第75話 え、名前終わってんね。



「……ウワァ…………こんなんじゃあ地下室への扉を見つけるのも一苦労だ」


やっぱり建物ごと爆破はいけなかったかな?建物を爆破した轟音で周りの魔物や動物は逃げてったしね。


「……あ!あった!」


建材に埋もれて分かりづらいが、マンホールの様な入り口だな。


「……よっと」


……おお!金目の物がザックザクだ!!


…………ん?奥にも部屋があるな……


「…………おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!大量の金だ!!」


もしかして…………10億ドアルはあるんじゃないか!?


「十億円、十億円、十億円…………」


いや、農家のおっちゃんが言ってたのは、金目の物だよな……もしかして、この金は別の方法で手に入れたのか?


「…………よし。じきじきに俺が貰っておこう」


うん。盗賊の遺品を引き取っただけだからな。うん。問題はない。無いったらない!!


「よし。金目の物は取り敢えずマジックバックに入れといて……帰るか!」


俺は、盗賊団のアジトを後にした…………あ、勿論お金は根こそぎ貰ったよ?





ーーーーー





「農家のおっちゃ〜ん!!」


「おお!これはこれは。レオン様じゃないか。どこに行ってたんだ?」


「え、決まってんだろ?盗賊団のアジト潰してきた」


「ああ、潰してきたね。ですよね、普通潰して――――ッ!!ええ〜!?潰してきた〜!?…………本当ですか?」


うるさいな〜。コンナ反応されるの久しぶりだ。


「まぁな…………はい、これが証拠」


俺は、大量の金品を取り出した。


「おお、これはボットさんが盗賊団に奪われた巻物。

ああ、これはサミシさんが盗賊団に奪われた宝石。

ええ、これはキリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんが盗賊団に奪われたパンティー!!」


え?この村にはキリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんって言う人が居るの?しかもパンティーを盗まれたって何?その人女なの?名前終わってない?

何だよ、キリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんって。


あれ?意外と言いやすいな。


「キリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんが盗賊団に盗まれたパンティー」


「キリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんが盗賊団に盗まれたパンティー」


「キリマンジャロ・モコミっチ・メロンゴリータコンプレックス・アントニオントスイッチ・ペンタゴンさんが盗賊団に盗まれたパンティー!!よっしゃぁ!!言えた!!」


「……………………」


農家のおっちゃんが冷ややかな目で見てきた。


…………ハハッ


「え、今これ何の時間?」


「アンタが変な空気にしたんだろうが!!」


…………テヘ♡





ーーーーー





「いや〜、コンナ事があったんだな〜」


「いやホント、おかしい日でしたよ」


俺は今、農家のおっちゃんとお茶をしている。


「所でおっちゃん。の働きはどうだ?」


俺はギルファに頼んで、俺たちと一緒に脱獄した数千人の内、農業や家の守りなどで使える人を探して、ここに送り込んで貰っているのだ。


「ああ!皆とってもよく働いてくれています!!……しかも皆とても強いですよ。それも一個の街は落とせそうなぐらい…………たまに、近づいてきたことが分からない時があるんですもん」


だよね〜。だって皆暗殺者の訓練をしていたからね?そりゃあ強いよ。

最悪、弱い国だったら落とせると思うよ?


「まぁ、順調ならそれで良いよ…………あ!もうこんな時間だ!!じゃあおっちゃん。学校行ってくるわ」


「おう!行ってらっしゃい!!」


やばいやばい!今日は、1秒でも遅れただけでネチネチ言ってくるネチコ先生の授業だった!!


俺は急いで学校へ向かった。



ん?結局俺は間に合ったのかって?


当然…………『私は授業に遅刻してしまいました。もし分けございません』という看板を背負って、外周を一時間走っていたよ。

しかも途中、ボルトに煽られてムカついた。


…………まぁ、だからアイツのカバンをバレないように燃やしてやったが。



「はぁはぁはぁはぁ…………よし。やっと終われる」


いや、こういうのは本気で走るんじゃないね。死んでしまう。


「…………はぁはぁ……レオン大丈夫?はい、水」


「……おお、サンキュ」


ああ、こんな時にも駆けつけてくれるセラ、マジ天使。


「……はい、タオル」


「……おお、アテネ。あんがと」


アテネもタオルを届けてくれた。マジ天使。


「アテネ〜?さっきの授業何だった?」


「裁縫の授業だった。先生より上手く出来たから先生がキレてた…………更年期?」


「ハハッ、そうかもね」


……うん。ウチのセラとアテネは仲がよくて良かった〜。


こういう二人は揃ったら、大抵、二人で異性を取り合うんだが……仲が良くてなにより!!


べ、別に、僕の為に修羅場になってほしいなんて思ってないからね!?勘違いしないでよね!?


…………はぁ、何やってんだか。


「……ねぇ、レオン?」


「何だ?」


「私達は今からこの校庭で授業だけど…………レオンは?」


「……あ!!」


そうだ!今日はネチコ先生の授業は二時間連続だったんだった!!


「ごめん!じゃあね!!」


ヤバい〜!急がないと!!


俺は急いで教室へ向かった。



ん?結局俺は間に合ったのかって?


当然…………50キロの重りを付けて外周を一時間走っていたよ。


途中、ボルトに石を投げられたが、この50キロの重りを投げたら気絶した。

いや、意外と面白かったよ?なんか、白目で動かないんだもん。


「……はぁはぁはぁはぁはぁ…………終わった〜!!」


いや、50キロは重すぎますって。軽く数回は死んだよ?


「次の時間は…………あ!そうだ!次の時間は模擬戦の時間だったな…………」


「「……大丈夫?レオン?」」


「……ああ、大丈夫だよ」


セラとアテネが一緒に来てくれた。


「この後は、学年での模擬戦でしょ?戦う相手は決まってるの?」


「決まってると言うか……強制的にアイリーンと戦うことになるだろう」


なんか、本当は自由に相手を選べるのに、アイリーンと強制的に組まされるんだもん。


「……それが……アイリーン。今日休みらしいよ?先生に聞いたんだけど、今日のレオンの相手はラシード・ベラスらしいよ」


ラシード・ベラス。


アイリーンや、ボルトと同じ、戦四家の一つ。


あの大会で居たイケメンだな。


「しかも…………なんか、レオンの事を恨んでるらしいよ?」


ん?俺の事を恨んでる?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


戦四家


アイリーン・ドノトス

ボルト・ザブル

パルミラ・ウィブル

ラシード・ベラス


が居る、ドノトス家、ザブル家、ウィブル家、ベラス家の四家。


腕っぷしで侯爵までのし上がってきた人たち。

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