第262話 劉表と劉備

曹操軍が再編されていく中、

劉表の下に逃れていた劉備も自軍の立て直しを進めていた。


劉表は同族を名乗る劉備を保護し、対曹操の最前線の新野城を任せる。

劉備の配下、関羽、張飛の武勇は天下に鳴り響いており、二人の武勇と劉備の才覚に期待しての抜擢であった。


「兄貴、これからどうすんでさぁ?」

張飛は劉備に今後の事を質問する。


居城を得たものの曹操と戦うには新野で賄える兵の数は少なく劉備の兵は1万にもならなかった。

これでは戦にもならない、曹操が攻めて来るなら劉表の゙援軍も期待出来るが劉表自身が攻めていく事に難色を示しており、曹操への攻撃を躊躇している所が有る。


「おいらに足りない者を劉表さんの下で手に入れる。」

「足りない物?城も兵士も食料も金も足りない物ばかりじゃねえか。」

「それもあるが、何より足りないのは軍師だ!」

「軍師だあ?」

「そうだ、俺たちゃ百姓上がりが多くて軍略なんて解りはしない、だが曹操相手にそれじゃ勝てない!

幸い劉表さんの領地荊州は学問の盛んな地だ、頭の良いやつは必ずいる、そいつにチカラを借りればいいのさ。」

「頭でっかちに戦の何がわかる!」

「それを教わろうじゃねえか!」

劉備はこれまでの戦を振り返り軍師の必要性を実感していた、小規模な戦なら関羽、張飛の力押しで勝てるが官渡の戦いのような大規模な戦を自分達で出来るとは思えない、ならば出来る者を用意すればいい。


「関羽の兄貴どう思います?」

「劉兄の言うように軍師は必要であろう、だが曹操に勝てるような軍師がいるのか?」

「それを探してみるんだよ。」

劉備達は優れた軍師を求めて劉表治める荊州で人材集めに奔走するのであった。

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