第5話『ガレージの中』 『レーザー銃』 『目をそらす』
近代の科学の進歩にはいつも驚かされるばかりだ。
医療サービスや交通機関がより便利になり生活をより楽にしてくれる現代に生きていること。
それだけでも俺は幸せ者なのかもしれない。
成人を迎え、恋愛を経て結婚。子供にも恵まれまさに順風満帆。
友人関係も良好で子供の付き合いもこれから増えていくのだろう。
これからも俺は家族のためにも頑張って働くつもりだ。
そして今日はマイホームの検討のため、モデルハウスの見学に訪れていた。
ガレージと庭付のの2階建ての新築。
もちろん多額のローンを組んで購入することにはなるが、今後の幸せのことを考えたら安い買い物だ
ろう。
なので前向きに購入を考えているこの家を隅々まで見て回っている。
そして最後に『ガレージの中』に入ったのを最後に、私の記憶は突然途絶えてしまったのだ。
・・・・・・
どれくらい眠っていたのだろうか。
気が付くと俺は、自家用車の運転席に座っていた。
助手席には妻が、後部座席にはチャイルドシートに座る愛娘が寝息を立てている。
なぜ気を失っていたのか?なぜここに座っているのか?全くわからないが鼻がやたらムズムズする。
「どうしたの?」
心配する妻の声で我に返った。
「ああ大丈夫、なんでもないよ。」
笑顔で返事をしてエンジンキーを回す俺。外は日が落ちてだいぶ暗くなっていた。
(疲れているのだろうか?)
少しとはいえ、気を失ってしまったことに落胆しながら帰路についた。
「カンカン・・・・・・」
深夜、微かに聞こえる音に俺は目を覚ました。
妻が気遣って、夕食後早めの就寝を勧めくれたので甘えることにしたのだ。
普段なら娘を泣かしつける役目があるのだが、今日は妻が代行してくれる。
家族に疲れた姿を見せるなんて・・・・・・
俺は体力を回復すべく息巻いて寝始めたのにも関わらず、聞こえてくる音。
(何の音だ?)
疑問を解決すべく、聞き耳を立てる。
ベッドから起き上がり、部屋の中を歩き回ったが音源の判別ができなかった。
でも確かに音は聞こえている、なんというか骨に響くようなそんな音がしている。
そして相変わらず鼻がムズムズする。
(何なんだ今日は?)
俺は音を無視して再びベッドに向かおうとしたが
鼻がムズムズを解消すべくティッシュペーパーに取り、思い切り鼻をかんだ。
すると手の中に重みを感じた。妙に暖かくそして針の先端を触るような尖った感触がしたのだ。
俺はくるんでいたティッシュを開く。
すると見慣れない小さな物体が動き回っていたのだ。
ネジよりも小さいその物体はまるで生き物のように飛び跳ねこちらに顔を向けている。
俺はそっとティッシュを捨てようとしたが
現実から『目をそらす』事が嫌いな俺は再びその物体?と向かい合いまじまじと顔に近づける。
すると必死に叫んでいる内容が聞こえたきた。
「おーい!! 早く俺をあんたの鼻の中に戻すんだ!」
「は?」
存在にも驚いていたのに加えて、発言もぶっ飛んでいるこいつは何を言っているのか?
「まだ、『レーザー銃』加工が完了していないんだ!」
「はぁぁぁぁ?」
俺の鼻の『レーザー銃』加工?
全く意味が解らない。
すると花粉が鼻に入ったのか、思わず俺はくしゃみをした。
すると、鼻の先端からレーザー出た
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
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