033話 村についたら先ずは土下座
つまり今はバスの一番後ろ座席で4人の寝てる女の子に囲まれてるわけだ。眠いけど、煩悩と希更さんへの恐怖、そしてエチケット袋を素早く用意するという使命感ぽいトラウマがあって寝られない。
「真ちゃん飴ちゃんいる?」
お義姉ちゃんになり隊の服をなんとかしてくれた女子高校生がチェル○ーを差し出してくれる。
「ありがとう」
なんか女子高校生ぽくないような、四周回ってなんか最新のような気もする。
「幸せそうに食べるねー、じゃあスーパー超絶ロングポ○キーいる?」
どうやって折らずに持って来たのか謎なくらいは細長いスティックお菓子を差し出される。
「「「「真ちゃんの良いとこ見てみたい♪はい♪はい♪じゃが○こじゃが○こじゃが○こ♪」」」」」
お菓子ウマって食べるけども!!何からツッコめばいいのか分からん。
終わらないけど太さだけ普通なポッ○ーを食べてると、お義姉ちゃんになり隊のメンバーの一人がトランプを出す。
「よーしブラックジャックやろう」
エースは1か11で、ジャック、クイーン、キングは10で他は数字の通り、目指すは合計で21でも、21を超えたら負けという簡単だけど奥が深いルールだ。
カードが配られるけどポッ○ーが食べ終わらない。どんだけ長いのさ?
「おっとブラックジャック!!私の勝ちぃ」
初戦くらいはね?勝てないよ
「ドロー、ドローからのドロー!!21キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
まぁまぁ、まだ2回戦だし・・・3回戦は、くっ25か、オーバーした。
「イエーイ、ブラックジャックゲット♪」
5回戦目、おっと20だ。これは勝ったな。
「あー、真ちゃんが余裕だ。これは勝負しかない!!ドロー・・・任せた」
「任せて!!ドロー、イケるまだイキ足りない、ドロー、はぁはぁ足りない足りないの!!ドロー!!どやぁ21やぞ」
「マジで20なのに負けた!?」
俺勝てないやつなの?あとなんか名前覚えてないけどなんかエロいのはセーフなん?
「真ちゃんは顔に出しすぎだって(笑)」
「次こそは負けないからな!!」
この後は、全く勝てなくて、ババ抜き、大富豪、七並べ、果ては神経衰弱までやったけど1勝も出来なくて、心が折れかけた時にやっとバスは目的に到着した。
山奥の田舎村っていう感じだけど、お年寄りだけでなくて、少し若い人達が村人に多そうだ。
手入れされた里山に、段々畑などなど日本の原風景がある。
その雰囲気は完全に破壊されている。だって兎田警備保障の社員さんがいて、どうやったのか見送ってくれたはずのお義母さんが居る。
そして、村人が総出で土下座でお迎えしてくれている。
「ふわぁぁ、ナニコレ?兎田何したのよ?」
眠そうな希更さんが兎田友梨さんに質問する。お昼まで車内で寝てたのにまだ眠いらしい。
「私は、普通に警備しか聞いてないわ。手配は熊尾だし」
クラスの視線を熊尾龍太が集める。
「なぜ同志がいる村を制圧する必要が?同志を助けるのが目的ですしな」
「あら?村に来たら制圧って常識でしょ?」
お義母さん!?
「「「「・・・」」」」
「この村犯罪で有名だし、生徒の安全考えたら当然よ」
お義母さん生徒達の安全のためにここまでするなんて、やっぱり凄い教師だな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
水岡 希更 side
真治とバスで遊ぶはずが寝過ごしたとか、どうでもいい。この村たぶん全員魔法使いだ。
魔力の源は感情とりわけ神への信仰なんだけど、熊尾みたい変な感じで信仰してもなんとかはなる。
ここの村がまともな教えのなのか不明だけど、土下座の出迎えはおかしい。私ら神じゃ無いし文明に触れたことない民じゃあるまいし。
「ふわぁぁ、ナニコレ?兎田何したのよ?」
つまりは犯人は兎田警備保障しかないでしょ。
「私は、普通に警備しか聞いてないわ。手配は熊尾だし」
おや?兎田警備保障は魔法使いの中でも荒くれの就職先だけあって統率は厳しいのよね。だから指示なくやるはずはない。
「なぜ同志がいる村を制圧する必要が?同志を助けるのが目的ですしな」
熊尾の感性は理解不能だけど、なら誰が指示したの?
「あら?村に来たら制圧って常識でしょ?」
うげぇ、Sランクの芦谷先生がやったのかぁ。
「「「「・・・」」」」
「この村犯罪で有名だし、生徒の安全考えたら当然よ」
魔法使いの教師だから、万が一の時に証拠隠滅するために先回りで居るのは分かるけど、芦谷先生が安全確保を先にするとは思えないわね。
私達に、対処させて失敗したら私達ごと制圧しても遅くはないだけの武闘派魔法使いだし。
「先生どうして土下座なんですか?」
兎田が質問する。手元とか隠しやすそうだものね。
「村で殺し合いする人達だからこれが1番安全で、監視しやすいでしょ?立ち上がる前に警備員が押さえ込み易いと思わない?それに彼らが自発的に安心安全なお出迎えとしてやってくれてるのよ」
チラッと横を見るとなんか真治は芦谷先生を間違った感じの尊敬の眼差しを送ってる。この先生は厳しいスパルタ方針なのよ?分かってる?
「でも俺たちに悪いことはしてなくないですか?」
真治が尊敬はするけど、ちょっと居心地が悪いそうに質問する。確かにこれ真治が離れたら魔法で戦いを無理矢理させられてもおかしくない。
そう思うと芦谷先生の私兵が土下座して、油断を誘ってるようにしか見えない。
芦谷先生と、真治のお父さんである安倍晴人の二人が日本最強ツートップどころか歴史的にも最強候補なのは、間違いないから数百人くらいは同時に殺しにこられても負けないだろう。だから簡単に支配くらいして、実戦訓練に使いそうなのよ。
私達はそういう犯罪者魔法使い対策の特別強化指定者の多いクラスだし。
「あら?土下座くらいよくあることよ?そのうち普通になるわ」
そりゃ犯罪者を一撃制圧して拘束、場合によっては問答無用でこの世から犯罪者をあの世へ送る仕事してますもんね。土下座くらいされるでしょうよ。
そして真治はなんで???と明らかに困惑してる。
「そのくらい経済戦争なんて、言われる社会は厳しいの。特に彼らは前科が複数回殺人なのよ?」
「あはは」
真治からは乾いた笑いしか出てこない。そりゃ前科とはいえ殺人者は怖いわ。
「気を取り直して、ロッジへ行きますぞ!!」
熊尾が仕切り始める。
「ロッジへのコースは3つ、ハズレの激ムズコースは3人。普通なコースと最短オール階段コースは半々な人数です。くじ引きで決めて登山開始します!!」
熊尾が一人づつに紙の入った箱を穴開き箱を持って行きクジを引かせていく。
「ほれ、水岡」
箱から三角に折られてホッチキス止めしてある折り紙を、1枚引く。その折り紙を開く
「うわっ最悪激ムズじゃない」
「水岡が激ムズなら心配無用だな。我はムズは勘弁だから残り2枚引いてくれよ」
真治と、別に確定かと思ったけどまだ残り2枚あるらしい。クジを引いてないのはゆなちー、ゆきゆき、マー、真治、熊尾かな?
「ありゃりゃ~階段かぁ」
ゆなちーは階段ね。
「げっ階段って最悪」
マーも階段コースか。もしかしてもしかする?
「てい、どれどれ?階段かー真ちゃんこっちおいで」
ゆきゆきも階段?あれ?残りは熊尾と真治では?
「ゆきゆきさんこれ確定してると思うよ」
嫌そうに真治がくじ引きして、開くと激ムズ。ラストの1枚を熊尾が開くと激ムズ。
「やっぱ最悪だわ」
なんで真治と同じコースなのに
「希更さん、大変そうだけど一緒に頑張ろ?」
「同志候補安倍真治よ、なにサブカルチャー愛を語ってればすぐに着くさ」
「手加減してください」
真治が不安そうにしてるけど、まっ登山くらい迷子にさえならなければ大丈夫よ。最悪は真治くらい背負えると思うし。熊尾はほっといても自分で勝手に回復するし死にはしないでしょ。
「大丈夫よ。任せない」
「あ、うん俺も頑張る」
本当に真治は魔法による回復も強化なしで登山なんて大変なことやるって凄いなぁ。この努力する姿がかっこいいのよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます