methot

@kemariu

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野球少年リングは7歳の頃、メットホット(チーム名)のマイコラス選手の特大ホームランを見て、プロ野球選手になろうと決意する。


リングは才能に恵まれ、目覚ましい成長を遂げた。

高校では国のU―18の代表に選ばれた。


現在18歳、とうとう憧れのメットホットから、声がかかった。

遂に、夢が叶うのだ。



一方、マイコラスは大スランプに陥っていた。

成績が良かったのは12年前~7年前の5年間。

それ以降は、たまに代打で起用される程度


3年前、守備でボールを取った際に、右足を故障してしまう。

3年間、故障が続いてしまったマイコラスは、とうとう引退を余儀無くされてしまった。



翌年

リングはドラフト1位でメットホットへ入団

マイコラスは球団からの犒いで、選手兼コーチとなる。


リングはマイコラスを夢見て、努力してきたため、

コーチ兼任となったマイコラスから厳しい指導を望んでいた。


しかし、傷心しているマイコラスは、新しく入ったリングがキラキラして見えて、リングを褒めることしかできなかった。


リングは自分を褒めるマイコラスに不満を感じた。


しかし、他コーチや監督からリングは厳しく指導をしてもらい、遂にレギュラーの座を獲得する



ある日、マイコラスと、とても仲の良かったスティーブが亡くなってしまう


スティーブと3、4番のクリーンナップを打っていた当時等を思い出したマイコラスはスティーブが亡くなったのを酷く悲しんだ


またリングもマイコラスと共に闘っていたスティーブの死を悼み、葬式へ足を運んだ


葬式で、マイコラスとリングは隣の席になる


マイコラスはリングに彼のことを話し始める

「スティーブは私の相棒で1番の支えだった。必ず4番の私に打席を繋いでくれる。そして死にゆくときまで彼はメットホットのスーパーヒーローだった。彼の名は後世に受け継がなければならない…」


リングは、マイコラスに憧れた当時を思い出し、思いをマイコラスにぶつける

「ミスターマイコラス!あなたは、僕のヒーローだ!ミスタースティーブが打った後に必ず大アーチを打つあなたは僕の憧れだった」


マイコラスはリングのその言葉を受け、奮い立たされた。

「スティーブへの1番の恩返しは、メットホットというチームを世界一の球団にするために、私が球団を牽引することじゃないか!」

と。

マイコラスは、スティーブのため、球団優勝に向け動き出した。


リングを誰より可愛がり、4年をかけて4番バッターへと成長させる。

マイコラス本人も、衰える身体の中、選手としての自分も大切にした。


そして遂にメットホットが世界一の決戦へと歩を進める。


しかし、世界一の決戦が決まった試合(準決勝)でリングが右足を故障してしまう。

リングはしかし、「決勝に出る、必ずチームの優勝に貢献する」と言って、コーチ陣の話を聞かなかった


決勝の前日、マイコラスは怪我をしても練習し続けるリングに告げた

「リング、君には素質がある。球界に名を残せる素質がある。」


リングはマイコラスの気持ちを、そして球団からの想いをようやく汲み取った


「明日は出ません」

リングは監督に意思を伝えた


監督は数秒間、目を見つめた後、微笑み、その場を去った。


そして当日。

リングはスターティングメンバーを外れた

しかし、ビッグサプライズが起こる


スターティングメンバー4番バッターにマイコラスが指名された。


実はマイコラスも前日に監督に想いを伝えていた

「リングの代わりになるかは分からない。でも、、、」

「1打席でいい。1打席でいいから、リングにかっこいい姿を見せてやりたいんだ」



決勝

メットホット0-3 ミラーズ

7回表の攻撃

1アウト1、2塁、そして3打席目のマイコラスの打順に回ってくる


マイコラスの頭の中にスティーブが出てきた。

カウント1-2からの1球。彼にスティーブが力を貸してくれた。


マイコラスは2点のタイムリーを放った。

しかし、マイコラスは昔の古傷が痛み、交代となる



9回表の攻撃

メットホット2-3 ミラーズ

ミラーズ側のファンは後3人で優勝が決まるため、大盛りあがり。


そんな中、1アウトから3番のシャーペンがフォアボールで塁に出た

監督は4番に強打者ホーレスを用意していた。


しかし、マイコラスが監督の元に行く

「監督。リング…リングに俺の4番を打たせたい…」


監督は悩んだ末、リングをホームベースへ送り出した。


リングは少し足が痛んだが、アドレナリンが漲った

2-2のカウントまで追い込まれたリング


ベースから離れリングはつぶやいた

「僕はマイコラス。僕はマイコラスだ」

リングは7球目の低めストレートをライトスタンドへ運び、チームを逆転へと導いた。


メットホット4-3ミラーズ

メットホットは奇跡の逆転勝利をした。

悲願の世界一である。


リングはそれから15年の歳月、不動の4番バッターとなり、マイコラスはメットホットの監督として10年間チームを牽引することになった。


マイコラスとリングは球史に名を残した。


おしまい。

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