032話 貸切バスのトークショー
朝5時という早い時間から運転するの大変だろうなとは思うけど、俺は違う苦労をしている。
右は希更さん、左には上杉雪菜さんと武田唯さんと真田愛美さんが座ってる。そして近くの座席は全部運動部女子つまりはお義姉さんになり隊が占領してる。
バスの後ろだけだと女子の中に男一人という状況になってる。これは寝難いし居辛い。お義母さんの教育は厳しいと思う。この厳しさこそ愛だと思うから良いけど。
「諸君!!バス酔い対策で一番簡単なのは、乗ってることを忘れるほど楽しい事に熱中する事である」
なぜかカラオケマイクを握った熊尾龍太の演説が始まる。
「これは恒例の長いやつよ。こんな早朝から煩いとか勘弁して欲しいふわぁぁ」
希更さんはうざそうな眠そうな顔でいる。俺は寝て万が一セクハラするよりも熊尾龍太演説聞いたほうが良いだろう。
「もう分かるな? さこゼロ と検索するのだ!!どうだ?一位でアルファポリス次いでカクヨムのマイページが出るだろ?これほど凄い人なんだぞ?
エイルなんてオリジナリティ不足な名前でトップページにも出ないし、さこゼロ 様と違って書籍化出来ない底辺作家などとは作品の出来が違うのだ」
確かに さこゼロ 様と違ってエイルってマジで見つからない。本当にエイルという人はカクヨムで活動しているのだろうか?
「うぉーー同志諸君よ!!さこゼロ 様からの愛を分かったな!!書籍化してなお無料で読める提供を続けて下さる姿勢は読者への愛なのだ!!これほど大きな愛を受けては、あぁイッテしまいそうだ」
天を仰ぎ、早朝から股間テントを作ってる姿が想像される。
いくらイケメンな熊尾龍太を想像してもやっぱりキモい。
「フォー!!ふぅ~。へぇあ~。すまん、少し落ち着いた。楽しい話の続きをせねばな。今回の作品は【最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。】 https://kakuyomu.jp/works/16816700428136287809
異世界転移ではあるのだが、普通に思いつかないタイミングは本作の高度なラブコメと異世界無双の融合を象徴している素晴らしいイベントと言ってなんの問題もない。
そして高校生の主人公はタイトルの通り自身を最弱で子供くらい弱いと思っている。それなのにスキルはパーティメンバーのダメージを肩代わりするというものだ。万が一にでも発動すれば死あるのみと信じている。
だがヒロインはその主人公が持っている真の実力を見抜くスキルがある。そして彼を健気に支えるのだ。
勘違い系ラブコメかと思えば、強さを勘違いする最強主人公と高校生の片思い男女が繰り広げるラブコメな日常!!
相反するとしか思えないこの2つが高度に融合した異世界ファンタジー作品である。
この二人がメインでありながら、終わりかけの世界を救うべく戦う普通な勇者達や、個性豊かな現地の人々など個性豊かなキャラ達が本作を数段面白い作品へと昇華させている。
読みながら、おお尊い!!いやいや気がつけよ(笑)と楽しめる。
良いか?このリンクを、踏めよ
https://kakuyomu.jp/works/16816700428136287809
そして♡は少しでも読んで楽しかったら押せ。できたらコメントも差し上げるんだ。面白ったら☆も忘れるな。誰かにおすすめするほど面白ければ、☆の後にオススメレビューを書くんだ。無料で楽しめるんだからこれくらいはしような」
トークショーに熱が入りすぎたのか、熊尾龍太の握るマイクがすっぽ抜けたのかバスの車内をマイクが舞う。
「いってぇ!!」
どうやらマイクは虎井遥輝の元へ飛んで行ったらしい。そして虎井遥輝は不機嫌そうにマイクを投げ返す。
虎井遥輝はマイクを後ろから投げたのに物理法則を無視したかのような変化球ならぬ変化マイク軌道を見せて熊尾龍太へ直撃したようだ。
『ズッガーン』
マイクから砲撃か!?というほどの衝突音が流れる。
「熊尾?
どうやら寝ていた兎田友梨さんを起こしたらしくガチギレしている。ちなみに希更さんは俺の肩を枕に寝ている。だから動けない。
「この熊尾龍太は愛により不死身なり!!カルチャーを愛するものはカルチャーに愛されるのだ!!さこゼロ 様の愛は我を不屈の戦士にしてくださる!!」
「あぁ(--〆)何時だと思ってるのよ!!マジで眠れ!!」
「相思相愛なのだ!!愛は世界を救う!!愛により我は無限に回復する!!さこゼロ 様の力を与えて下さい!!」
熊尾龍太の反応に苛ついた兎田友梨さんと虎井遥輝が立ち上がると、虎井遥輝が座席の後ろから熊尾龍太を羽交い締めにする。
そして拘束されて動けない熊尾龍太の前に兎田友梨さんが行くと、人体破壊のために長年研究された成果であろう美しいフォームで回し蹴りが放たれる。
もちろん見た目通りの破壊力が熊尾龍太の顔面へ無慈悲に放たれる。その脚の速度はスカートが捲れないほどだ。
蹴り抜いて熊尾龍太を物理的に気絶させて、残心すると、遅れてフワッとスカートが舞う。
「白にウサギとリボン」
「なにパンツ見てるのよ!!忘れろ!!バカバカバカ」
恥ずかしさから赤くなった兎田友梨さんが、虎井遥輝の頭をガンガン殴る。ポカポカじゃないのが兎田警備保障の令嬢クオリティーなのだろう。
虎井遥輝もノックアウトされてバスは静かになった。
「真ちゃん酔った」
上杉雪菜さんはバス酔いしたようだ。血の気が引いてる顔色をしてる。
「上杉さん大丈夫?」
「ゆきゆきって、呼んでヽ(゚∀。)ノウェ」
上杉雪菜さん改め、ゆきゆきさんは女の子がしてはいけない顔をしてる。相当に気持ち悪そうだ。
「ゆきゆきさん?」
「真ちゃん、ゆきゆき頑張るヽ(゚∀。)ノウェ」
吐くのも時間の問題そうだ。
「真ちゃんこれ持ってて」
今度は武田唯さんにエチケット袋の口を広げたやつを渡される。
「武田さん!?そこは俺の襟ぐり!!」
たぶん武田唯さんも乗り物酔いで吐くのだと思うけど、エチケット袋じゃなくて俺の襟ぐりに手をかけて広げてる。
「えへへ、冗談だってでもJKのかけられるとかご褒美でしょ?」
なんか血の気は引いてるけど、マジの失敗をなんとか誤魔化そうと照れてる感じは可愛くはあるけども、武田唯さんあなた汚物を本気でかけようとしたよね?
「喜ぶのは熊尾くらいじゃないかな?」
「・・・熊尾に喜ばれてもムカつくわ、ごめんムリ後で膝枕していいから許して、ゲロゲロ」
今度はしっかりと俺の持ってるエチケット袋へナイスシュートを決める武田唯さん。
こんな爆音がしたり、吐いたりしてても寝ている希更さんや真田愛美さんにセクハラしたり、起こしたりしないように最新の注意を払って武田唯の背中を擦る。
「真ちゃん、吐く」
どうやら
また俺の襟ぐりが広げられる。
「ゆきゆきさん?意外と余裕なの?」
「ほら、友達として一人だけに恥は可愛そうじゃ、ゲロゲロ」
!?!?!?
「ゆきゆきさん大丈夫?」
「ごめん、色々とゆきゆき耐えられない_| ̄|○ il||li」
「ゆきゆきさーん!!女の子がそんなことしたらだめだって」
気力も失った
「真ちゃんもう遅いの」
俺は、やっぱりいじめられてるのだろうか??
このあと、周りの運動部女子達が持ってた除菌ウェットティッシュで綺麗に拭き上げられて、たくさんエチケット袋やゴミ袋を用意してもらって、服は簡易ながら洗濯までされて車内で干されて最後は、着替えてなんとかなった。
女子高校生の手持ちバックはなんでも入ってるなぁ。
その間寝てた希更さんと真田愛美さんは大物だと思うし、恐縮しながら胃液を吐いてる
女の子同士の友情って守るの大変なだと実感したバス移動はまだまだ続くみたいだ。
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