第62話 フンッフンッフン〜♪



「フンッフンッフン〜♪」


俺は今、優雅にティータイムを満喫している。


……ん?何故かって?


当たり前だろ!?なんてったって今日は……家庭教師が無い!!

そして俺はセラと街で遊ぶんだ!


「早く昼にならないかな〜」


俺が優雅にティータイムを満喫していると、部屋の外から足音が聞こえた。


コンコンコン………………


「ん?誰だ?」


もしかして盗人か?


でも、俺の考えは杞憂に終わった。そこには、パジャマ姿の使用人長がいた。


「……レオン様。五月蝿いですよ……まともに眠れないじゃないですか…………」


「別にいいだろう?ティータイムを満喫したって!」


俺の自由じゃないか!


「……今、夜中の3時なんですよおおぉぉぉぉぉ!!」


……あれ?


…………今日が楽しみ過ぎて、ちょっと早く起きてしまったようだ。


テヘ♡


俺は暇なのでセラとのデートまで、森で時間を潰す事にした。





ーーーーー







《熟練度が一定に達しました。努力|7⇨8になりました》


「よっしゃぁ!!やっとレベルが上がった!!」


いや〜、ホントやばかったよ?7から8に上げるまでレベルが1000も必要だったんだもん。

スコットがくれた薬品γがなかったらこんな奇跡起こらなかったんだろうな…………


スコット!マジ感謝!


「よし、今日はこれぐらいで帰るか……」


魔石もいっぱい手に入ったし……


「よし、コドンに渡してセラとのデートに急ぐか」


俺が取った魔石の使い道は二つに分かれる。


商業ギルマスのおっちゃんに売るか、

コドンの研究材料にするか。


けどな〜、コドンに渡してもすぐ壊すんだよな…………何度行っても、俺が渡した魔石の破片が落ちている。


普通ならコドンにわたさないだろうが、何故かコドンには凄い才能を感じる。ケイン、アイリーンと同様に……


「今回は……おっちゃん6割ぐらいで良いか」


六割売ってもいい値段になるだろう。10にはなるか。


…………ん?10万ドアルは何かって?


説明してなかったな。

この世界のお金について説明しよう。


お金の種類は

鉄貨

銅貨

銀貨

準金貨

金貨

準白銀貨

白銀貨

で、金額が上から、

10 ドアル

100 ドアル

1000 ドアル

1万 ドアル

10万 ドアル

100万 ドアル

1000万 ドアル


になる。

十万ドアルって事は金貨一枚相当の値段だな。


全く、今まで金貨一枚とか、準白銀貨一枚とか……言いづらいったらありゃしないよ。

なんで今までこの数え方を導入しなかったんだろうねぇ?


『グハアアアァァァ!!』(作者の心にクリティカルヒット)


「…………ん?何か聞こえたような……?」


『き、気の所為です……』


そうか、気のせいか。

最近、疲れてるのかな?

よし、セラ成分を養おう!


……あれ、俺って精神年齢はもう20歳なんて軽く超えてるよな?

それで6歳児が好きだなんてもうロリコn…………


いや、考えるのはやめよう!多分、オレの中に5歳児の自分が隠れているんだ!

うん、そうだ。そうしよう。


オレは現実から逃げて、コドンのもとへ向かった。





ーーーーー





「いや〜、いつも良質な魔石を取ってきてくれてありがとね」


「いや、お金に困ってないから別にいいんだけどさ……コドン。何かいい物は作れそうか?じゃないとオレの魔石の無駄なんだが?」


流石に無駄になるならおっちゃんに売るよ?


「そんなに焦るな。私は今、とんでもない装置を作ってるのだよ!」


「ん?とんでもない装置?」


何だそれ?


「その名を、多重防御結界装置!」


「多重防御結界…………何ができるんだ?」


なんか仰々しい名前何だが?


「レオン、君はいずれ強大な敵と戦うだろう。それが明日かも知れないしね。私はそのためにいざとなったらレオンを守れる物を作ってるのだよ!」


「ほうほう。何かオレに危機が迫ったら俺を守る結界が出てくる的な?」


「そうだな」


意外と俺の為に物を作ってるんだな……


「……まぁ、まだ全然完成はしていないが」


「そっか。気長に待つとするよ。邪魔したな。俺はセラとのデートに行ってくるぜ!!」


ヒャッハー後ちょっとで待ち合わせの時間だ〜!


「ハハッ、ホント君らしいね〜」


そうだろう?…………ん?


「「……ん?君らしい?」」


俺が疑問に思うのは分かるが、何故言った本人がビックリするんだ?


お前が君らしいと言うほどつるんでいないような気もするが……


「なんで私、君らしいって言ったんだろうねぇ?」


コドンは本当に疑問に思ってそうだった。


「さぁ?俺にもわからない」


俺は一つの疑問を残してセラの元へ向かった。





ーーーーー





俺は今、セラとの待ち合わせ場所に全力で走っている。


勿論、身体強化を使っているぞ?


道を歩く大人が目を丸くしてこっちを見てくる。

そんなに速いかね?


俺がそんな事を考えていると、少し遠くで見えづらいが、セラが居た。


「セラ〜!……はぁ、はぁ、はぁ…………待った?」


俺がそう言うとセラは


「ううん。全然!」


にっこり笑った。


良かった〜、遅れなくて!


今、俺たちは気づいていないが、約束時間の1時間以上前に二人とも到着している。


「それじゃあ、行こっか」


「うん!」


何かいいとこあるかな〜。


俺がそんな事を考えて市場を回っていると、市場の奥から大きな野太い声が聞こえた。


「今、的あてをやっていま〜す!一等はなんと!この国で一番売れていると言われている宝石店のネックレスです!ニ等以下もいい商品ですので、ぜひ、お越しください!!」


「レオン、奥で的あてやってるみたいだね」


「行ってみるか?」


「うん!」


よし!一等取ってやる!


「お、おチビちゃんたち。的あてをしにきたのかい?」


「そうだな」


「よし。一発の参加料は500ドアルだ」


……意外と高いな…………まぁ、普通に足りるが。


「ヘヘッ、まいどあり!それじゃあ説明するぜ?賞品は当てた的によって違う。一等の的に当てたら一等ゲット、ニ等の的に当てたらニ等ゲット。そんな感じだな」


「……わかった。それじゃあ一等で」


そう言った瞬間、的あてをしようとしている人がざわざわし始めた。


「うわ、あの子。ここに住んでいて、ここの一等の獲得率を知らないのかしら?」


「ここの一等は絶対に当たらないって有名だしね……」


何だ?そんなにここの一等は当たらないのか?


「いいだろう、おチビちゃん!この弓をやるからあの的めがけて撃っちゃいな!……どうせ当たらないと思うが……」


オイ、店主がそんな事言ったらダメだろう?


「当たらない…………か」


それは普通の人の話だろう?


「どうしたガキンチョ?撃たないの……か?」


店主がそう、煽ろうとした瞬間、


そう、的が。


「それじゃあ店主。一等の賞品、もらっていくぜ」


「あ、ああ…………」


俺は店主から一等を取り、その場を後にした。


「レオン、凄いね!さっすがレオンだよ〜!」


「……このネックレス、セラにあげるよ」


「え、私に!?」


「そうだ。受け取ってくれるか?」


「…………う、うん!絶対、大切にするね!」


セラは満面の笑みで言ってくれた。


「それじゃあ、行こっか!」


「うん!」


俺たちは、


面白そうな雑貨屋さんを見たり、

美味しそうなお店で一休みしたり、

闘技場で戦ったりした。


「ハハッ、レオンには勝てないや」


「いや、セラも相当強いぞ?」


セラのステータスには防御魔法って言うのがあったしな。

まぁ、レベルは0だったが。


俺たちは気づいたら、日が暮れるまで遊んでいた。


「セラ、家まで送るよ」


「いや、大丈夫。ちょっと寄る所があるから、先帰っといて」


「……分かった」


そして俺は家へ帰った。





ーーーーー





〜セラ視点〜


「今日は楽しかったな……」


レオンが高そうなネックレスをくれたり、

一緒にお茶したり、

戦ってくれたり。


やっぱりレオンは強くて、かっこよかったな…………


「でも、私はこんなに幸せじゃいけないよね…………」


だって私は…………………汚らわしい血を引いてるのだから。

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