第264話 龐統
「伯父上から手紙?」
劉備からの使者が来る前に龐徳公が出した手紙が龐統に届く。
「なるほど伯父上は曹操軍に、いや陳宮に仕えろと言うのだな。」
龐徳公の手紙は司馬徽が劉備に推挙したこと、そして龐徳公の考えである、曹操による天下統一、そのうえで民に一番心を砕いている陳宮への仕官を薦める内容であった。
「これまで親を亡くした俺達兄弟の面倒をみてくれた伯父上の薦めだ、龐林、曹操軍に向かおう。」
龐統は弟の龐林を連れて許昌に向かい旅立っていく、劉備、司馬徽の使者が来たのは二人がいなくなってからになるのであった。
「陳宮殿に面会願いたい。」
許昌についた龐統は陳宮に会う為に伯父龐徳公の紹介状とともに城を訪ねる。
「陳宮に面会?」
龐統の申し出は連絡が上に上がる前に城にいた、曹休の耳に入る。
「ふむ、紹介状には賢人とあるが・・・
曹丕様の幕閣に相応しいか私が会ってみよう。」
曹休は曹丕を神輿に新たな派閥を作ろうとしていた、その為に賢人ならばと龐統に会う事にするのだが・・・
「なんだ、この汚らしい奴は。」
龐統を見るなり罵声を浴びせる、龐統の姿は見窄らしく、顔は痘痕があり見るのも不愉快であった。
「・・・私が龐統にございます。」
「ふん、お前などどうでも良い、荊州の賢人との事だがその様子だと本当かどうかもわからんな、
所詮地方の人物鑑定士だな。
こんなゴミはさっさと陳宮の所に送りつけてやる。」
曹休は一目見るなり龐統を曹丕幕閣に相応しくないと切り捨てる、このまま追放しても良いのだが龐統が陳宮を訪ねて来たことは曹休以外も知っている、下手に危害を加えて疑われるよりはと陳宮がいる鄴へ送りつける事にするのだった。
龐統とて初見から貶してきた曹休と天下国家について語る気はなくなっていた、返事もロクにせずにその場を後にする。
「人材を求めているという曹操軍でもこの体たらくか、陳宮もどうなのだろうか・・・」
龐統は不安に思いながらも曹休が手配した馬車に乗せられ鄴に向かうのであった。
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