第3話『宇宙船のコクピット』 『電灯』 『契る』

#創作

#お題

#三題噺

結果1つ目は『宇宙船のコクピット』

2つ目は『電灯』

3つ目は『契る』


「5」

遂におれは夢を叶えたのだ、そう「宇宙飛行士になる」という偉大なる夢を。

この瞬間の為に幼いころから努力を忘れず、毎日宇宙のことだけを考え続けた。

「4」

初めて、夢を志したのは忘れもしない小学3年の社会科見学。

全く興味の無かった宇宙開発の実態を知り、その瞬間から俺の人生プランは決まったといってもよい

「3」

それからというものの、苦手な勉強に真面目に取り組むようになった。

健康体になるために嫌いだった野菜もしっかりと食べることを心がけた。

「2」

時々勉強ばっかりで、周りから浮いてしまう事もあった。

その時はコミュニケーションの大切さをまじまじと知り、TVとスマホを買ったよな。

「1」

NA〇Aの宇宙開発チームに入れると聞いた時は最高の気分だったよ。

家族、友人、知人のみんなが祝福してくれた。俺は幸せ者だな。

「0」

ありがとうみんな!俺はこれからの宇宙任務に全力を尽くします!



カウントダウンの終わりと共にロケットが打ち出される。

今迄に感じたことのない激しい揺れと重力に俺は興奮しっぱなしだった。

大気圏を抜ける初めての感覚、使い終わったエンジンの切り離され、無重力状態に近づく。

目的地の宇宙ステーションが見えてきた。

鼓動が強くなり、まじまじと宇宙空間を見つめる俺の心は最高潮に達していた。


だがここで、思いもよらない事態が発生した。

信号待ちしていた宇宙船が交差点で衝突事故を起こし、俺らのロケットは巻き込まれてしまったのだ。・・・・・・


俺は事故の事故処理の話し合いをするために、信号無視をしたイベント用『宇宙船のコックピット』に移動した。

互いの被害状況と賠償について確認し、俺は宇宙開発本部へ詳細を報告する必要がある。

事故の影響だろうか、コックピットの一部『電灯』が点滅を繰り返していた。


しばらくしてコックピットの扉が開き、ドレス姿の女性とタキシードの男が入室してきた。

2人とも焦っている様子で、息が乱れている。

そして俺の前まで来ると、礼装の2人が勢いよく頭を下げたのだった。

「申し訳ございませでした!!」


状況はこうだった。

事故を起こしたイベント用宇宙船では盛大な結婚式が行われており

深々と頭を下げた2人は主役の夫婦らしい。

そしてまさに、『契る』という瞬間、操縦手がを自動操縦に変更し忘れたまま席を離れたため

今回の衝突事故が発生したらしい。


その後、各保険会社との話もまとまり俺はロケットへ戻った。

幸いロケットの運航に影響は無かったので宇宙ステーションへはすぐに到着した。

そしてささやかな歓迎会が開かれのだった。


「宇宙で結婚ってスケール大きいよなぁ」

今日の出来事を振り返りつつ、つい言葉が出た。

すると俺の言葉を聞いていた同僚が宇宙食を頬張りながら反応した。

「実はさぁ」

「ん?」

「俺来年宇宙で挙式あげるんだよ」

少し誇らしげな同僚に俺は告げた。

「自動操縦は忘れるなよ」

俺は事故証拠のロケットレコーダーのデータを本部へ送信すべく、PCを開いた。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る