第22話 盗賊
「いってきま〜す」
「「「行ってらっしゃいませ!」」」
あ〜しんどい。今俺は、両腕に合計五キロ、両足に合計十キロの重りをつけている。自分の体重より重いんだけど?
どこのサイヤ人だよ!って思う人もいると思うが、これはイオさんが言ったことなのだ。
『明日からお前にはこれを付けてもらう。寝る前に付けろ』
これホントヤバい。朝起きた時、付けている事を忘れて起きたら、足が千切れそうになった。
「グワアアァァァ!」って叫んでしまって大量の使用人が来たからね。もうちょっとで外出禁止令が出るところだった。
そんな事を思っていると、アイリーンが突進して来た。
「レオン!……あれ、今日はパンチが遅くない?」
あ、避けられた。
「チッ、避けたか。……今日はちょっと調子が悪くてな」
「そうなんだ。……じゃあ今日は逃げられないって事だよね?」
ウゲッ。
「…………まぁ別についてきてもいいよ」
多分逃げられないだろう。
「ホント?やった!」
そして俺たちは他愛のない話をしながら街え向かった。
「ねぇリオン。好きな人っているの?」
好きな人か……
「今の所いないな」
「ホント!?」
なんでそんなビックリしてるんだ?ちょっとな、前世の記憶のせいで人の事を疑いやすくなっている。
「まだ私にもチャンスはあるかも……」
「ん?今なんか言ったか?」
「ううん!なんにもない!」
「そういえば最近出会ったヤツがいるんだよな〜」
「最近出会ったやつか……もしかして女子!?」
「そうだが?」
なんでそんあ驚愕な顔をしている?
「……ねえ今日はそいつに会うの?会うんだったら連れっててよ」
「会うっちゃ会うが、お前にその場所は行かせられない」
流石にちょっとな……
「なんで!」
何でって……なんかイオさんとの訓練を邪魔されそうな気がする…………
「まぁ……色々あるんだよ!」
「なん―――――ッ!!」
!?今ナイフが飛んできたぞ?辛うじて避けたが……
「ボス、今の避けられましたぜ」
「そうだな。いい服着た、いいカモだと思ったんだがな」
「誰だお前ら?」
服と顔的にカタギの人間じゃねぇな。
「敬語を使えよクソガキ。……大丈夫さ。手荒な真似はしない。誘拐するだけだ」
誘拐だと?身代金でも取るつもりか……
「お前らやってしまえ」
「「「ヘイ」」」
「オイオイオイ、ロクに話を聞かずに誘拐かよ……アイリーン。立てるか?」
「ひ、ひいいぃぃぃ!!」
初めての人間の殺意に怯えたのだろうか。多分、この中の一番弱い奴よりかは強いと思うがな。
……まぁいい。コイツラには消えてもらおう。人の前では殺さないからな。
「後悔するなよ」
「ハッ、何言って――――グファ!」
まずは一人。
「お前ら!こいつは魔法を使うぞ!気を引き締めてけ!」
「グハッ!」
「グハッ!」
「グハッ!」
よし、手下は全員やったか。
「チッ、手下は全員やられたか。まぁいい。このガキが俺に勝てるわけがないからな」
こいつ俺の事を舐めてるな……
「お前!魔法使いが剣術を使うヤツに近づくなど愚の骨頂だぞ!」
「知ってるよ」
でもな、俺は刀使いなんだ。
「グハッ!……お前卑怯だぞ………」
「何言ってんだ。殺し合いは嘘ついてなんぼさ」
あ、殺しちゃった。
《3250Expを獲得しました》
意外と経験値が上がったな。
「よし立てるな」
「う、うん」
「じゃあ俺は行くから」
「!……ちょっとまって!」
俺は彼女の静止を振り切ってイオさんのところへ向かった。
ーーーーー
「こんにちはイオさん」
「おうレオン。……今日は遅かったな」
「ちょっと色々あってね…………」
「そうかそうか!……まぁあの重りを付けていたからな」
ホントだよ。あの重りのせいで盗賊倒すのにも一苦労だよ。
何気に身体強化、鬼化、思考加速、視覚領域拡張、感覚領域拡張を使ってやっと倒せた。相手には余裕の表情を浮かべとかないとスキをつかれる。
「で、イオさん。セラは来てる?」
「勿論来てるぞ。今は魔力切れを起こして休んでるぞ」
「そっか。……今日の俺の訓練はなんだ?」
「よくぞ聞いてくれた!今日からお前にしてもらうのは経験値集めだ!」
……ん?経験値集め?
「前イオさんは経験値は訓練しているときに自然に集まるから自主的に集めなくていいって言っていたけど」
「まぁそうだな。……別にいいだろう!さあ、どんどん集めに行ってくれ!」
なんだ急に?
「……分かったよ。行ってくるよ」
「おう!行ってらっしゃい!」
何で急にそんな事を言いだしたのか……
「…………済まないなレオン」
(俺には物理の戦いの腕はあるが、魔法の事をよく教えられるほどの腕はない。済まないが魔法は、実践で養ってくれ。だのんだぞ)
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