第273話 進軍開始
俺達は進軍を開始する・・・
「黄蓋殿、一つ聞きたい事があるのですが?」
「なんでしょうか?」
「何故、孫香殿も一緒に来ているのですか?」
進軍にあたり、黄蓋が連れてきていた兵と孫香を守るためにいた兵、合わせ千が同行することになったのだが、何故か孫香も一緒に来ていた。
「あはは、当然でしょう。
孫香様にとっても劉表は親の仇、大人しく待つなどできますまい。」
「いやいや、それを止めるのが家臣の勤めでは?」
「主家の願いを叶えるのも家臣の勤めですな。」
黄蓋はのらりくらりと俺の追求をかわしていた。
黄蓋は孫香とあい驚いた事があった。
それは未だに陳宮からお手つきが無く、側室になれていないのだ。
孫家にとって陳宮との繋がりは大事な物であり、孫香が側室に入る事により繋がりを強化することは最重要課題、いや国元では既に側室になっているものだと認識していた。
その為、陳宮の周りから女性がいなくなるであろう戦場ならば機会が増えるだろうと孫香を連れて来ているのだ。
幸い、孫香自身戦場に行きたがっている上に、本人もそれなりの武芸を身につけている、本陣の陳宮近くにいる限り危険は少ないだろうとの考えだったのだが・・・
「孫香様、陳宮の寝室には私がおりますので大丈夫ですよ。」
正室の曹清も一緒に来るとは、黄蓋も予測出来ていなかった。
「曹清様、正室が戦場まで共にする必要は無いと思います、都にて主人の帰りを待つべきでは?」
「私のいる場所は陳宮様のお側しかありません。」
曹清は都に戻るつもりは無い、もう二度と誤解を招く訳にはいかない、夏侯敬と共に同行していたのだ。
孫香の機会は中々訪れないのだった。
そんな中、華佗が面会を求めてくる。
「華佗殿、どうなされた?」
命の恩人である華佗の面会を断るつもりは無い、すぐさま面会することにした。
「華佗殿、よくお越しくださった。」
「陳宮殿、面会ありがとうございます。」
「なんの、華佗殿でしたらいつでもお越しください。」
俺は華佗の訪問を歓迎する。
「そう言ってもらえるとありがたい。」
「それでなんの御用でしょう?」
「ああ、少し面白い賢母に出会ってな、陳宮殿に話を聞いてもらいたいのだ。」
「面白い賢母ですか?
華佗殿が推挙されるならお会いしましょう。」
「そう言ってもらえるとありがたい。
実は近くまで連れて来ているのだ、どうだろう明日にでもあってもらえぬか?」
「ええ、わかりました。」
俺は軍を張遼に任せ、華佗が推挙する人物に会うことにするのだった。
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