第2話『雪の朝』 『一番星』 『振れる』
創作
#お題
#三題噺
結果1つ目は『雪の朝』
2つ目は『一番星』
3つ目は『振れる』
彼の吐く息は白く、僕を握る手が小刻みに震えている。
何度も僕の顔を見ているがどれくらいの時間をこの空間で過ごしただろうか。
そしてこの暗闇を歩き続ける彼は何処へ向かうのだろうか。
そういえば前に僕を握っていたのは別の女性だったと思う。
雪の季節になると、彼女は山奥の小さな小屋の中で春を待っていた。
そんな吹雪がやんだ『雪の朝』、いつものようにコーヒーを飲む女性の元へ彼は突然訪れた。
驚く彼女の元へ歩み寄る彼、すると彼女は床に寝ころびそのまま動かなくなった。
彼女が食べようとしていたマフィンを彼が勢い良く頬張る。
テーブルに置かれた食材を無我夢中で口に押し込み、コーヒーの熱さは彼には関係がなかった。
しばらくすると僕は雪原にいた。
空は済んだ藍色へと変わり、その中にポツンと輝く物体。
不思議な事に、僕は決まって輝く彼の方向を見ているのだ。
いや、正確には『振れる』と言った方が正しいか。
「『一番星』か」
いつも僕を握っていた女性がつぶやいていたのを思い出す。
光り輝く彼の名前なのだろう、いつも目が合う彼には不思議と親近感がわいた。
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