第311話 風邪をひく
「ゴホッゴホッ!」
翌朝から咳が出る・・・
「陳宮様?大丈夫ですか?」
隣で執務をしていた司馬懿から心配の声が出る。
「少し風邪を引いたかな?」
「それはいけません、すぐに暖かくしてお休みください。」
「そういうわけにはいかない、この寒い中戦場では戦っている仲間達がいるんだ。
城の部屋で寝泊まりしているだけでも申し訳無い。
私はなるべく早く南皮に戻り袁尚を片付けてくる必要があるんだ。」
「なりません、戦なら趙雲殿もおられます、まずはお体を第一に考えるべきです。」
「大袈裟だな、ちょっと咳が出ているだけだよ。」
司馬懿は心配するが実際少し咳が出るだけであり、俺は気にもしていなかった。
数日後、俺は再び南皮へと向かう。
「夏侯覇済まないな、思ったより君に戦わせることが出来なかったみたいだ。」
「いえ、陳宮様の戦を間近に見られる機会を得れて光栄にございます。」
「大した事はしてないよ、ただ戦場をウロウロしているだけだね。
まったく高順も司馬懿も優秀過ぎて何も残ってなかったよ。
ゴホッ、ゴホッ。」
話している最中再び咳が出る。
「陳宮様?おい、医師を呼べ!」
「夏侯覇、医師だなんて大袈裟な・・・」
俺はふと口を手で拭うと赤い物が付いている。
「陳宮様!暫しお待ちを。
すぐに陣を張れ、陳宮様が休める場所を作るのだ!」
「少し咳に血が混じっただけだよ、大袈裟に騒がない。
それより行軍を再開するよ。」
「なりません!
お体を休める事を第一にお考えを!」
「わかった、そこまで言うならここに陣を張ろう。」
俺は夏侯覇を説得する事が出来ない上に体が重い事も有り陣を張り休む事にする。
「夏侯覇、ここに陣を張る予定は無かった、周囲の警戒と防備をしっかりしてくれないか?」
「勿論です、それより早く天幕に入りお休みください。」
「わかったよ。」
俺は促されるまま天幕に入る、中に入ると用意されていた寝床に横になる。
「ふぅ、少し疲れているな・・・」
そしてそのまま、眠りにつくのだった・・・
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