第300話 はめられた?
目が覚めると隣で裸の孫香が寝ていた・・・
「なっ!なぜ!」
俺は昨日の記憶を呼び起こす。
昨日の夜は少し冷え込んだ事もあり、酒を用意してもらって・・・
そう、その時に大喬小喬と一緒に孫香もいたと思う。
大喬小喬の歌と踊りを楽しみながら・・・
駄目だ記憶がそこから無い。
「おはようございます、陳宮様。
昨日は楽しかったですね。」
悩む俺の隣で孫香が目を覚ます。
「お、おはよう・・・」
俺は冷や汗が流れていた。
俺は別室で休んでいた趙雲の所に駆け込む。
「なあ趙雲、俺はしてないよな?」
「陳宮様、私は護衛にございますが男女の関係までは護衛しておりませぬ。
ただ護衛の立場とすれば孫香殿と関係を持たれていたほうが安全かと存じます。」
趙雲としては陳宮が安全になるなら誰と寝ていようが関係無い、むしろ孫香と結ばれているなら孫家も容易く手を出してくる事は無いだろう。
「・・・趙雲、誰の発案だ?」
「私にはわかりかねます。」
「陳宮様、朝からお元気なのはわかりますが、女性を寝所に置き去りはあまりに酷くありませんか?」
逃げた俺に身支度を整えた孫香が追いかけてきた。
「いや、私は置き去りにした訳では無く・・・」
「孫香様、おめでとうございます。」
「趙雲殿、ご協力感謝致します。」
「趙雲、お、お前知ってたな!」
「陳宮様、何のことだか私にはさっぱり。」
「くそっ、張遼の悪いところだけみんなが真似をしてくる!」
どうやら俺の寝所を守る部下はいないようであった・・・
孫尚香の連夜の襲撃がありながらも弔問を終え、帰国する時がくる。
「陳宮殿、孫紹様をよろしくお願い致す。」
孫策の息子孫紹とその後継人として太史慈が同行者として増えていた。
「はい、お任せください。」
「陳宮殿、この度は誠に感謝致します。」
「周瑜殿も無理はなさらないように。」
「今は国を立て直す時ですから、多少の無理はしなければなりませんよ。」
「孫家には優秀な文官が多いと聞きます、その者達に任せると良いでしょう。
周瑜殿が抱え込みすぎると後進が育ちませんよ。」
「耳の痛い話ですね・・・
そうだ、同行者に一人付け加えていただきたい者がいるのです。」
「かまいませんがどなたでしょう?」
「諸葛瑾来なさい、この者は優秀なのだが・・・
劉備の軍師諸葛亮の兄なのだ、此度の戦で孫家に居場所が無くなってしまったのだ。」
「諸葛瑾にございます、どうか陳宮様の麾下に加えて頂けないでしょうか?」
「私としてはかまいませんが、諸葛亮の兄なら劉備の下に向かうという選択肢もあったのでは?」
「主を殺めた者の家臣になどなれません、孫権様は外様の私にも目をかけてくれた大恩人です、孫権様の支援があったからこそ、亮に仕送りも出来たというのにあの者は恩を仇で返すような真似をして。」
諸葛瑾の瞳には涙が浮かんでいた、その様子から心中の悔しさが溢れ出している事がわかる。
「諸葛瑾殿、お気持ちは充分わかりました、どうかこの陳宮におチカラを貸していただきたい。」
俺は諸葛瑾の涙に嘘は無いと感じる、たとえ諸葛亮の兄であれ劉備に裏切ることは無いと感じたのだった。
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