みんなを笑顔にしなくちゃいけないみたいです

リア岡本

プロローグ

「みんなを笑顔にしてください!」

そう言われた俺は戸惑いを隠せない。


ここはなんだろう・・・見たことないし・・・


ていうか、なんで俺に頼むんだ・・・?


俺は恐る恐る目の前にいる女の子に聞いてみた。


「ここはどこなの・・・?」


「ここはあなたが見た世界からで言うと異世界ってところよ!」


え・・・?頭が痛い、これは夢だ・・・きっと悪い夢・・・


「なんか夢?って顔してるけどあんたを連れてきたのは昨日寝てるだよ!」


寝てるとき・・・?


そう言えば俺は昨日何してたっけな・・・夜の22時にバイトから帰ってきて給料日だったからお母さんにご飯代と電気代とか合わせて5万円あげて・・・その後に俺は疲れてたから風呂も入らずに寝たんだっけか・・・


つまり、俺は寝てる間に飛ばされたのか・・・って、え!?!?


なんかよくわからないけど目の前にいる女の子は魔法やら超能力みたいなの使ってるのが見えるしもしかして・・・


そうやって頭を整理していると目の前の女の子がいきなり大声を出してきた。


「で!?!?どっちなんですか!!やるの?やらないの?早く決めてください!!!」


まあ人が笑う姿って素敵だなあと思うし、女の子だとよりキュンとしちゃう・・・男の人の笑顔も素敵だけど。


でも俺は現実世界に帰らないと今後の生活も出来ない!

何しろ両親に仲間にバイト先に迷惑が掛かってしまう。


ここは意を決して断るぞ・・・


「えーと・・・やります・・・」


「ほんと!?ありがとー!!!私、レベッカって言うの!なんかこの世界ってみんな悲惨な過去持ってたりしちゃうからどうしようもならなくてね・・・てことで!よろしくねユウセイ!」


ん??・・・なんか俺この世界に居る方向みたいな話の進み方してないか・・・?


俺そう言えばさっきなんて・・・?え・・・?お、おい・・・まさか・・・?


「えええええ!!!!!」


「え?ああ!ユウセイが元居た世界で君の凄さを見てたんだよ!ユウセイって何でも出来るのに何でコンビニでバイトしてたの??気になるから教えてよ!ねえねえ・・・」


どうやら俺は「やりません」と言ったつもりが「やります」と言い間違えてしまったらしい・・・しかも俺の名前を今名乗ってきたレベッカって子は知っていた、なんなら俺の生活も覗かれていた居たらしい。


ただ、今はそんな事を言われても驚けない・・・


ああ、どうなっちゃうの・・・俺・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る