016話 デートに出発も大変

 土曜日の朝8時30分に約束なので30分前に家を出ると、ブランドぽい高そうな服を着たイケメンが待ってる。

 

「安倍真治同志候補よ!!今日も素晴らしい作品を紹介しよう!!【秋雨千尋】様

 https://kakuyomu.jp/users/akisamechihiro

 【魔王を倒したら取り憑かれた】

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648023113211

 この作品は素晴らしいぞ!!はーははは、思い出しただけでイケそうなのだ」

 

 口を挟めないマシンガントークに、またしても変態化している。間違えようもない熊尾龍太その人だ。

 

「短編で、読みやすく空き時間に楽しむには抜群だ。何が素晴らしいって、そのアイディア!!魔王の復活や実は良い奴だったというのは多いが、この【魔王を倒したら取り憑かれた】はそんなありふれたネタとは一線を画している。

 

 先ずは勝利した勇者に魔王が幽霊として取り憑く、そしてなんとかかんとか除霊を試みるがことごとく失敗する。そんな重いストーリーでありながら感じさせないどころかコミカルに仕上がっている。それも全ては『クッソ粘着質な魔王』という存在を思いつき書き上げた【秋雨千尋】様の技量あってこそであろう。

 

 プロット企画作品ではあるが、プロットを確認してなお、期待を裏切らない面白さがある。こんな素晴らしい作品を読まずして、何を読むと言うのか?無いだろ?

 

 【魔王を倒したら取り憑かれた】

 https://kakuyomu.jp/works/16817330648023113211

 

 ここだからな?いいか?

 

 そして♡は少しでも読んで楽しかったら押せ。できたらコメントも差し上げるんだ。

 

 面白ったら☆も忘れるな。誰かにおすすめするほど面白ければ、☆の後にオススメレビューを書くんだ。無料で楽しめるんだからこれくらいは当然だ」

 

「これに比べてエイルとかいう底辺作家は同じプロットなのに、分かりにくいしストーリーで読み返しても、作者の意図が説明が必要そしていまいち納得しかねる。この差が作者の能力であるな」

 

 10分は独りで喋ってるけど、本当に好きなんだなぁと思う。けどもナゼイケメンなのに変態感が抜けないのだろう?

 

「ストーカー!!死ね!!女の子の家の前に居るな!!」

 

 問答無用で家から出てきた希更さんが、熊尾龍太を殴り飛ばす。口よりもドロップキックが早かった。

 

 人間が生身で飛行しては行けない距離を、ぶっ飛ばされてさらにアスファルトにヤスリがけをされる。ブランド物着てるのにかわいそうだ。


 ところでストーカーには俺もカウントされるのかな?巻き込まれたくないし黙ってよう。

 

「ぐっは!!我は作品を書かないしやらせてくれない水岡希更に興味は無い。ストーカーなら【秋雨千尋】様にするに決まってる。我が愛に力を!!愛は無限であり世界を無限に産み出すのだ。さぁ秋雨千尋 様この熊尾龍太の力をお与え下さい愛に応えて下さい

 

 不死身の能力かと思う感じで立ち上がる熊尾龍太に俺は戦慄する。一番驚いたのは、無傷のブランド服だけどさ。ブランド物って凄いと知ったよ。

 

「うわっ、マジで、キモイ。このゴミ熊尾龍太はここで捨て滅ぼさないといけないわね、っと!!」

 

 希更さんは、体型に合ったハーフパンツに半袖シャツ、そこにオシャレで薄手の上着着てる。遊園地だから動きやすさと、見えないことを両立しつつ可愛さアップしている。

 

 そんな服装の希更さんなので、スカートの制服よりもアクロバットな攻撃を仕掛ける。熊尾龍太の反射速度を置き去りにする身体能力で、回し蹴りを後頭部に撃ち込む「ガッ」そのまま吹き飛ばさずに、脚は加速して、足から熊尾龍太の後頭部を離さずアスファルトにキスさせてしまう。

 

 熊尾龍太は後頭部への回し蹴りで気絶しているみたい何だけど、ヤバくない?受け身取ってないよ?

 

 顔面逆立ちさせられた熊尾龍太の身体は慣性の法則に従い熊尾龍太の首を曲げてはならない感じに曲げて、背中からアスファルトへ叩きつけられ仰向けになる。

 

 そして股間のテントの上に希更さんは熊尾龍太の右手を蹴って置く。

 

「最強の鈍器それはね。地面なのよ」

 

 希更さんは跳び上がり、熊尾龍太の右手に真上から全体重と落下速度により増幅させた超速の蹴りを真下へ放つ。

 

 うわぁ、男のシンボルを希更さんの一撃と地面にサンドしたよね?それは、鈍器違うよ。

 

「ノォーーーーーー!!」

 

 あまりの所業に、気絶から回復してのたうち回る熊尾龍太を放置して、希更さんがやって来る。

 

「ふぅ、汚いゴミを踏んだけど、その、えっとね。一緒に遊園地に行ってくれるよね?」

 

 希更さんその、男にそれはアカン。いくら上目遣いでも恐さが勝つから。恐くて断れないし、行くつもりだからいいけどさ。

 

「う、うん。遊園地に行こうか?どうやって行くの?」

 

「ノォーーーーーー!!タクシー待たせてるから直行「うっさい黙れ!!キモいゴミ」いやタクシー代くらいこの熊尾龍太が払いますぞ」

 

 男のシンボルをそれだけされたのに、奢るとか熊尾龍太は本当に男なんだろうか?いや漢なんだろう。

 

「ゴミは前で、私達は後ろに座るならいいわ」

 

「そこは女の子が前でしょう?」

 

 何故か赤くなる希更さんが俺の方を見る。

 

「あんたも熊尾龍太の横よりも私が良いでしょ?」

 

「タクシーの乗り方とか知らないから、どうなのかな?」

 

「安倍真治同志候補よ。なるべく、男女は離れて乗るのが常識だ」

 

「うっさい黙れバカ」

 

 希更さんは遠慮なく熊尾龍太へ飛び膝蹴りを鳩尾へ叩き込む。

 

「ぐふっ、しかしながらこの熊尾龍太は任務遂行するのだ」

 

 熊尾龍太は希更さんの飛び膝蹴りに耐える。希更さんも非常識だと思うし、あれだけ攻撃をするって事は男が、嫌いなんだと思うけど、熊尾龍太も人間やめてない?任務とか気になるけど、きっとアニメか何かのセリフなんだろう。

 

「おっと、ゴミ掃除で忘れるところだったわ。プレミアムうま○棒あるから、タクシーで食べていいなら隣に乗りなさいよ」

 

「えっ、本当にいいの?希更様ありがとうございます。お隣に座らさせていただきます。熊尾は前よろしく」

 

「という事で、ゴミは前に座りなさい。嫌なら完全に沈黙させるわよ?」

 

 どこで拾ったのか分からないけど、小石をお手玉しつつ、熊尾龍太のあそこを狙う希更さんの迫力はヤバい。何もやられてないけど、アソコがヒュンってなる。

 

「多数決は仕方ない。それだは遊園地へ向かいますか」

 

 さすがに股間への恐怖で顔を引き攣らせつつ、希更さんに譲った熊尾龍太が合図してタクシーが動き出しす。すると希更さんの顔が何故か赤くなり、股間ショットのためにお手玉してた小石をギュッと握る。

 

 そして手の中ピシッピシッと音がして、思わず希更さんの手元を2度見する。

 

『仲良くなるチャンスよ頑張れ、私』小声で希更さんのが何か言うけど聞き取れない。

 

 希更さんが手を開くと粉々の砂になった小石がバラバラと落ちる。そしてパンパンと手を払う。

 

 これは俺もボコられる?それともまだ、熊尾龍太にガチギレしてる?

 

「えっとね、何か遊園地で乗りたいのとかある?」

 

「んー、観覧車かな?景色気になるし」

 

「観覧車いいわね。えっと確かフルスケルトンゴンドラがあるって。それもスカートで乗れないくらい透明なのが新しく導入されたらしいわ」

 

「へぇ~それは、すっごく気になるね。希更さんも服装的に大丈夫そうだし、一番景色がいいのは何時くらいかな?」


「夕日とか見たいかも」


 思ったよりも希更さんの機嫌はよくて、これなら無事に遊園地に行けると思いながら、タクシーに乗り込んだのだった。

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