第1話 会った人たちがみんな強烈すぎて胃薬が欲しいです
そんな驚きから早いことでもう三日が過ぎた。
「うめえなぁ!このなんだかわからねえ固形物は筋肉も美味しいって言ってるぜ!!!」
「あなたはもうちょっと静かに食べることができないんですか。しかもそれはサラダチキンって言うんだと、昨日ユウセイ君に教えられたでしょう・・・」
「このパスタというの美味しいわねぇ?こんな美味しいのを作ってくれるデザートに坊やをいただいても・・・」
「はぁ・・・お姉さま・・・でもこれは本当に美味しいよ。」
「こ、この・・・ケーキもお、おいしいですよ・・・!」
なんだか三日しか経ってないのにいきなり騒がしい。
もうちょっとこの世界を知ってゆっくりしてから色んなことに取り掛かろう思ってたのに、何故こうなった・・・
一日目からとにかく驚きの連続だった・・・
先ずこの世界は異世界なのはご存じの通り。
ここは「グリーディー」という名前の国らしく、魔法や超能力が盛んで上級魔導士や超能力者ワンと呼ばれる人たちはこれだけで生計が立てられるレベルだと言う。
実際に上級魔導士の「オロン」さんと超能力者ワンの「ケイン」さんに会ったけどまずこの2人が強烈すぎた・・・
「おう!おめえがレベッカ様にお呼ばれした男か??俺は上級魔導士のオロンって言うんだ!最近は筋トレ器具が劣化してきてよ・・・お前作ってくれよ!」
「オロンさん、そんな事いきなり言われても彼困っちゃいますよ。あ、私は超能力者ワンのケインって言います。最近この世界は少し皆さんから笑顔がなくなってきてて・・・あなたの力で笑顔が増えて生活が豊かになるとレベッカ様から聞きましたよ、よろしくお願いします。」
「おめえ挨拶がなげえんだよ!そんな長ったらしい挨拶聞いてられっか!」
「いえ、いきなり名乗るだけ名乗ってすぐに自分の筋トレのためにろくでもないお願いをするあなたよりはマシですよ・・・」
えー・・・なんかいきなりいがみ合ってるしうっせんだこのぉ!とかそんな脳筋に魔法はいらないでしょとか凄い怒鳴りあってるんだけど・・・挨拶しないとなあ・・・憂鬱だな・・・
「あ、お二人ともよろしくお願いします。」
「おうよ!」
「ええ」
案外この二人って本当は仲が良いんじゃないのか?
そんなことを考えていると何やら三人組らしき影が近づいてくる、誰だろう?
「あらぁ?あなたがレベッカ様が言ってた子?可愛らしいじゃない、お姉さん食べたくなっちゃうわ・・・」
「またいきなりそんなこと言ってる!本当、イケメンにすぐセクハラする癖どうにかならないのかい?お姉さま?」
「あ、あ、あ・・・ふ、ふたりとも・・・」
またなんか強烈なのが来た・・・疲れるなあ・・・頑張ってるよ俺・・・
「そんな事よりあなたたちも名乗ったらどうですか?」
「そうだね!流石ケイン!僕はミュートリンって言うんだ!よろしくね!」
「私はウォーリンって言うのよ・・・早く坊やと遊びたいわ・・・」
「わ、わたしはジャーリンって言います・・・よ、よろしくです・・・」
「三人ともよろしくお願いします、あ!そういえば僕の名前は・・・」
「ユウセイって言うんだろ?」
「ユウセイ君でしたよね?」
「ユウセイじゃないのか?」
「ユウセイちゃんよねえ確か。」
「ユ、ユウセイさんですよね・・・」
こいつら俺の名前を知りやがってた・・・!なんだったんだこの時間は!
あぁ・・・胃薬欲しいよ・・・
「ユウセイ!どこ行ってるのかと思ったらみんなにもう会ってたのね!この5人は国の中でも重鎮な方たちだからよく覚えていた方がいいわね!」
こいつら重鎮かよ・・・こんなので大丈夫なのこの国・・・
「とにかくちょっとお腹空いたからご飯作ってよ!家にあるの何でも使っていいからさ!」
「だったら俺らもごちそうになるか!」
「あなたにしては良い事を言いますね。」
「そうだね!折角ならいただこうか!」
「坊やのごはん・・・そそるわねえ・・・」
「わ、わたしもお腹ペコペコです。」
いきなり二人分から七人分の食事・・・もうなんか適当に作ろ・・・
そんなこんなでこの日はパエリアを作ったのだが自分が食べようと席に座ったころには少し多めに10人前作ったはずなのだが皿にはもう何も無かった。
次の日はカレーライスにした、前日の反省を踏まえて15人前作ったのだが席に座ったころにはまたしても何も無かった。
どんだけ食うんだ!!!そしてなんでアイツらは次の日も普通にご飯食べに来てるんだ!
そして、今・・・
今日は全員分を小皿に盛ることにした。
やっとご飯が食べれる・・・と思っていた矢先だ。
「ねえユウセイ、まだちょっとお腹空いてるし昨日食べたのが凄く美味しかったからここにあるカレーもらうわよ!」
「おい!足りねえからこの魚もらうぞ!」
「ちょっとまだ小腹が空いてますね・・・このお味噌汁もらいますね。」
「ユウセイ!このチキンソテー?美味しかったよー!お、まだこの皿に一個あるじゃん!おかわりー!」
「坊や、まだお姉さんは身も心も満たされてないわ・・・ここにある美味しいのがかかったサラダ・・・いただくわねぇ・・・」
「あ、このプリンって言うの、と、とても美味しかったです・・・もう一個い、いただきます・・・」
意味が無かった、こいつら俺の分だというの考えずに全部取っていきやがった。
あぁ・・・俺はこの世界で頑張れるのかな・・・
みんなを笑顔にしなくちゃいけないみたいです リア岡本 @MAJIMA_JINGI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。みんなを笑顔にしなくちゃいけないみたいですの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます