第6話 きっしょ

 俺はもう孤独すぎて頭がおかしくなってしまった。


「付き合ってほしい」なんて、そんな贅沢は言わないから、Mさんの卵子を俺に提供してほしい。


 そしたら、Mさんと俺の赤ちゃんを俺が育てる。


 シングル・ファーザーとして頑張る。


 大好きな人の赤ちゃんが欲しいのは当然。


 そして俺はパパになる。


 子供のことめちゃくちゃ愛する。


 ◆


 俺はもう孤独すぎて頭がおかしくなってしまった。


 贅沢言わないから好きな人の卵子が欲しい。胸が苦しい。どうしてこんなに好きになってしまったんだ。どうして忘れたくても忘れられないんだ。俺にも理由が分からない。


 きっとMさんは生きている。それが俺の生きる希望である。


 あなたと性格や価値観や容姿が似てる人は居るかもしれない。でも“あなた”はこの世に1人しかいない。かけがえの無い存在であることを理解してほしい。


 この世のみんなに同じことが言える。俺だって、あなただって、かけがえの無い1人だ。


 俺は毎日好きな人のことを考える。その度に胸が苦しくなり、ベッドの中で1人、悩んでいる。


 頭を抱えて悩めば、イイ!!!


 引導はすでに渡されているのにも関わらず毎日頭に浮かぶ。


 考えるだけで胸が苦しい。こんなに苦しいのなら最初から知り合わなければよかった。会わなければよかった。


 酒を飲んで、孤独を忘れてしまう。


 ベランダでタバコを吸う。


 ネットにこんなキモいこと書いていいのか。でももう、どうせめっちゃ嫌われてるから、別にいいや。もう無理なんだ俺は。だからどうせならめちゃくちゃキモいこと書く。


 どうすれば好きな人のことを忘れられるのか分からない。考えるだけで胸が苦しい。


 俺はその人の下の名前だけは知っている。


 もし仮に俺が将来結婚して女の子ができたらその名前をつける。


 心が痛い。


 これがセンチメンタルです、か。


 人生が、おもんない。おもんないんじゃ。くそが。


 俺は想像する。みゃうさんが楽しそうに笑う姿を。そしてその隣にいるのは俺ではない。


 俺は記憶喪失になってしまいたい。誰か俺を殺してください。


 ◆



 くだらん。


 なにがセンチメンタルだ。なにが愛だ。


 この世の全てがくだらん。


 俺きっしょ。


 おいプーチン、さっさと俺のアパートに核攻撃してこいや。


 俺を殺してくれ。


 タバコが無くなっちまったよ。禁断症状が出てる。タバコタバコタバコ、タバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコタバコ。


 数時間禁煙した後のタバコより美味いものはこの世に存在しないからな。今から買いに行くのが楽しみだ。


 ちなみに俺が1番好きなタバコはアメスピのターコイズ。


 体に悪いことするのマジで最高!!!!


 ずーーーーーっとタバコ吸ってる。


 射精とタバコの依存度が150だとすると、覚醒剤の依存度は1000らしい。やばすぎだろ。


 数時間の禁煙ですらめっちゃ辛いのに。


 覚醒剤だけは絶対やっちゃだめ。


 俺との約束。


 ぜっっっっっったいに覚醒剤だけは手を出すなよ。


 あーだめだ。タバコ吸わないと目眩がしてフラフラする。タバコ吸わないと体調が悪くなる。


 ◆


 なんで俺みたいな人間のクズが生きてるんだろう。


 急に落ち込んだ。


 ◆


 今も見てくださってるかは分からないけど、みゃうさんのことを話題に出すのは今回で最後にします。


 泣いて生きていますか? 笑って生きていますか? あるいはその両方ですか?


 泣きたい時は泣き、笑いたい時は笑い、無表情でいたい時は無表情でいてください。自分に素直に生きよう。


 あなたが幸せであるように、遠くから祈っています。


 俺は俺なりの道を征く。


 ◆


 14時間もの禁煙を経て、久々にタバコを吸ってる。最高にうめえ。


 どんなにクソ人間であろうと、生かされている限りは生きてる意味は残っていると思う。それがどんなに微弱であろうと、なんらかの意味はある。意味を求めて無意味なものなんて無い。


 アパートに母がやってきて、1時間くらい話していた。母の方が話したいことが多いみたいだった。


 この一年は本当にいろんなことがあった。不思議なことに、記憶にはあまり残っていない。何かの記事で読んだが、人間、本当に辛い記憶は抹消されるように脳でプログラムされてるらしい。


 ぶっちゃけ、ここ最近の俺の暮らしの記憶もあまりない。


 単調な暮らしに思えて、ここ一年で俺はめちゃくちゃ変わった。遂に一人暮らしを始めることができた。


 まあ他にも色々あるんだけど、野暮だから書かない。


 精神薬や酒の影響か、常に俺はふわふわした闇の中で生きている。影ある道も、背に光あればこそ。


 君が泣いている。


 だとしたら笑ってほしい。俺は道化になって笑わせてみたい。


 生きることは戦いだ。戦闘だ。その認識はおそらく一生変わらない。だらけてるように見えて、俺なりの方法論で俺は戦っている。人生という化け物と。


 俺は病気や障害すら自分の武器にして生きてる。恥ずかしいことなんて一つもない。


 俺は他人に「辛さを乗り越えろ」とは言わない。「辛さをも自らの武器にしろ」と言う。


 短所は、見る角度を変えれば長所になり、武器にもなる。


 俺はあなたに武器を渡したい。




 続く

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