エピローグ
再び神代姉妹を雇うことになってしまったわけだが。
とはいえ今回は向こうにも母親がいるわけなので、交代でどっちが家に帰るとか色々と労働条件を吟味していたら結構時間が経ってしまった。
具体的には春休みが終わってしまったのだが、まぁ新学期から同居再スタートというのは気持ち的にも丁度良い感じなのかもしれない。
「ふぁあああ……。明日からまた、華恋に起こされる日々かぁ」
眠気を堪えつつ登校する。
学校に着くと、雰囲気で新入生だと分かるグループがチラホラといる。
新学期というか、新学年なのだなと実感した。
「ん? 新学年……? そういや、エリカって中学卒業とかしたのかな……?」
「ほう、気が付いた?」
んなッ!? この声っ!?
背後からの奇襲に慌てて振り向く。
すると、見知った顔が見知った制服姿でそこにいた。
「やっほー、誠お兄さん。いや、お兄さん先輩!」
「いや、そこは普通名前に先輩だろ!?」
「細かいことは置いておいて~。今日から学校でも一緒だねっ。よろしく~、誠先輩!」
「ちょっ!? ここで抱きつくのは絶対にまずいってッ」
エリカが腕に抱きついてこようとするのをけん制するが、その行為が既に注目を集めてしまっている。
何しろ、こいつは端っから目立つ存在なのだ。
「すみません、エリカが嬉しさのあまり我慢できなかったみたいで……」
「か、華恋? あやまる必要は――っていうかお前も近くにいたら余計に目立つってのっ」
美少女二人に挟まれている俺を、周りの奴らは何事かと遠巻きに見てくる。
気持ちは分かるけどな。
この二人にくっつかれる男ってどんな奴なのかそら気になるわ。
「だーもうっ、離れろエリカ!」
「気にしない気にしない~。これから先、社会に背を向けて生きようっていうあたしらが学校で目立つくらいどってことないない~」
「ふむ。そういう考え方もありますね。確かに予行演習にもよさそうですし。では、私も失礼して」
「ではって!? ちょ、華恋、お前までっ」
結局、二人の少女に抱きつかれたままで校門から校舎へと進むことになってしまう。
多分、これから先の人生はずっとこういう感じなんだろうなぁ……。
などと思うと、妙に諦めがついて、内心では漏れそうな笑みを押し殺すのに必死だったりした。
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<あとがき&お知らせ>
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました!!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いですっ。
一応ここで一旦の完結ということで、毎日更新は終了とさせていただきます~。
今後の『長編的な続き』……つまり一〇万文字クラスの続編とかアフターストーリーとかIF物語とかについてですが。
その辺は、今後の状況諸々を鑑みた上で、執筆するかどうかを決めたいなぁと思っています。(今のところ書く予定があるわけではないですが)
もし仮に書くとしたら、
・姉妹とイチャついてるだけ(でもちょっとずつ関係が熟成していく)のお話。
・主人公を過去に救った少女(と家族)が再登場。大学生になった少女が大学に通う為に主人公の住む町に……!?
・主人公が過去に知り合った凄腕ギャンブラーの弟子の少女が日本に!?
「あんたに負けっぱなしじゃ納得が……え?この姉妹に負けた? じゃあまず二人に勝つから!」
・かつてエリカに『バイト』を勧めた少女が再びエリカの前に。色々あって主人公が彼女を助けることになって……。え?主人公博才無双?
みたいな感じの続編とかアフターとかIFとかがあり得ますかねぇ?
ただ前述の通り、その後を描いたオマケ編的なものは投稿しますので、どの道ここで完結設定はしません。
(オマケ編を連発してたら一〇万文字いっちゃった、とかなったらアレですけど笑)
それでは、長らくのお付き合い誠に感謝であります!
引き続き応援していただけますと大変嬉しく思います~。
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