第10話
ボスとの戦闘から5日の時間が過ぎていた。
俺はパペット衛生兵の登場で辛くも命を救われ、ダンジョン下層で生き延びていたが、下層の魔物を倒すのは一筋縄ではいかず、何回も、何回もリベンジしては撤退を繰り返す毎日だった……
そんな俺達も、ようやく下層の底辺の魔物の一体を撃破した事で、事態が急激に動く事は想定していなかったのだ。
名前:内竈葉月 年齢:25歳 性別:男性
所属:--------------------
クラス:ワンマンアーミー LV10
クラス情報:一人で活動する軍人・兵士、単独行動時に上方補正が発生する。レベルが上がるとクラススキルツリーでスキルが増える。
スキル:パペットアーミー ・ パペット機械化部隊 ・ パペット衛生部隊
護衛艦隊(new)
俺はスキルの欄に護衛艦隊となっている項目に注視していた。
俺は陸上自衛隊の出であるから、海上自衛隊の艦船や編成など詳しく知り得ないのだ。もしも、俺が知っていれば最新鋭の護衛艦をチョイスしたであろう事は明白だ。
だが、もう一度だけ言おう……俺は海上自衛隊ではない!
そんな事を考えながらも俺は、護衛艦隊を召還してみる事にしてみた。
召還されて姿を現したのは、米軍の空母打撃群を思わせる軍艦の数であった。空母を核として、その周りにはミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦や駆逐艦、それに強襲揚陸艦の姿もある。
水も無いのに何で地上に現れたのか、そう疑問があったのだが、その姿を見て納得してしまう。艦隊が漂っていたのは地面から1mも離れた空中であったからだ。
水もない場所でも、命令さえすれば前進し後退も出来ていた。
空母の大きさは目測だが、大体40mから50mの間くらいだろうか?巡洋艦は20m前後で駆逐艦は15mくらい?そして、強襲揚陸艦は30m前後と言った感じである。
空母x1 ミサイル巡洋艦x2 ミサイル駆逐艦x2 駆逐艦x2 強襲揚陸艦x1
これが護衛艦隊の編成であったが、空母に搭載されていた艦載機は、最新鋭戦闘機のF-30戦闘機であった。2030年に航空自衛隊が配備した国産戦闘機である。第6.5世代戦闘機の
この学習型AIを搭載した心神・改は世界トップクラスの戦闘機になっている。心神・改には艦載機のタイプは開発されていないのに、目の前にある心神は艦載機であった。(解せぬ)
強襲揚陸艦は海上自衛隊が2025年に米軍の強襲揚陸艦を参考に開発した物で、ヘリや
因みに強襲揚陸艦の名前は知らない(だって陸自だもの!)
こんな面白そうな玩具を持ったら試さずにはいられなかった……(アハッ)
+-+-+-+
下層の魔物は最初は手強くて。縄張り争いで争っていた魔物達を漁夫の利で全戦力で叩きのめして、辛勝を手に入れていた。そんな弱い俺……俺達であったが、今の戦力はと言うと、護衛艦隊が移動を助けてくれるし、戦闘では空母からは艦載機が発艦して援護をしてくれるし、強襲揚陸艦からは仕上げとばかりに機械化部隊が地上に降下して制圧射撃を開始する。
我が軍は最強ではないかと思っていた時期もありました……
中層のボス部屋を逆から攻める非常識に、最初はボスも浮き足立っていたが、直ぐに体勢を整えたボスは圧倒的な強さを俺達に示して、俺の心を折にきたのだ。
此処でも辛酸を嘗める破目になった。
撤退を成功させた俺は、1人で俯き泣くしか出来なかった……悔しい……早く帰りたいのに……ダンジョンは俺の努力など嘲笑うかの様に、俺の前に立ちはだかり邪魔ばかりする。もう心が折れそうだ。
認識票に付いている銃弾を握り締め、此処で自決しても許してくれるかな、誰の許しが欲しいのかさえ分からない状況で、俺は1人でボソボソと独り言を呟いていたが、魔物は俺の事など気にしないで襲い掛かってきた。
「俺が何をした。俺は生きて帰りたいのに、お前達は何で邪魔ばかりする。お前ら全部……ぶっ殺してやる」
俺の中で
「死ね。死んでしまえ。俺の邪魔をする奴は皆殺しだ」
俺はパペットに全戦力を投入して殲滅しろと命じた。命じたのを最後に俺は意識を失ってしまっていた。
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