第74話 撲 滅 !
「ちょっと待ってろ……今、茶を持ってくるから」
「ど〜も」
俺は、農家のおっちゃんに気に入られ、家まで連れて行ってれた。
「……はい、どーぞ」
「お、ありがと」
いや〜、家のせいで、高いお茶に慣れたけど、こういうお茶も好きなんだよなぁ〜。
ああ、良い麦茶だ。
「…………それで、なんであんなチンピラ達に襲われていたんだ?」
「……それがな…………」
農家のおっちゃんは、話しを始めた。
あれは、数日前の事だった。
ここら辺は比較的、安全な所だったんだが、そのせいで皆、慢心してしまった。
そこにあの、チンピラ……いや、盗賊達が俺たち、農家を襲撃したんだ。
「おりゃあぁぁ!!金を出しな!!」
「それと収穫した物全部な!」
ここら辺は安全だったため、皆盗賊の対策をしていなかった。
俺みたいな村外れにある家は被害は出なかったが、お前達が居る街に近い家の人たちは完全に盗賊達の支配下にあった。
そして数日したら、盗賊たちは村外れの家にまで押しかけてきたんだ!
俺たちはビクビクしていたよ。
けれど、反抗したら、家も、畑も荒らされる。
反抗しなかったら、作物や金目の物は取られるが、家も畑も家族も無事だ。
だから皆は大人しく従っていた。
けれども俺は家族も居ない。家だってオンボロだ。また立て直せはいい。俺にあるのは畑だけ。しかも金品取られたら、晶石農家は終わる。一個作るのに大量のお金がかかってるからな。
だから俺は反抗したよ。
そしたら……
「そうか。俺達に反抗するのか…………やれ」
「「「は!」」」
「……何する気だ?…………おい!辞めろ!!」
アイツらは何をしたと思う?
畑に火を付けやがったんだ!
……そして俺の畑は……………昔の見る影もない。
「……ああぁぁ…………」
「オイ、おっさん。また燃やされたくなかったら言うこと聞くんだな」
「……分かっ――「大将!仲間がガキに襲われたそうで!」……」
「は?ガキに襲われた!?……俺たちはそんなに弱かったのか?」
「い、いえ。そんな事は…………」
大将と呼ばれる男は、苛ついたのか、手下と思われる男を殴った。
「……おっさん。急用が入った。また今度手下にこさせる」
「……………………」
俺は取り敢えず、そのガキのおかげで助かった。
…………数日後、またアイツらがやってきた。今度は手下だけでな。
「…………それからはアンタの知ってる通りだ」
「…………」
あ、そのガキ…………俺だわ。
いや〜、何かきのこ狩りをしていると、変な盗賊みたいなヤツが襲いかかってきてな……思わずボコボコししてしまった。
「……取り敢えず、その大将って言うやつをボコボコにしてきたら良いんだろ?」
「辞めとけ!その大将はとてつもなく強い!お前がさっきふっとばしてた盗賊の何倍……いや、何十倍も強いんだぞ!?」
「フ〜ン…………強いね…………」
…………なぁ、こんな所に、頭領より強い盗賊が居ると思うか?
もし居たとしたら、ケインに報告したら良いだけだしな。
頭領の時と違って、別に俺が倒さなくちゃいけない訳ではない。
「…………お前、俺に仲間になってほしくて来たんだよな?」
「ああ、そうだが?」
もしかして……仲間になってくれるのか?
「お前が来たのは裏口だ…………ちょっと付いてこい」
農家のおっちゃんは重苦しい雰囲気で言った。
「……分かった」
取り敢えず、ついていくか。
ーーーーー
「―――――――ッ!!!…………これは……ひどいな」
俺の目の前には…………荒れた大地があった。
潰れている果実。
灰になっている植物。
無造作に穴を開けられた土。
それはもう、農業なんてできる土地じゃ無くなっていた。
「……なぁ、この状況でも…………俺に仲間になって欲しいと思うか?」
「…………なあ、もし、ここでまた農業を始めようとしたら、どれぐらい時間がかかる?お金の事は一旦考えなくていい」
「…………そうだな。まず、土から新しくしなくちゃならない。俺の農業魔道具も壊された。それの買い直し。そして防衛の強化。とにかく、一人でするなら………ざっと5年近くかかるな」
「……五年…………ん?一人でするなら?もし大勢で出来たらどれぐらいの時間でできる?」
「……大勢か………もし、数百人も居たら一ヶ月以内にできるだろうさ」
「……数百人ね…………」
流石に数百人は無―――――ッ!待てよ?いたじゃないか!俺と一緒に戦ってくれた数千人が!!
「数百人なら用意できる。勿論金もだ」
「ホントか!?……それなら本当に一ヶ月でできるぞ!?……ただし、あの盗賊達が襲ってこなかったらの話しだがな」
盗賊ねぇ…………
「なぁ、アイツらの居場所は?」
「だからアンタ見たいな子供が行ったらアブな―――――ッ!!!」
俺は、魔法で近くにあったとてつもなく大きな岩を壊して見せた。
「……アイツらの場所は?」
「…………あの獣道を一キロ近く行った先だ」
「サンキュ」
一キロ……意外と近いんだな。
俺は、走ってその場所へ向かった。
ーーーーー
「……ん?誰だお前?ここに何のようだ?」
……意外と近かったな。一分もかからず付いてしまった。
「……大将と話しをさせろ」
「はぁ〜!?お前みたいなガキが大将と話せるわけないだろ?」
「だよな〜知ってた」
逆にそれでとうしてくれたら奇跡だよ。
「……それじゃあ、強行手段を…………爆炎豪槍!!」
「グハッ!!」
…………あらら。
「いや、まさか…………入り口ごと壊してしまうとはね…………」
……うん。この壁がすぐに壊れてしまうのが悪い!!
……ん?この壁、ホントに弱いな。
もしかして盗賊が適当に作った建物なのか?
「……そうだ!!良い事思いついた!!」
ここの撲滅の解体作業を一気にできる方法が!!
「…………なあ、お前達が皆から奪った金目の物。どこにかくした?」
「そ、それは地下室に!!」
ビンゴ!!
それじゃあ早速、実行だ!!
「最大火力で…………ファイヤーボム!!!」
威力重視にしたため、とてもゆっくりと……建物に近づいた…………
…………ゴオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!
「フッ、汚ぇ花火だ」
俺は建物ごと吹っ飛ばした。
「……よし!地下室で金目の物漁るか!!」
俺は、地下室へと向かった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
クソどうでもいい話!!
前話でレオンが吹っ飛ばしたチンピラは、この盗賊団の創設メンバーだが、唯一、幹部でもない可哀想な人
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