第305話 南皮攻め

俺はゆっくりと南皮に向けて出陣していた。

「趙雲、袁尚の動きは?」

「周囲の町から兵を集め、南皮に籠城する様子です。」

「その数の予測は二万と思われます。」

「思ったより少ないね。四万ぐらいは集まると思っていたのに。」

「はい、高幹と手を結び袁熙を

攻めた事で袁家支持者の支持を大きく減らした事の影響が出ているようです。」

「確かに高幹は袁家からすると仇になるからね。」

「それに袁熙がこちらにいるのも大きいかと。」

「袁家の家督争いみたいなものだからね、まあ南皮に籠もるというなら籠ってもらおうか。

甘寧、徐盛、趙雲、臧覇は南皮を囲んでくれ。

攻撃する必要は無い。」

「攻撃しなくて良いのですか?」

「良いよ、城攻めは被害が大きいからね、その間に私が他の町を落としてくる。夏侯覇、袁熙、冒白さんは俺と一緒に他の町を巡ろうか。」

「陳宮様、同数の兵士で城を囲んで大丈夫なのですか?」

袁熙の質問はもっともなのだが・・・

「まあ出てきたら討ち取ってくれるよ、なぁみんな。」

「城に籠もらないなら敵では無いな。」

「一応旗と偽兵で数を増して見せて置いて、あと目立つように私の旗を立てて、そこを狙ってくるように配置したら面白いかもね。」

「人が悪いですね、ですがわかりました。

出てくるようなら返り討ちにしてやります。」

各将達の意気は高い問題無く返り討ちに出来るであろう。


趙雲達が南皮に向けて一直線に向かう中、俺は周囲の小さな町を一つずつ攻略していく。

「降るなら温情を持って対応する。」

町によってはそのまま降る町、抵抗する町はあるものの、兵を引き抜かれている以上、大きな抵抗をすること無く支配下に変えていく。


「さて、南皮周囲はあらかた落としたから曹彰を見に行ってみるか。」

楽成の隣、成平を落としたあと夏侯覇にそう告げる。

「良いのですか?南皮に向かうべきでは?」

「南皮は時間がかかるからね、その前に可愛い弟子の成長を見るのも良いでしょう。」

俺はどうなっているか、楽しみにしながら進軍するのだった。

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