第44話 初めてのさつがい。



〜アテネを殴って燃やされた人達のリーダー格視点〜


「あ゛〜!!最悪!!何で私が燃やされなくちゃいけないのよ!?」


女の顔を燃やすなんておかしいじゃない!?


そのせいで夜の店で働くのができなくなったじゃない!!

何が「うちに化け物を置く事はできない」ですって!?

あの店員、ぶっ殺してやる!


……それよりぶっ殺したいのはあのアテネよ!

なによアイツ!私より弱くて可愛くないくせに、いっちょ前に1級の人達とつるんでるの!?あんなカスと一緒に居る1級の人達もどうかしてるわ!!

どうせ体を使って仲間にしたに決まってるわ!あんなガキの体、なにが良いのかしら。


それでも私はアテネぐらい憎い奴が居る!

あのレオンって言うやつよ!なんであんなガキが1級に居るっていうの!?どうせ弱みでも握って1級に上がっただけなんでしょうけど!それに私の顔を燃やすだなんて!?


こんな大やけど、治すのにどんだけかかると思ってんの!?地上でも高いっていうのにここでは5,6倍すんのよ!?


「ああ、ムカムカする!!お前達!あのレオンと、アテネ、ぶっ殺しに行くわよ!!」


「……ホントに俺達だけで殺せるのか?相手は1級だぞ!?」


「何日和ってるの!?相手は五歳よ!どうせ弱みを握っただけの弱っちい奴なのよ。前負けたのは不意打ちをされただけ!」


「「「そ、そうだな」」」


……この時、コイツラは自分が信じたいことしか信じていなかった。もっとその気持を捨てていれば未来は違ったのじゃ無いだろうか?


「さぁ!アイツらを殺しに行くわよ!!」


「ぎゃあああ!!」


「な、何!?」


何が起きているの!?


「グハアアァァァ!!」


「ブファアアァァァ!!」


「な、何が起きているの!?まさか不意打ち!?」


そして目の前で、小さい影が動いていった。


「お前、またアテネに手を出そうとしたな?しまいには俺までも」


「―――――ッ!!レオン!!……様。め、滅相も有りません!私が1級のレオン様に手を出すなど」


「……はぁ。もういい、死ね」


「どうか、どうかお慈悲――――――ッ!!」


そして私は意識を失った。永遠に。





ーーーーー





〜レオン視点〜


「……よし、ゴミを排除できて良かった。手伝ってくれてありがとな。ギルファ」


「…………いいえ。それより、良かったのですか?」


「ん?何が?」


俺は殺した事に後悔してないぞ?


「貴方、人を殺すの初めてだったでしょう?」


「――――――ッ!!」


…………確かにそうだ。


「それを一時の感情に任せて良かったのですか?」


「……俺は、人を殺すのには後悔してないよ。コイツらはどの道、邪魔になる奴等だったし、は人を殺すのに慣れておかなくちゃ行けないからな」


ホント、厳しい世界だよ。


「この世界?……いや、なんでも有りません」


おっと、ボロを出してしまうとこだったね。俺はできるだけ転生者だということはバラしたくないから。勿論、セラにも、アテネにも。


「それじゃあ、帰ろうか」


「……はい、そうしましょう」


俺達は、夜道に消えてった。





ーーーーー





「……んッ…………ん!?」


何故喉もとにナイフが!?


「お、俺が声をかける前に暗殺に気づくとはな。……まぁ、暗殺が終わってるからどのみち死んでるんだけどな。……でも、凄い進歩だぞ!…………流石精神力おばけだな」


あ、そうだ。俺先日から暗殺されてるんだった。

ん?最後の文が聞こえずらかったがまぁいい。


「フンッ!!」


「お、ここでも仕掛けてくるか!」


「チッ」


クソッ、暗殺できたと思ったんだけどな。


「お前、俺がタダのパンチで死ぬわけ無いだろ?せめて鬼炎化ぐらいしないと」


だって鬼炎化したら発動したのバレて事前に殴られるんだもん!


「……それよりお前、約束破ったな?」


「ん?約束?」


そんなのあったっけ?


「暗殺の範囲内は闇市だけにしろって行ったはずだぞ?…はい、お仕置きのパンチ」


「グフッ……」


爺さん、痛いぜ……


そして俺は意識を失った。





ーーーーー





「はぁぁ〜…………今何時―――――ッ!!え、授業の時間過ぎてんじゃん!?爺さん!パンチに力込めすぎだよ!」


超特急で行かないと!


……ああ、こんな時に新技披露すると思わなかったよ!


身体強化

それと………… 発動!


…………お〜メッチャ早い。もう早すぎて林くんだね(意味不明)



鬼風化とは。

鬼化と風魔法を合わせた技である。

簡単に言ったら、鬼炎化の風バージョンと思ったらいいよ。

特徴は、鬼炎化より、断然スピードが速い事。


最初速すぎてよく壁にぶつかっていた――――――ッ!!


「……まさか、壁にぶつかるなんて…………」


恥ずかしい!


「お前!!壁代弁償していけ!!」


「やっべ!」


大家さん?みたいのが出てきた!こういうときは…………逃げ有るのみ!!


「あばよ!大家さん!」





ーーーーー





「……ふう、学校に間に合った」


「間に合ってない!もし間に合ってたら廊下にバケツ持って立ってないでしょ!」


「……は〜い。スミマセン〜」


「……絶対反省の色ないでしょ…………」


反省してないからね!


「もおいい、教室に入りなさい」


「お、いいんすか?ありがとうございます!」


やった〜、室内だ〜。廊下寒いんだよな。だってここ地下だし。


「じゃあ今から、魔法でその鍵穴を開けて下さい」


「「「「「「はい、分かりました」」」」」


魔法で……どんな魔法が良いかな…………


取り敢えず、爆炎豪槍で。


「爆炎豪槍!」


「へ?」


「へ?」


「へ?」


へ?


ばごおおおおおぉぉぉぉぉぉ………………


大きな音が教室に鳴り響いた。


「魔法で開けろって言っただろうがぁ!!なに壊してんだぁ!!」


…………テヘペロ♡

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