第6話
ダンジョン省にスキルの登録が終えて、俺達は次の日にはダンジョンアタックを試みていた。訪れているのは元首都だった東京都内にあるダンジョンだ。
ダンジョンが発生した10年前までは日本の首都は東京だったが、今現在の首都は京都である。京都は日本で唯一ダンジョンがない地域だった為に、急遽、天皇陛下や国の要人が移り住んだ場所である。
そして、現在の東京がどうなっているかと言うと、日本で一番ダンジョンが多い地域であった為に、民間人の立ち入り禁止区域に定められていた。東京に入れるのはダンジョン省に登録した
近年では、探索者の登録も国が設ける一定の基準を満たさないと登録出来なくなってしまっていた。登録制になるまでに探索者の多くの若者が命をダンジョンで散らせたのが、国に取って切り捨てられないレベルになってしまったからだ。
20年以上前から少子化と騒がれていたのに、ダンジョン内で若者が自殺紛いな装備で探索をして命を散らして行ったのが原因だった。
(スキル、パペットアーミーの技量が一定の条件に達した為、以下の項目が解除されました)
俺が物思いに耽って戦っていると、頭の中で例の声が聞こえて来ていた。
(パペットアーミーに機械化部隊の運用が可能になりました。それに伴って、以下の項目をお選び下さい)
目の前の何もない空間に行き成り文字が浮かび上がって、そこに書かれていた事はこうだった。
歩兵支援車両一覧
・60式自走106mm無反動砲
・スティングレイ
・PT-76
・Ikv 91
・AMX-13
兵員輸送車一覧
・96式装輪装甲車
・AAV7
・M1126 ストライカーICV
・BTR-90
・エイタン
この中から選ぶならば、古巣の自衛隊と縁がある物を選びたい。
俺が選択した物は歩兵支援車両では、60式自走106mm無反動砲の一択 だったし、兵員輸送車も96式装輪装甲車の一択である。
俺が乗り物の名前を押すと、名前の欄が光だし、少ししてから光は消えてしまう。あのラインナップは凄く偏っていたが、贅沢を言っても仕方がない。選べるだけ有難いと思った方が、有難味を実感できると言うものだ。
俺は直にパペット指揮官を呼ぶと乗り物を出す用に命令を下したが、指揮官は俺を不思議な目で見るだけで一向に話が進まなかった。そして、指揮官から帰ってきた言葉は(ピッピッピィー?)だった……
「どうした内竈、何をしている素材の回収も済んだから移動するぞ」
隊長が移動すると言うので俺は急いで軽装甲機動車の運転席に座り運転する為にシートベルトを締め出していたが、不と頭の中に何かが引っ掛かってしまう。
軽装甲機動車の窓を開けてパペット指揮官に向けて、俺は乗車用意始め、っと号令を下すと何処から出現したのか、行き成りそれは現れていた。
んっ!?
おいおいおいおいおい……俺が選んだのは60式自走106mm無反動砲だったぞ?
何だあの旋回砲塔が付いた60式自走106mm無反動砲?
おかしいよね?固定砲だよ60式自走106mm無反動砲って……それが旋回砲塔って何なのかな、おかしいだろう!
そして、もしやと思い96式装輪装甲車を見やると……何この96式装輪装甲車は?あのストライカーを選んだんじゃないんですけど……おかしいやろう!
俺が60式自走106mm無反動砲と96式装輪装甲車に突込みを心の中で入れていた時だった。
「内竈何をしている。敵が接近中と言っているだろうが!何をやっとるか」
別府隊長の怒号が車内に響き渡ると、俺の意識は一気に現実へと引き戻されてしまう。軽装甲機動車の銃座からはMINIMI機関銃の発射音がしている。
おやっさん《古市》が制圧射撃を開始している。俺は窓から顔を乗り出すとパペット指揮官に攻撃開始とだけ告げて、直に車を発進させて敵の側面に向かって進みだす。
だがパペット達はその場に留まったままで、隊列を組んでる様子をサイドミラーで見ていると、轟音と共に爆発が敵の隊列を薙ぎ払ってしまう。俺はサイドレバーを引いてサイトターンをして止まってパペット達の方を見てしまう。
60式自走106mm無反動砲の旋回砲塔から、機関砲の如く打ち出される無反動砲は、言い表すと機関銃の様で、96式装輪装甲車からは89式装甲戦闘車に付いている35mm機関砲 みたいなのが、絶え間なく火を噴いていたのだ。
これには俺達は苦笑いしかでなかった。
「内竈、なんだあれは?歩兵支援車両か?」
「車体は106SPの60式自走106mm無反動砲で、その上に砲塔が載っているけど、ちぐはぐ感が凄いですね隊長、もしかして、あの砲塔って87式自走高射機関砲のですかね?、90口径35mm対空機関砲KDAが106mm無反動砲になった型なんって見たことも聞いた事もないですよ」
「何なんだ……あの奇天烈な兵器は……あれを考えた奴は正気じゃない……」
くっ、殺せ……もう俺のHPは零だよ……
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