第89話 迎撃作戦……始動



……は?

タロさんの命が狙われている?

そして重大な情報?


…………ふぅ、冷静になれ。


取り敢えず、事実として起こりそうなのは、

今夜、タロさんの家に攻めてこられるということだ。


オーガが数体……タロさんの家に攻めてこられるってことだろう。


数体……取り敢えず、5体以下と仮定しよう。

じゃないと確実に俺は負ける。どんなに準備しててもだ。


しかし……この今夜っていう所が最悪だな。

タロさんは今日の夜に帰ってくる。

てことは、タロさんは、迎撃の準備は出来ないってことだ。


…………やっぱり俺が相手するしか無いか………………


「……まず、罠でも仕掛けるか」


それが大切だな。





ーーーーー





「……う〜ん。迎撃するならここが良いだろうな…………」


俺は、タロさんの家から数キロ離れた先にある。広く、細長い空間に居た。


多分、タロさんの家に行くには、ここを通らないといけないはず……

オーガってでかいから大きな通り道しか通れないんだよな……


よし!罠を設置するか!!


…………て言っても、どんな罠を設置したら良いんだ?


相手はオーガ。

ステータスは1万を超えているだろう。


…………あ〜あ、ステータスをこのままで、人間の体だったら真っ向勝負でもどうにかなったんだが…………


どうもドラゴンの体は使いづらい。

ただ慣れてないからか?

まぁ、生後一ヶ月ちょっとだもんな。


でも、前世よりは確実にステータスは上がっている。

まぁ、弱体化前の前世のステータスにだったら確定で負けてるけどな。


……さ〜て、耐久1万のオーガには、どんな罠だったら攻撃を加えさせれるんだ?


取り敢えず、適当に作ってみるか!





ーーーーー





う〜ん。2時間ぐらいかけて作ってみたが……どうだ?


エントリーナンバー1番


木の罠


まず、落とし穴を作る。そして、木を鋭利にして、下に設置する。

まぁ、落ちたら、丸太みたいにでっかい木が突き刺さるイメージだ。

多分、オーガは重いから突き刺さるだろう。

……正直、これで勝てる気がしてくる。



エントリーナンバー2番


石の罠


まず、オーガ達が引っかかりそうな高さにトラップワイヤーを仕掛ける。

そのトラップワイヤーに引っかかったら上から大量の石が降ってくるって感じだ。



エントリーナンバー3番


雷の罠


いや〜、最近知ったんだけどね?頑張ったら雷をその場に留まらせる事が出来るらしいのよ。最近は頑張って雷の玉みたいなものを作れるようになった。


それを、そこら辺に散りばめさせておいて…………はい!完成!


…………いや〜、でもこれ欠点があって。

なんか、留まらせている時間はMP使っちゃうのよね……


たから、置きすぎるとすぐMPが無くなっちゃうから少しだけ。


よし!これでオーガなんか怖くない!


まぁ、なにげに自分のステータスも5000超えてるからね……


よし、これで後は罠を大量に設置して……ガン待ちだ。










その頃タロさんは……


「うお〜!鳥さん!卵を持って逃げないでけれ!!」


必死に鳥と格闘していた。





ーーーーー





「…………おい、本当にこの道であってるのか?」


「あってるよ。ただ、俺たちの拠点から結構離れていただけだ」


「全く、なんでアイツはあんなに遠くに家を立ててるんだ?」


「それは……アイツを追放紛いの事をした俺たちから逃げる為じゃ無いですかね?」


「ハハッ、アイツ昔から雑魚かったもんなぁ。どんなに蹴っても『辞めてけれ〜!』しか言わないんだぜ。ホント……笑えるな!」


「「「ハッハッハッハッハ!!」」」


…………カス共が。


「青炎豪槍」


俺は、爆炎豪槍の改良版を放った。


「「「「「―――――ッ!!!」」」」」


アイツらはのんきに話していたせいか、俺の魔法は直撃した。


……5体か。


上級オーガ Lv29


HP 10728/14820


上級オーガ Lv24


HP 9375/13850


上級オーガ Lv32


HP 11031/14205


上級オーガ Lv43


HP 12950/16730


上級オーガ Lv35


HP 11440/14740



うん、まずまずの結果だな。


しっかし、一つ隊長格かなっていうぐらいレベルが高い奴が居るな。

あのLv43の奴がこの集団の長か?


大体……3000~4000ぐらいのHPは削ったかな?


「……誰だお前は!?」


「ん?俺は?俺は…………お前達を殺す者だ」


「「「「――――――ッ!!」」」」


全員のオーガに青筋が立った。


「「ぶっ殺してやる!!!」」


「うわ〜、怖い怖い」


でもな、いくら怒ってるからって考え無しに敵に突っ込んだらいけない。


そこには………雷がある。


「クソッなにかに引っかかっ―――――グハッ!!!」


俺は、皆が雷の罠に掛かった瞬間に二度目の青炎豪槍を放った。


「…………お前、俺を怒らせやがったな?俺はオーガ達の隊長をやってるんだ……お前みたいなちびドラゴン、一瞬で捻り潰してやるよ!!」


「……は?俺がお前を怒らせやがった?…………順番がちげぇよ。その前にお前が!俺を怒らせたんだよ!!お前らみたいなカスが居るから、タロさんは自分の住処を追いやられたんだ!更にタロさんの命まで狙うのか?いい加減にしろ!タロさんだって好きに生きたいんだ!……お前らはここで……ぶっ殺してやるよ」


「「やってみろや!ちびドラゴンが!!!」」


そして俺とオーガの戦いは始まった。





ーーーーー





「……やはり強いな」


たった今はオーガ達が苦戦を強いられている。

何故か?


それはオーガ達が遠距離攻撃を不得意としているからである。

今、オーガ達が唯一している遠距離攻撃を言ったら石を投げる事ぐらいなもんだ。

最初はびっくりしたからね?


なんか構えてるな〜って思ったら全員で石を投げてきたんだもん。

びっくりして避けるの遅れたわ!


全く……まぁ、オーガ達に命中率はあまり良くない。

なんか一人だけ投げるのめっちゃ上手いやつが居たが……どうせ、投擲のスキルでも持ってるのだろう。


俺に石が効かないことを分かったオーガ達は、俺の所に乗り込みに来たが……それもまた失敗。

何故か?


それは俺が大量に罠を仕掛けていたからである。

皆罠にめっちゃ引っかかるじゃん。

なんか、途中から、一番レベルの低い奴を前に出して、罠の犠牲にしていたもん。


だめよ?仲間の事を肉壁にしたら。


流石にソイツも疲れたのか、俺の罠で死んでいた。

そして前に突きだつ奴が居なくなったから、またオーガ達が罠に引っかかり始めた。


全く、俺の元に辿り着くのは何時になるのやら…………


そんな事を考えているとオーガ達が結構前まで来ていた。


……え、意外と俺ピンチ?

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