第66話 大会開始!
へ〜、森の中で開催されるって聞いたらか質素なものかと思ったら、意外と豪華なんだな〜。
俺がそんな事を思ったのを察したのか、ビートが
「ここは貴族や、高位の騎士が使う場所なので、元々豪華な家が建てられてるのですよ」
「へ〜」
そんな凄いところなのか…………
俺がそんな事を思ってると……
「邪魔だ!チビ!」
「クッ…………」
誰だ?チビって……俺は同年代から見たら身長は高い方だぞ?
「……あれは、ザブル家のご子息ですね。一応侯爵家の人達です」
へ〜、侯爵家ね…………
「お前、あの英雄の息子だろ?なんでここにいる?」
侯爵だから、一応敬わなくちゃいけないよな……
「……私、今アイリーン……様の師匠をしていまして…………」
「ブッ!!」
俺がそう言うとザブル家の奴が吹き出した。
ん?どうした?
「お、お前がアイリーンの師匠な訳ないだろwwアイリーンは、ドノトス家の最高傑作とも言われてるんだぞ?」
へー、アイリーンってそんなに凄いやつだったんだな。
それにしては俺に負けてるな。
「口を挟んで申し訳ございませんが、事実でございます」
おお、よく言ったビート!
流石に、ビートの言葉は信頼したのか
「……フッ、アイツも最高傑作とも言われてたが嘘だったんだな。コンナ奴が師匠だなんて程度がしれている」
……コイツ、性格悪いな。
アイリーンよりも弱い癖に。
「……アイツ、殺しましょうか?私とギルファの力を合わせたらバレずに殺せますよ?」
「いやいや、やめとけ」
怖い怖い。侯爵家の息子をバレずに殺せるだなんて異常だな。
「……この国には武力でのし上がった4つの家があります」
「ああ、前聞いたな。それ」
アイリーンの父親が言ってたような……
「その四家には特徴があります。
まず、ドノトス家。これはアイリーン様の家ですね。明るくて、活発的な人が産まれると聞きます。剣を扱う家です。
そして、ザブル家。これはさっきの奴の家です。性格が悪いやつしか居ません。剣を扱う家です。
次はウィブル家。ビビリな人が産まれます。魔法の一家です。
最後はベラス家。クールな人達が産まれます。魔法の一族です」
「へ〜」
ザブル家って性格が悪いやつしか居ないんだな。絶対嫌われてるじゃん。
あと、出会ってないのはウィブルと……ベラス家か。クール?どうせイケメンだろ?顔面殴って変形させるか。
俺がそんなしょうもないことを考えていると後ろから声が聞こえた。
「あの〜……レオン君ですか?」
「……ん?そうだけど…………」
誰だろ?このビクビクして、ちっちゃい女の子は……あ!もしかしてウィブル家の人?
「わ、私、パルミラ・ウィブルと言います!」
「あ、やっぱりウィブル家でしたか」
なんか……臆病と言うより…………コミュ障って感じだな。
人と喋る時、おどおどしている。
「……パルミラ、ここに居たんだな」
パルミラの後ろから、透き通った声のクールなイケメンが現れた!
イケメン!許すまじ!
「あ、ラシード君……」
ほう、アイツはラシードって言うのか。
イケメン!許すまじ!
「……コイツは誰だ?」
「……レオン・ドラグノフと言います。アイリーンの家庭教師をしています」
「……ほう、アイリーンの家庭教師か」
クソッ、透き通った声しやがって!
イケメン!許すまじ!
「お前、何歳だ?」
「6歳ですが?」
何か?
「ふむ、同年代か……それにしては力が…………いや、気のせいだろう。もしそうだとしてもアイリーンの家庭教師ということで腑に落ちる」
ん?どうした?独り言か?……もしくは、俺の力に感づいたか……あ〜!力を隠す訓練をしとけばよかった!……後でイオさんに習お。
「皆様!もうすぐ始まりますので、準備をしてください!」
「……よし、行こうか、パルミラ」
「うん」
二人共、真剣な顔つきになった。
「なんで二人共こんなに真剣なんだ?」
俺は二人には聞こえない声でビートに聞いた。
「多分、親達に期待されてるのでしょう。…………もしくは、魔物との戦いで怯えているとか」
「ん?怯える?二人共、魔物と戦ったことがあるような顔つきだったが?」
「……知らなかったのですか?ここは強い魔物が出やすんですよ?さっきも簡単にゴブリンの集落に着きましたよね?」
そういう事、早く言えよ〜!!
そんなヤバい所に二人で行かなくちゃいけないの?面倒くさいんだけど?
しかもアイリーンとか……俺はあの、ラシードって言うやつと行きたいよ。慎重で真面目そうだし。
「あ、レオ〜ン!!こっちこっち!」
遠くからアイリーンが声をかけてきた。
「よし、行くぞ。ビート」
「……………………」
俺がそう言ってもビートは着いてこようとしなかった。
「ん?どうした?」
仲良く三人旅しに行こうぜ?
「……申し訳ない知らせがあるのですが……………………これ、アイリーン様とレオン様。二人で行かなくちゃいけません」
「え……ええええぇぇぇぇぇぇぇ〜!!!?」
マジか…………
「早く行こ!レオン!」
オイオイ、引っ張るな、アイリーン。ぶっ飛ばすぞ?
…………いや〜、ここに来て知ることが多いな。(なお、二人で行くのは事前に言われていたけど忘れている様子)
「……なぁ、アイリーン。作戦はあるのか?」
まぁ、期待してないが。
「あるに決まってるでしょ!」
「おお、あるのか!?」
アイリーンが策をねってくるなんて…………いつの間にそんな成長したんだい?お父さん嬉しいよ…………
「作戦は…………手当たり次第ぶっ飛ばす!!」
「……それは作戦とは言えねぇんだよ!!」
作戦じゃあないじゃねぇか!
期待して損したよ……
「まもなく開始です!」
10
9
8…………
司会の人のカウントが始まっていく。
「なあアイリーン?」
7
6
5…………
「ん?どうした?」
4
3
2…………
「絶対に突っ走るなよ?」
1………
「レオンそれって…………」
「大会!開始!!!」
「フリ?」
「――――――ッ!!」
司会の人が開始の合図を出すと、アイリーンが突っ走っていった。
「あ!ゴブリンキング!!」
はぁ!?もう、ゴブリンキングと出会ったのか?
この森、レベル高いな…………
「おい!手を出すなよ!!」
「大丈夫!1分以内に片付ける!」
アイリーンがそう叫んだ瞬間、アイリーンの後ろからもう一体のゴブリンキングが出てきた。
「「「アイリーン!!」」」
俺、
パルミラ、
ラシードがそう叫んだ。
「あ、ヤバッ…………」
クッ!
「邪魔だ!」
俺は、そう叫ぶのと同時に、ゴブリンキングをぶっ飛ばした。
「「「「――――――――ッ!!!」」」」
俺がゴブリンキングを一発で倒した所を見て、俺たちの事を見たいた全員が目を丸くした。
……俺…………やっちゃった?
「チッ、行くぞ!アイリーン!」
「わ、分かった!!」
この視線には到底耐えきれなさそうなので、この場を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます