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     七五調のタイトルに誘われてページをひらくと、「怪獣」「巨大ロボ」というタグを見つけたため、すぐに読みはじめました。とにかく私は怪獣やサイボーグが好きで、自作でもよく書いてしまうほどです。
     前に読んだ短編「僕は間に合わない」とは、文体や雰囲気も異なり、様々なジャンルを横断する作者の筆使いに圧倒されました。特にSFのスケールが大きく、リーヴスやルーツに限らず、額の種珠、恋のあり方、森羅万象の大樹、巨人兵器–龍馬などの世界設定に心が躍ります。それでもって物語はまとまっていて、緻密なディストピア文学である印象を受けました。
     また登場するリーヴスのキャラクターがそれぞれとても魅力的でした。主人公のレンスイはもちろん、師匠のガラマンタ、友達のザクロム、シキメも読んでいるうちに愛着が湧き、ずっとしあわせ味の鍋を囲んでいてほしくなりました。
     最後のラストは抽象性が高く、長編としてはもう少し詳細に書くと丁寧かと思いましたが、私はそのぼんやりとした終わり方も気に入っています。なので曖昧にはなりますが「レンスイが取り戻したルーツの世で、ガラマンタがレンスイの種珠を、望月茉子に届けた」ものと解釈いたしました。主人公は死んでしまったように思えますが、文中にリーヴスの本体は種珠だと書かれていたので、生きていると捉えてもいいかもしれません。噂から口付けをされたアクアマリンの石——レンスイがどうなるのか、想像の膨らむいい終わり方だと感じました。
     最後にもう一度「三つ葉の恋は人知れず」というタイトルについて。この「人知れず」というのが、望月茉子がレンスイの恋について知らないというものに加え、いまを生きるすべての人間(ルーツ)が彼の偉業を知らない、という儚さも併せて表現しているようで、読み終わると不思議な光り方をするタイトルだと感じました。
     熱が入ってしまいこんなにも長文になってしまいました。作者さまに感動を伝えたいだけなので、お忙しいようでしたら、返信も結構です。素敵なディストピア文学をありがとうございました。

    作者からの返信

    こんなにも丁寧なご感想をありがとうございます!
    深く読み取っていただきまして、顔から火が出てしまうほどです。
    ラストも伝わってよかったです!

    前々から温めていたキャラクターや世界観を成仏させたくて書いた作品でもあります。
    こうして日の目を見ることができて、浮かばれたと思っております!
    改めてありがとうございました!

  •  ルーツとリーブスの世界観と物語の雰囲気に圧倒されました。面白かったです!

     長い時間を隔ててアクアマリンに導かれた運命だったんですかね。レンスイはやられちゃったようで残念でした……。それも運命か。

    作者からの返信

    感想ありがとうございます!

    文学寄りかつ少女漫画的なので、いろんな解釈を持たせようと、メリーバッドな終わらせ方です。

    本人は石だけになっても、婚約の儀式をされちゃったので本望じゃないかと思います。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました!