
「クソッ!!」
一体生きてやがる!!
「オマエ……ゴロジテヤルゾ!!!!!!!」
そうしてオーガは、俺に飛びかかってきた。
「烈天」
「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
馬鹿が。俺に接近戦で勝てるわけねぇだろ?
しかも一対一で。
「あ゛……ミ、ミヂズレダ!!!!」
「―――――ッ!!!クソッ!!」
オマエが勝手に死んどけ!!!
「青炎豪槍おぉ!!」
「――――――グハアアアァァァ!!!」
上級オーガ Lv43
HP 0/16780
……勝ったか。
よく自分でもやったと思う。
だってただのちっちゃいドラゴンが、あんだけでかいオーガを、しかも5体やっつけたんだ……
「……ちょっと……血を流しすぎたがな…………」
頭がクラクラする……
でも10万ぐらいの経験値を得たんだ……結構な収穫さ……
…………突然、俺の背中に悪寒が走った。
なんだ?今の?
……………………彼は、無数の虐待。2度の死。それを経験してきた。それで彼は確実に、死を察知する能力が高まってきた。
…………ゴゴゴオオオォォォ……………………
なんだ?この、大きな音は!!?
なにかが、居る。
そして、俺の目の前から……化物が現れた。
地龍 Lv38
HP 鑑定に失敗
MP 鑑定に失敗
筋力 鑑定に失敗
耐久 鑑定に失敗
魔力 鑑定に失敗
速さ 鑑定に失敗
知力 鑑定に失敗
精神力 鑑定に失敗
は?
そして俺は……いつの間にか…………壁にめり込んでいた。
「――――グフッ…………」
は?いったい何が起きた?
俺は、目の前に迫る巨大な尻尾を見て…………意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます