第5章 迷宮

第79話 (゜o゜)?



〜セラ視点〜


「ねぇ、校外学習でレオンがボルトと組むらしいよ?」


「え!?」


レオンがボルトと!?

……何が起きたの!?


「れ、レオンに確認しないと……」


もしかしたらレオンが危ない目にあうかも……!





「はぁはぁ…………レオン!なんでボルトと組んだの?」


「……ああ、その事ね。何か皆がすぐ組を決めちゃって…………それでボルトしか組む相手が無くなったんだ」


何だ……そういうことだったのか…………


「良かった〜、レオンが変に脅されてるんじゃなくて」


「ハハッ、別にボルトなんかに脅される訳ないだろ?……でも、一応警戒はしとくつもり」


「……分かった。私も警戒しとくね?」


「ありがと!」


そう言ってレオンは去っていった。


よし、今日は早く寝ないと!!





ーーーーー





「……はぁ…………到着」


急いで学校に来たからか、まだ着いているのが数人しかいない。


「……気長に待っとくか」





ーーーーー





ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ…………


結構人が集まってきたな……


「よし、着いたか」


「時間ギリギリですよ、レオン君!」


「スミマセン」


あ、レオン!


「……そんな事をガミガミ言うんだから婚期を逃すんですよ?先生」


「……レオンく〜ん?聞こえてますよ?」


あ、


バゴンッ……………………


校庭に鈍い音が鳴り響いた。


アチャー。レオン、心の声が漏れてるよ…………


「……それじゃあ、もうそろそろ出発するので、昨日組んだチームと固まってください」


「「「「「「は〜い」」」」」」


「おはよう、セラ」


「おはよう!アテネ」


よし、アテネと同じクラスで助かった!


「……ここでやることも無いし…………そろそろ出発する?」


「……うん、そうだね…………一応、レオンとおんなじルートで行こうか」


レオンの事が心配だしね。


「分かった」





ーーーーー





「……レオンとボルト、仲良いね」


「うん。なんか意気投合してるっぽい」


私達の目の前には、ボルトと仲良く話す、レオンの姿があった。


「……レオンがあんだけ警戒を解いてるなら大丈夫だと思う」


「…………そうかな?」


今一ボルトの事を信用できないのは私だけだろうか?


…………この時、私はもっと注意してボルトを監視していれば良かった……





ーーーーー





私達が魔物を倒している時…………


「大変だ!!!!」


「どうしたんですか!?」


ボルトが大きな声を上げて叫んだ。


「レオンが、レオンが!転移の罠に引っかかったんだ!!!」


「「――――――ッ!!!」」


私…………いや、私達はこの言葉を嘘だと思った。


何故か、それはボルトの服に……レオンが私達の為に残した、魔力痕があったからだ。


「……ボル――――ッ!!…………なんで邪魔するの?」


私は、ボルトに殴りかかろうとしたアテネを押さえつけた。


「……ここでは、私達は圧倒的弱者。確かに強さならボルト達を蹴散らせるかもしれない。でもその後は?…………私達は、レオンにそういう面で守られて来たんだよ」


私は冷静になってやっと気づいた。


普通、平民の私が侯爵のボルトにあんだけ盾突いてはいけない。


なぜ出来ていたのか?それはレオンという、圧倒的な盾があったからだ。


「……我慢しよう。レオンが来るまで……………それか、強くなるしか無いよ。誰もが文句を言えないぐらい」


「…………分かった」


私には、それだけの事しか言えなかった。


レオン、私達は必ず、待ってるからね!



ボルトは転移の罠と言ったが、本当は落下の罠である。


では何故、ボルトは転移の罠だと言ったのか?

それは転移の罠だと、捜索のしようがないためである。そしたらレオンの死体も探られる事は無い。


けれども、セラとアテネはずっと待っている。もう、死んだレオンを…………






ーーーーー






「…………えっと……これどういう事?」


……一旦整理しようか。


俺は確かに死んだ。そんな感触があった。

エレンに殺された時とおんなじ感覚だ。


……で、俺は今なんで






















ドラゴンの姿で生まれ変わってるんだ?


「…………なんでなんだよおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


そろら一帯に、俺の大きな声が響いた。


一旦冷静になろう。

ドラゴン……いや、一度ぐらいは夢に見たことはあるよ?ドラゴンになってみたいな〜って。

けどさ、実際なっちゃったらなんか嫌じゃない?

しかも生まれ変わったにしたってなんで前世と前前世の記憶持ってるの?

なんでレオンと東海秀人の記憶持ってるの?


「……一旦、ステータスを見てみようか」



名前 レオン・ドラグノフ

種族 サンダーベビードラゴン

レベル 1 


HP  100

MP  100

筋力  100

耐久  100

魔力  100

速さ  100

知力  100

精神力 1000



スキル


鑑定|1

雷魔法|1

竜爪|1

竜鱗|1

咆哮|1

■■■■■■■

神からのお知らせ♡


称号


『■■■■■■■■■■■』



ほうほう……


「やっぱりドラゴンじゃねぇかクソが!!」


え、俺ドラゴンになるの?題名変わっちゃうよ?

『ドラゴンの俺、最強になる』みたいなヤツに変わるよ?


いや、ドラゴンになっても精神力高いなオイ!

あと、■のスキルは継続して持てるのね…………


「それより嬉しいこと!人間時代では手に入れれなかった雷魔法!ありがとうございます!!!」


……はぁはぁはぁ…………疲れた……


「……取り敢えず、神からのお知らせ♡を見てみるか」


ポチッとな。


『お、これ繋がってる?繋がってなかったら恥ずかしいな……ゴホンッ!元気にしてたか?お前を転生させた神だ』


おお、いつもの神様。なんでこうなったの?


『うん。どうせ今、画面の向こうでテンパってるだろう。だから説明してやる。お前は…………………死んだ。一度死んだんだ』


やっぱりな。


『そしてお前はドラゴンに生まれ変わった。別に俺はドラゴンに生まれ変わるように変更したわけじゃない』


ん?俺はドラゴンに生まれ変わる運命だったと?


『お前は遅かれ早かれ、ドラゴンに産まれる予定だったんだ。けれど、俺はその時期をずらした。本来、お前は生まれ変わるのは当分先だ。それを俺が無理して変更したってわけだ…………ちょっと生命持ってかれたけどね』


生命持ってかれたんかい!!……なんで、そんな事をしてまで俺を転生させたかったんだ?


『いや〜、これも神々の事情があってさ……とにかく!頑張ってドラゴンの人生をすごしたまえ』


「え、これで終わるとか無いよね?これで終わったらキレるよ?」


『冗談冗談だ……まぁ、ドラゴンの人生を過ごしてもらうのは当然だが』


当然なんかい!!


『けど、人間の人生に戻りたいだろう?……一つだけ当てがある。ドラゴンはな……進化過程で、前世の姿に戻れるんだ』


え、マジで?


『マジマジ。大マジ。だから、頑張って成長してくれ』


この一言で、神の話が終わった。


……取り敢えず、人間に戻るには、成長していったら良いってわけね。


「よ〜し!ボルトを鏖殺するために、頑張るか!!!」


ボルト!拷問!ボルト!拷問!ボルト!拷問!ボルト!拷問!


そして俺の、新たな人生…………いや、竜生が始まった。

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