第7話トゥナイト・ナイト・アンブロークン

 壊れた時計、かきかけの詩。そしてギター。

俺は不意に、ハーモニカをつまみ上げて、デュランの一節を吹いてみた。

悲しい響き。

メロンコリックなシンボリズム。

突き抜けるギターの響き。

完全に壊れちまった、時計の針は戻せない。

書きかけの詩にリズムを乗せる。

アコスティックなアレンジ。

ロックンロール・モーメント・インパクトギターノイズ

壊れた時計。犯した過ち、すべてを飲み込む、再生、あるいは、新しいトリップ感覚のバックレた、バッカ野郎。

突き進むぜ。前へと。

引いたら負けさ。ビートルズ。俺は越えるぜ、でも、敵わねえ。無敵の気分で、歌を歌えども、あのビートには、正直、惚れる。ジョン、ポール&ジョージ&アップル。

世界制覇。

俺たちはいつまでも、愚かなキッズ気取り。

そういやあ、ジョンの奴、いつまでたっても、かわいい声してりゃあ。まるでボーイ。

あいつの無垢さにはかなわねえ。

でも、おれ達は、天才だぜ!

 砂漠にオアシスを求める旅人が独り、月夜の晩にはハーモニックス。

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