名刺代わりの好きな本五冊 はくも版

汐海有真(白木犀)

名刺代わりの好きな本五冊 はくも版

 こんにちは、白木犀はくもくせいです。


 自主企画を眺めていたら、まるっこさんが「あなたの『名刺代わりの好きな本5冊』教えてください」という企画を開催されていました! 面白そうだなあと思ったので、ゆるっと参加してみます。


「この人はこんな本が好きなんだなあ」と思ってくださっても嬉しいですし、「今度本屋で見かけたら手に取ってみようっと」と思ってくださっても嬉しいです〜! ではでは、早速いきましょう。


 *・*・


①『いたいのいたいの、とんでゆけ』 三秋縋


 三秋縋さんの小説、大好きだったりします。三秋縋さんが書かれる物語は、どれも悲しくて苦しくて切なくて、きゅっと胸が締め付けられるような心地がするんです。


 そんな三秋縋作品の中でも、私が一番好きなのが、『いたいのいたいの、とんでゆけ』です。


 万人におすすめできるかと言われると、答えはノーだと思います。結構グロテスクな描写が多く、物語の重要な要素として「復讐」が含まれたりもします。人によっては、読むのが辛くなってしまうかもしれません。


 それでも私は、この物語が本当に好きです。胸が痛くなるほどに悲しくて、それでいて、愛というものの美しさをしっかりと描ききっていると思うからです。この作品に巡り合うことができてよかったな、と思います。



②『しろいろの街の、その骨の体温の』 村田沙耶香


 村田沙耶香さんの小説、いいんですよね……。特に有名なのは、芥川賞を取った『コンビニ人間』でしょうか。私の部屋にある本棚には、村田沙耶香さんの作品がずらーと並んでいたりします。


『しろいろの街の、その骨の体温の』も、結構グロテスクな作品だと思います。先程挙げた『いたいのいたいの、とんでゆけ』が血が出るグロだとしたら、こちらは精神的なグロの方ですかね。


 学校にありがちな「カースト」「虐め」といったものが、真っ向からしっかりと描写されていて、読んでいると「うああ……」という気持ちになります。村田沙耶香さんのすごいところは、このような負の要素について、暴力的なまでに深く緻密に描き出すところだと思います。


 とても読みやすい文章で書かれているので、物語にすごく引き込まれます。これも中々苦しい作品ですが、私は大好きです。



③『私の男』 桜庭一樹


「愛し合う」ということは、本来とても美しいもののはず。でもそれが、父と娘の関係性だとしたら、どうでしょうか。


 二人の間には、越えてはいけない一線があるのかもしれません。でも、他者がそうやって決め付けることは、本当に正しいのでしょうか。


 そんなようなことを考えさせられるのが、こちらの『私の男』という作品です。読みやすい上に厚みのある文章、そして背徳的なストーリーに、ページを捲る手が思わず止まらなくなるような物語です。


 紹介を書いていたら、また読み返したくなってきました。余談ですが、桜庭一樹さんが女性だと知ったときは、ちょっと驚いたりしました。ペンネームによる思い込みって、ありますよね。



④『魔女の家 エレンの日記』 ふみー


「魔女の家」はそもそも、フリーホラーゲームなんですよね。こちらの小説は、そんな「魔女の家」の前日譚となるノベライズ作品です。


「愛されたい」という願望を抱える少女が、段々と壊れていく物語だと思います。そもそも「壊れる」と感じてしまうこと自体が、間違いなのかもしれません。彼女はただ、愛されるということに、どこまでもひたむきで、純粋だというだけだからです。


 ファンタジー要素も混ざり合っており、とても大好きな作品です。ちなみに一つ気を付けてほしいのが、ゲーム「魔女の家」の大きなネタバレを含んでいるところです。という訳でおすすめなのは、「ゲームをプレイ→ノベライズを読む」という流れです。私はゲームを実況で履修したんですが、こちらもまた素晴らしいんですよ。


 ちなみに、本の装丁がめちゃめちゃ綺麗だったりします。気になる方は、よかったら画像検索してみてください。帯の「純粋ゆえに残酷」という文言も、すごく好きなんですよね……!



⑤『生徒会の一存』 葵せきな


 今までの四作品と比べると、毛色がガラッと変わった感じがしますね。『生徒会の一存』は、日常系でコメディなライトノベルです。シリーズ作品となっており、番外編も含めるとかなりの巻数があったりします。


 とある事情から美少女の集まる生徒会に、杉崎鍵すぎさきけんという少年が入ることになります。彼はそこで、ハーレムを目指すと公言し、頑張るお話です。


 小説の内容としては、ほぼほぼ雑談です。ですが、それがいいんです。登場人物たちの掛け合いがすごく面白くて、魅力的で、とてもいいライトノベルだと思います。


 私が初めて好きになったライトノベルが、確かこの作品だったと思います。裏を返せば、この作品がなければ、今のラノベ好きな私はいなかったかもしれません。そういう意味もあって、とても思い入れのある作品です。


 *・*・


 そんな感じです〜!


 今回挙げた作品は、どれも本当に素晴らしいです。あらすじを参考にしながら、自分に合いそうかどうかを考えつつ、ぜひお手に取ってみてほしいです。


 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。こちらの自主企画は11月30日(水)まで開催されているそうなので、もしよかったら、皆さんもぜひぜひ。それでは、またどこかでお会いできたら嬉しいです!

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