第271話 陸遜も
「陳宮様、なんで世間は袁尚攻めって噂してるんですか?」
曹憲は無邪気な笑顔で質問してくる。
「油断してくれている方が戦うのが楽だからね。
戦はどれだけ嘘を相手に信じさせるかということだよ。」
「そんなんですね、てっきり戦場で武勇を競う物かと思ってました。」
「それだと勝っても負けても被害が大きいからね、なるべく被害を出さない為に沢山考えて様々な事をするんだよ。」
「なるほどです。」
曹憲は慣れたように俺の膝の上にのり、ウンウンと納得していた。
「陳宮様、私の手の者が新野、襄陽に潜入出来ました、必要とあらばいつでも・・・
おや、曹憲様、今日も陳宮様に甘えておいでなのですね。」
陸遜は部屋に入るなり、報告をしてきていただが膝の上の曹憲を見るなり曹憲に声をかける。
「陸遜、曹憲様は甘えているのではなく、俺から戦略を学ぶためにだな・・・」
「陸遜さん、曹憲は甘々のベッタリさんなのです。」
曹憲はいたずら心が出たのか俺の胸にしなだれかかる。
「これはこれは仲のよろしい事で・・・
ロリ宮様、報告は後に致しましょう。」
「待て、陸遜。なんだその呼び方は!」
「おや失礼しました、チンロリ様。」
「陸遜さん、曹憲はすでに大人なのです、子供扱いは止めてください。」
陸遜は一瞬『エッ!』と表情を変えるがすぐに冷静さを取り戻し。
「これは失礼致しました、陳宮様後で少々お話したい事が出来ました。」
「陸遜、誤解だ、何もしてないからな!」
「いえいえ、この事は張遼殿とも相談しますが・・・
陳宮様、どうか相手は子供を産める人にするべきとだけ進言させてもらいます。」
「誤解だぁ!!!」
俺の言葉を最後まで聞くこと無く陸遜は部屋から退出していくのだった。
「誤解なんだぁ〜〜〜」
俺と良くわかっていなそうな曹憲が部屋に残されていた・・・
「陳宮様、不用意に女性と二人きりになるのがいけないのです。
曹憲も淑女としてあるべき対応をすべきです。」
陸遜から話を聞いた曹清は慌てるように部屋に駆け込んで来て注意してくる。
「いや、しかしら曹憲様はまだまだ子供・・・」
「お姉様、お父様は陳宮様と仲良くするように言われました。
私がこうするのは曹家の女として当然の行為です♪」
曹憲は嬉しそうに俺の胸元に匂いを擦り付けるように身体を擦り付けてくる。
「曹憲!!」
「曹清そこまで怒らなくても、それより話を進めようか、張遼、陸遜いるんだろ、入ってこい。」
俺が声をかけると部屋の外にいた張遼達が入ってくる。
「なんだ気づいていたのか。」
「そりゃな。陸遜の姿がチラチラ見えていたからな。」
「これは失礼以後気をつけます。」
「気をつけるのは覗き見しない事だからな、体が見えた事じゃないぞ。」
「・・・陳宮様、孫権殿より使者が参っております。」
陸遜は答えること無く別の話になる。
「使者か、共闘の返事だな、すぐに会おう。」
「かしこまりました。」
陸遜はそそくさと退室する。
「まったく、なんで新しく仲間になった陸遜もお前らと同じようになるのだか・・・」
俺は張遼をチラリと睨む。
「お前の宿命だな。」
張遼はサラリと受け流すのであった・・・
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