第42話 燃やす。
俺の一日は暗殺される事から始まった。
「……おい、起きろ。今お前の事暗殺したからな」
「うぅ……え、暗殺した!?……気づかなかったわ」
ヤバ、なんで気付けないん?全然殺気感じなかったぞ?
「じゃあ気付けなかったバツとして……」
「ウフッ!!」
「腹パンな?」
スミマセン。痛いです。今度はだた眠るんじゃなくて永眠しそうです。
そして俺は意識を失った。
ーーーーー
「……あ〜、寝付きが悪い」
暗殺される夢とか最悪だわ。
「夢じゃありませんよ、レオン様」
「うわっ、びっくりした!」
いつも間にそこに?あとなんで俺が思っている事が分かったんだ?
「……レオン様はまだ、表情に少し感情の変化がありますので。訓練していったら必ず感情を出さないようにできますよ」
へ〜、暗殺者ってそんな事もしなくちゃいけないんだな。……まぁ、質問されてそれが顔に出たらいけないもんな。俺にはそんな事できなさそうだわ。
「……ギルファ、飯食ったか?」
「いいえ?食ってませんけどそれが?」
じゃあ一緒に……
「飯食おうぜ!」
「……は?」
ーーーーー
「いや〜、ここの飯あんま美味しくないな〜」
まだ、地上の店の方が美味しんじゃないか?まったく、こっちは金貨一枚払って居るのに。
「……私なんかがレオン様と一緒に飯を食ってもいいのでしょうか?」
「私なんかがって……お前、昨日までそんなキャラじゃなかっただろ?自分の事俺って言ってたし…………別にいいよ。俺の配下だからって一緒に飯食っていいだろ。早く食わないと飯が冷めるぞ?」
そんな事気にする暇が合ったら訓練するほうがましだっつうの。
「……分かりました」
…………あれ、ギルファの表情が少し柔らかくなった気がするがまぁ……気のせいだろ。
「そういえばレオン様。今日1級になるらしいですね」
「え、そうなんだ」
本人すら知らない情報をどこで?
「……私はある程度ここの人達と繋がっていますからね。情報はある程度入ってきます」
「へ〜。お前武力だけじゃなくて、人脈も凄いんだな」
「……ありがたきお言葉」
「そういうの良いって。もうちょっとラフにしとけよ」
そんなんじゃ疲れるぞ?
「わ、分かりました」
「よし、それじゃあ飯も食ったし、そろそろ授業を受けに行くか」
ーーーーー
「はい、今日新しくこの教室で授業を受ける事になりましたレオンくんです。皆さん拍手を」
パチパチパチ…………
あ〜ら、全然拍手が起こらないじゃない。そんな俺歓迎されてないの?
「……先生、なんでそんなガキが俺達と一緒の1級なんですか!?信じられないですよ」
「「「そうだそうだ!」」」
「ちょっと皆さん、冷静に……」
オイオイ、いきなり喧嘩腰かよ…………
「お前騒ぐのはここまでにしておけって」
「うるせぇ、ガキ!お前なんかどうせ不正をしてここに来たんだろ!」
「ん?それがどうした?」
それ、別によくないか?
「どうしたって……不正なんかしたらダメだろ!」
「なんでだ?どうしてだめなんだ?それと不正ってなんだ?おれは不正なんかしてないぞ?」
「嘘だ!お前は不正をしている!どうせ、ジャックスとエーミールを脅して勝ったんだろ!?」
「それの何がダメなんだ?」
「…………は?」
「もし俺がその二人を脅しているんだとして、それの何が行けないんだ?もしそれが本当なら俺がその1級二人をどうにかできる力が有るってことだ。ここは暗殺者を育てる場所だ。正義も仁義もねぇだろ」
「クッ、…………お前、決闘で勝負だ!お前なんかボコボコにしてやる!」
「決闘?」
なんだ決闘って?
「レオン様、決闘は金を賭けて戦う事を意味します」
あ〜。前、頭領が言ってたやつね。
「いいよ。決闘を受けてやる。その代わり、賭ける金は全財産……な?」
「いいよ!全財産を賭けてやる!」
よし、決まりだ。
「あちゃー、こりゃぁどうしようかね?」
ジャックス、絶対何もするなよ?
ーーーーー
「さあ、始まりました!実況は私、アナが務めさせていただきま〜す!今日、急遽対決するのことになったのはこの二人!一人目はこの男!爆炎のアーク、ハムウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!二人目はこの男!突然現れ、史上最速で1級になった超新星!豪炎の死神!レオンンンンンンン!!」
「お前ボコボコにしてやるよ!」
「フッ、お前名前ハムって言うのな」
もう加工食品やんww
「…………ぶっ殺してやる!」
わ〜おキレちゃった。
「レディ〜ファイト!」
「死んどけ!ファイヤーランス!」
「お、その年でファイヤーランスを使えるのか!将来有望だな」
「これでお前は死「それでもな〜」……あ?」
俺の足元にも及ばないんだよな〜。
「爆炎豪槍」
「グハアアアァァァ!!」
「勝者!レオン!」
「……………………」
うわ〜、メッチャ静まり返ってる〜。そんなに俺が勝つの意外だった?もう実況のアナさんは予測していたと思うよ?
「先生、時間帯的にもう授業は終わりですか?」
「……あ、うん。そうだね」
「じゃあさようなら〜。行くぞ、ギルファ」
「分かりました」
アテネを拾って、あの爺さんのとこに行くか。
ーーーーー
……ここかな?準4級の教室は。
「お〜い、アテネ〜いる――――――ッ!!」
そこには大勢に殴られ、血を流し、ボロボロのアテネが居た。
「何であんた何かが1級の人達とつるんで居るのよ!」
「お前何か死んじまえばいいのに!」
「……ごめんなさい」
…………
「……謝らなくていいぞ。アテネ」
「!!……レオン」
「あ!レ、レオン様、これにはわ、訳がありましてね」
「お前ら、アテネに何してくれてんだよ!!」
ぶっ殺してやる!
「爆炎豪槍」
「グファァァァァァ!!」
そこには一面、火の海が広がっていた。
「……立てよ、お前ら」
「ゆ、許してください」
「は?許すわけねぇだろ?……お前ら、女だよな?お前らみたいな女は、顔が命だよなぁ!?」
お前らにプレゼントをしてやる。
「ギヤアァァァァァァ!!」
「大丈夫、大丈夫。ちょっと熱いだけさ」
そして俺は一人一人、顔を燃やしていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます