第47話 隠し玉



「ふう…………」


爽快な気分だ。こんな気分と裏腹に辺り一帯は血の海だが……


「まさか一人でゴブリンキングを三体も倒せるとはな…………」


倒せない事は無いと思っていたが、まさかを使わずに勝てたのはすっごい嬉しい!


「よし、それじゃあ、何かいい物無いかな〜」


……ほうほう、中々どうしていい物あるじゃないか。


これは?



ゴブリンキングの首飾り


ゴブリン種のステータスを底上げする。



あ、これ、結構レアなんだよな〜!


この首飾り、


ゴブリンの首飾り、

ボブゴブリンの首飾り、

ゴブリンキングの首飾り、

ゴブリンアークの首飾り

……があるんだが、ゴブリンキングの首飾りとなると、金貨5枚以上で取引される。


「よし、持っておこう。いつか脱出できた時のためにな」


金策金策ぅ!


よし、次の階層に行くか!


まだ見ぬ場所へ!





ーーーーー





「ハッ、こんな事無いだろ……」


まだゴブリンなら良かった……ただ、これは…………の集落は格が違う。


ゴブリンの平均ステータスは


300~500


対して、オークの平均ステータスは


1000~3000


以上な事が分かっただろうか?


それにオークの上位種が居たらたまったもんじゃない。

早く帰らないと……パキッ―――――ッ!!


カンカンカンカンカンカン……………………


しくじった!気を抜いてしまって足物の枝に気づいてなかった!


「ゴブっ……?」


「ギュギェエエエェェェェェ!!」


クソッバレた!……囲まれたな。


こりゃぁ…………戦うしか無いか?


爆炎豪槍ばくえんごうそう!!」


「「「ギファアアアアアァァァァァァァァァ!!」」」


クソッ、耐久がゴブリンとは段違いだ!一匹一匹がボブゴブリンレベル……いや、ゴブリンキング並の強さを持つ敵が居るな……


こうなったら!


「鬼門法、召喚!鬼の手!」


鏖殺だ!





ーーーーー





「……はぁ、はぁ、はぁ…………やっと勝てたな」


かれこれ2時間も戦っていた…………五歳にはきついぜ……。


「せっかく集落があるんだし、ここで一晩休んでいくか」


オークの集落は、弥生時代の建物に似ているが、やはりオークが大きいためか、家が大きめに作られている。

これはゆっくりして寝られそうだ。


それじゃあ、おっちゃんが見積もってくれたアイテムを披露しよう!


害〜虫〜障〜壁〜機〜!


これは魔物から身を守る物ではないが、蚊などを寄せ付けない代物だ。

このに、をはめて…………おっと、色々説明不足だったな。


ます、魔道具とは、

簡単に行ったら、魔法の道具だ。電池の代わりが魔石だと思ってくれたら良い。


次に魔石。

これは魔物の核になる物だ。

人間で言ったら心臓になる。強度は心臓の比じゃないぞ。

さっき倒したゴブリンキングの魔石は高く売れるぞ!……まぁ、地下では使えないが。


よし、害虫障壁機設置完了。これは金貨数枚で買えるぞ。意外とお手頃だった。


それじゃあ、オークの家に入るか…………


「失礼しまーす」


何があるかな〜。


「おお!なんか昔にタイムスリップした感じだ!」


まさに弥生時代って感じだな!

外にも高床倉庫あったし……


「ベットもでかいぞ!」


ヒャッホーイ!!おお!もしかすると地下の上棟のベットよりフカフカ何じゃないか!?……そうそう、上棟とは、俺が今住んでいるとこな?


「よし、寝るか!」


今日はよく眠れそうだ。





ーーーーー





「ふわあああぁぁ…………朝かな?」


今の時間は分からないが多分朝だろう。


「うん。取り敢えず魔物の気配なしっと」


おかしいな……昨日倒した中で強いやつはボチボチと居たが、リーダー格の奴が居たと言われればそうじゃないな。


「ちょっと、探索して見るか」


何か発見できるかも知れない





ーーーーー





「う〜ん、なにもないな……」


唯一見つかったのは下の階に繋がる階段のみ、後は他の家よりちょっとだけ豪華な家がちらほらと……多分ここは王様がいない集落だったのかな?


取り敢えず下に行ってみるか!


俺は下へ続く階段に向かった。


……………………ん?何か階段がいつもより何か違うな…………


いつもは明かりがなかったが、今度は明かりが設置されている……もしかして、最後の階層か!?


「やった〜、最後の階層には宝箱があるとか、無いとか……そういや、宝箱ってどうやって設置しているんだろうな?」


この世界は不思議な事が多いな……


「………お!宝箱があった!」


よっしゃ!宝箱だ!


……その時だった。咄嗟に異変を感じ取った俺は横を見た。するとそこには…………もうちょっとで俺の首を跳ねるであろう、槍があった。


「―――――――ッ!!」


キイイイィィィィィィィィン……………………


金属と金属が交わる音がした。


……危なかった。もうちょっとで首を跳ねられる所だったな。

……コイツは…………オークか?……いや、タダのオークとはオーラが違い過ぎる。



種族 オークキング

レベル19


HP  6932

MP  3846

筋力  5935

耐久  6284

魔力  3295

速さ  5296

知力  3000

精神力 5000

2


スキル

槍術|6

土魔法|5

王の覇気|6

気配隠蔽|2

HP自動回復|4

火耐性|2

土耐性|6

風耐性小|5

斬撃強化|3


称号

『オークを統べる者』



こりゃあ、死ぬな……


身体強化

視覚領域拡張

感覚領域拡張

思考加速

鬼炎化    

鬼剣     発動!


「さあ、かかってこ―――――――ッ!!」


気づいたら俺は、壁に打ち付けられていた。

……いや、気づいたらじゃないな。俺はこのオークの動きを見れていた。

それでも、回避できなかったのだ。コイツが強すぎたから。


「フッ、何気を抜いてんだ俺……勝つぞ!お前に!」


烈天!


「チッ防がれた――――ッ!!速すぎだろ……」


どんなに必死に避けても少しは当たる……流石速さ5000超え……


「それなら!鬼門法、召喚!鬼の手!」


死んどけカス!


「グッ…………」


お、効いたか!?


…………そこには、無傷のオークがいた。


いや、無傷では無いな。確実にダメージは通ってる。ただそれがあまりにも小さいだけだ。


クソッ、為す術ゼロか……


それでも、


「鬼炎斬!」


……なんだ、アイツ?口をそんなに開けて?


「GYAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」


「―――――――ッ!!」


何だ?動けな―――ッ!!


「グハッ……」


クソッ、動けないスキに殴ってきやがった……これは、王の覇気か……


俺がこんな事を考えているスキにも、オークはどんどんと俺を殴ってくる……


「……お前……勝ちを………確信している……はぁはぁ……みたいだが…………それは間違いだ……」


服はボロボロ、あたりは血だらけ、もう満身創痍の俺だ。

それでも俺にはこの状態からも、逆転できる技がある。


「久しぶりの対面だぜ…………召喚!!」


「ブギッ?――――――グフゥゥゥ!!?」


俺がを呼んだ瞬間、目の前のオークが吹き飛んだ。


「ヨビマシタカ?ワガマスター」


「……ありがとな、ルーク」


そこには、こころ強い味方がいた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


あ、ルークが分からない人は第二十四話を見てください。

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