『精神力』が異常な俺が最強になるまで

第61話 『聖獣』とは

「ギルファ、なんでここに？」

「あら、二人はお知り合いで？」

「ああ、知り合…………」

いや、暗殺者の所で知り合いましただなんて言えないよなぁ…………

どうしよ？

「つい最近町中でお会いしましてね……それで仲良くなったのですよ」

「ほ〜！こんなに強い知り合いを手に入れるだなんて流石ですねレオン様！」

「そうだろう！……ん？強い？」

……いや、強いのは分かるよ？もしかしてギルファの事を強さで選んだ？

「はい、ギルファはとても強いのです！最近レオン様の執事を掛けて町中の大勢の人が戦ったのですが、ギルファが優勝しましてね……経歴にも異常がなかったので採用したんです」

「経歴に異常がなかった……ね…………」

いや、異常しか無いと思うよ？暗殺者って言う時点でもう異常でしょ？

多分ごまかしたんだろうな……国の英雄の使用人長を誤魔化せる技術持ってるってヤバいね。敵には回したくない。

「それじゃあ私達はこのへんで……ケイン様に『レオンには自由にさせろ！』と言われているので…………その二人の役割はレオン様が決めてください」

「え、俺が決めるの？」

「はい」

使用人長がそう言うと使用人たちは続々と帰っていった……

「…………」

「…………」

「…………」

キッまず！！いや、気まず過ぎん？

ギルファはいつもの感情を隠している顔。

ビートはなんか不満そうな顔をしているし……

……仕方がない。俺が話すか。

「……ビートと言ったな。お前は何ができる？」

「私は主に事務作業ができますね。経営学、心理学、領地運営などなど……色々な事を学んできました」

「……優秀だな…………」

多分、本当にエリートなのだろう。これはなんとしても俺の陣営に加えたい。

まずはこの不満そうな顔を治すか。

「ビート、お前に見せたい物がある」

「……なんですか？」

多分こういうタイプはプライドが高い。

完全に俺の事を下に見ている。

勉学の事も、

武力の事も。

「俺のステータスを見てくれ」

「ステータス？それが何か――――――ッ！！？」

こういう時は力の差を分からせないとな。

「俺は、はっきり言うぞ。俺はお前より上だ」

「――――――ッ！！」

ビートの顔がこわばっていくのを感じた。

けれども俺は話を続ける。

「……そんなに怯えるな。別に取って食おうとしているわけじゃない。ただ、お前がどの陣営に着いたほうが良策か、考えてほしいだけだ」

「…………そうですね」

……何か空気が悪くなってきたな！

「よし、もう暗い話は終わり！……あとビートに渡したいものがあってな」

「なんですか？」

テッテレッテテ〜！

「守護人のお守り〜！」

「守護人のお守り！？」

どうした？そんなに驚いて？

そんなにドラ◯もん風に言ったのがダメだった？

「守護人のお守りって……こんな高価なもの……」

「え、これ高いの？」

イマイチ価値がわからん。

「凄い高いですよ。最悪、白銀貨一枚以上の値段かも……」

ギルファが小声で教えてきた。

え！一千万もするの！？

……まぁ、効果が効果だからな。

守護人のお守り

自分が受けるダメージ10％カット。

※カットできない攻撃もある。

この効果は貴族が保身のためにほしがるよな……

「それじゃあビートは使用人達に仕事を教えてもらってきて」

「分かりました」

そう言うとビートはスタスタと使用人達の所へ向かった。

「…………よし、行ったな」

「行きましたね」

「いや、なんでお前おるん？」

普通に疑問よ？

「この前、レオン様と別れてからずっと調べていたことが分かりましてね」

「調べていたことって――――――ッ！！！？ホントか！？」

「はい」

まじか……俺がずっと知りたかった事だからな……嬉しいよ。

「それじゃあ教えましょう。聖獣について」

「……ああ、教えてくれ」

「…………何故かこの世界は聖獣についての文献が少ないんです」

「ああ、それは俺も思った。この国がいくら聖獣を召喚していないからと言って、流石に資料がなさすぎる。でも、聖獣の事は大半の人が知っている。おかしな話だよな」

流石に不自然過ぎる。

「はい、だから自分は裏の人に話を聞きに行きました……こういう時にあそこでもらった称号は使い勝手がいいですね」

あそこ……それは俺たちが捕まってきた暗殺者の拠点で手に入れた十傑の称号である。

「何が分かった？」

「まず、聖獣が召喚される時、場所に規則性はありません」

「そうか「ただし」……なんだ？」

「とある者が出てくると必ず、聖獣が歴史に居ます」

「とある者？」

誰だ？

「魔王、世界を滅亡に導こうとした皇帝、国を滅亡させたSS級冒険者、大地をえぐった鬼族の王。この世界を危険に晒した者達が登場した時、聖獣は居ます」

「―――――ッ！！……そうか」

もし本当にそうだとしたら……俺の世代に世界を危険に晒す者が現れるってことだ。

俺が聖獣だからな……

「そして聖獣は様々種族がなっています。けれども一つ、レオン様と違う点が」

「何だ？」

「……聖獣になる種族達は…………言葉を喋りません」

「……そうか」

そりゃあそうだよな。

だって聖獣だぜ？聖"獣"だ。普通獣だよな。

「あともう一つ、共通している物があります」

「何だ？」

「それは…………知力が高いに連れ、世界を危険に晒す者が強くなって居ます」

「…………ということは」

……考えたくないが…………

「……はい。人は獣より断然知力がいいです…………今までより断然強力な敵がくるでしょう。例えば……神、とかね」

「神……か…………」

危険な神。一人こころ当たりがある。

「……一つ疑問に思ったんだが」

「なんですか？」

「なんでそんな有力な情報が表に出ていない？」

普通は皆知っているはずだろう？

「それは……聖獣に関わる情報を消している者が居るからです」

「…………誰だ？」

「……それは、サデルダスに居る…………女神です」

「……そうか」

女神、

女神！！！

俺は無意識の内に殺意を出していた……

「―――――ッ！！……レオン様……殺気を……」

「はっ…………スマン……何故、女神は情報を隠していた？」

「それは分かりません……」

……まぁ、大体察しがつく。

困るもんなぁ？お前の前に聖獣が現れたら。

お前だろ？世界を危険に晒す存在ってのは。

なぁ！女神！！

ぜってぇお前を殺してやる！たとえそれが…………神だとしても。

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聖獣の説明回、作りました。＼(^o^)／