第309話 北の戦い
南皮で籠城している袁尚は荒れていた・・・
「くそっ!何故兵が集まらん!」
南皮なら楽に五万は集まるはずなのに集まったのは二万これでは到底陳宮と戦う事も出来ない、ただ籠城しているだけとなっていた。
「おい審配なんとかならないのか!」
「袁尚様、今は耐える時にございます。
陳宮とていつまでも出兵する事は出来ないでしょう、耐え凌ぐことこれが勝利に繋がるはずです。」
審配としても直接の戦闘て勝てる見込みは見いだしていない、僅かにあるとすればだが攻め疲れて帰国する事を願うのだが、それも難しい事は感じていた。
「面白くない!!」
日に日に機嫌が悪くなる袁尚に城内の空気は悪くなる一方であった、その中で・・・
「楽陵が降伏!」
「陽信落城!」
「浮陽降伏した模様。」
次々と周辺の町が落とされていく報告だけが届く。
「薊県を任せている袁買は何をしているんだ!南皮に援軍を送るべきだと何故わからん!」
袁尚は従兄弟である袁買に袁熙から奪った薊県を任せていた、袁尚からすれば薊県の全軍を上げて南皮に来るべきで有り、公孫康に出した援軍要請もそろそろ姿を見せてい頃であった。
「袁尚様、今暫しのご辛抱でございます。」
審配はただ主君を宥めるだけであった・・・
その頃、薊県の袁買は軍を纏めて南皮の援軍に向かっていた。
「三万の援軍があれば袁尚を助ける事が出来る、焦触、張南戦は頼んだぞ。」
袁買は戦争が得意ではない、部下の二将に任せるしか無かった。
「進め、南皮に急ぐのだ!」
袁買軍は進軍を急ぐ、南皮周辺ならともかくここはまだ幽州、袁家の領内警戒する事も無く急いでいたのだが・・・
「まったく、うちの軍師は人が悪い。
まともに戦をさせてくれんな。」
「全て陳宮様の教えです。」
「なるほど悪いことは全て陳宮のせいだな。」
「誠に、手柄を稼ぐ事も難しいのです、責任ぐらいは取ってもらいましょう。」
「司馬懿も言うようになったな、よし全軍突撃だ!袁家の雑魚を壊滅させるのだ!!」
油断している袁買の軍に高順が襲いかかる、兵士こそ袁買の軍の方が多いのだが歴戦の勇士で有り、待ち構えた高順の敵では無かった、いとも簡単に軍は崩壊、軍を纏める事も出来ず逃げるだけであった。
「追え!このまま袁家の領土を奪い取るぞ!」
高順は追撃を開始、そのまま薊県を落とし、袁買を捕縛するのであった。
「まったく楽な戦しかさせてくれんな。」
「贅沢な悩みですね。
ただ、これからが大変ですよ。」
「わかってるって、周囲の平定だろ。
面倒なやつだ・・・」
「こればかりは致し方無いかと。
まあ、すでに勝敗はついてますので抵抗する所は少ないかと。」
「わかってる。」
高順達はすでに戦後処理を始めるのであった。
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